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きみがうまれた日

今年でもう何度目かな、君のお誕生日を祝うのは。
毎年なにかしらしてきたけれど今年は言葉しか送れなくて不甲斐ない自分に嫌気がさしてるところ。

君がうまれた日。
例え君が実在していなくとも、今日はわたしにとっては大きな意味を持つ日。

わたしは君に出逢えて自分を知った。
わたしは君に出逢えて歪んだ醜い愛を覚えた。
わたしは君に出逢えて致命的に壊れてしまった。
わたしは君に出逢えてまだ頑張って生きようと思えた。
わたしは君に出逢えて本当に幸せです。

幸せになってね、この先もずっとずっと。
わたしにそれは見えなくとも。
君が生きてるなら、それだけでこの世界は生きる価値があるのだから。

大好きだよ、ずっとずっと。
どんな君もすべて愛してる。
ほんとの君じゃない君も愛した。
前に進むことが出来ないで蹲って泣いているわたしの横でそっと寄り添い続けてくれた君を、手をとってゆっくり前へ連れ出してくれた君を。

ああきっと、わたしは君にそのとき持っていたものを全部あげてしまったの。
気力も愛も感情もなにもかも。

だからね、君の物語が終わったあとのわたしは空っぽで。
少しずつまた色んなものを自分の中に溜めて生きて、隣に並んでくれた子の手をとって生きてみたけど、まだ誰かを大切に愛するには足りなかったみたい。

短くはないわたしの人生で一番こゝろを傾けた君よ
どうかどうか、幸せで在ってくれ。
そしていつの日かまた君に会えたのなら、わたしはまたこう言って全てをなげうつの。

「金木くん、だいすき!」

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