見出し画像

あと20年で世界の9割の珊瑚が死んでしまうの?実はそこまで知られてない珊瑚のこと

初めてnoteに投稿します。

このnoteは、珊瑚のある美しい海を取り戻したいと強く願うRe:Coral(リコーラル)のメンバーが、珊瑚について熱く語っていきます。最後までお付き合いくださると嬉しいです!

数字で見る珊瑚の現状

まずはじめに、珊瑚についてぜひ皆さんにも知ってもらいたいことをいくつかまとめてみました。

2008年時点で、全世界の珊瑚の19%がすでに死んでしまった*1
日本では2016年に、沖縄・石垣島/西表島近辺にある珊瑚観測地点35ヵ所の珊瑚約7割の死滅が観測された*2
あと20年で全世界の90%超の珊瑚が死滅し、2100年までにほぼ全ての珊瑚が死んでしまう恐れがある*3
海洋生物の25%が珊瑚に依存している*4

ちょっと衝撃的な数字だと思いませんか?

世界中の珊瑚がいま、危機的な状況にあります

海洋生物の25%が珊瑚に依存しているということは、
その珊瑚たちが死んでしまうと、生態系が壊れ、私たち人間の生活にも必ず影響が出てくることでしょう・・・


先日、筆者はNetflixオリジナルドキュメンタリーの『チェイシング・コーラル -消えゆくサンゴ礁-*5』(2017年)を観る機会がありました。

先ほどの破壊的な数字もそうですが、
美しかった珊瑚が死んでいく様子を目の当たりにして、とても強い衝撃を受けました。

画像1

引用:James Cook大学 Media Release(2019/8/9)

珊瑚の白化とは

珊瑚の白化現象については、1980年代から急激に報告が上がってくるようになりました*6。
そして、現在も珊瑚の白化は進行しています


ちなみに、
珊瑚の生態については別の記事で詳しく書きたいと思いますが、
厳密には、「珊瑚の白化」=「珊瑚の死」ではありません

海水温度の上昇などによって、珊瑚と共生している褐虫藻(珊瑚の色素を構成しています)が失われてしまい、色素が抜けて、珊瑚の白い骨格だけが透けて見えた状態を「白化」と呼びます。

そのため、海水温度が下がったりと、
珊瑚に適した環境になると、再び白化した状態から元の健康的な珊瑚に復活します。


珊瑚の生態についてはまだ謎も多く、現在も研究がされています。
今後珊瑚に関する研究など、取り上げていきたいと思います。

珊瑚が人間にもたらす影響

珊瑚といえば、珊瑚本体の鮮やかな色や、
そこを住処とする色とりどりの魚のイメージがありますよね。

画像2

冒頭でも書いたように、海洋生物の25%が珊瑚に依存している、と言われています。
珊瑚は海の生態系の基盤と言って良いほど、ほか生物にはなくてはならないものになっています。


また、珊瑚は海の生物だけでなく、
私たち人間の暮らしにも重要な役割を果たしてくれています。

2014年に発表された研究によると
サンゴ礁が波のエネルギーの97%を吸収しており、世界の1億人以上の人間がサンゴ礁による恩恵を受けている*7そうです。


さらに、珊瑚は漁業や観光業、また洪水被害を防ぐ「自然の防波堤」など、様々な役割を果たしてくれています。
その経済効果は、世界で年間3兆円*8、とも言われています。


津波が発生した場合にもし珊瑚がなかったら、
湾岸地域に住む人たちにより甚大な被害がもたらされる可能性があるのです。

Re:Coral(リコーラル)について

さて、ここで私たちRe:Coralについて少し触れたいと思います。

Re:Coralは、ダイバー・サーファー・研究者など、海と珊瑚を愛するメンバーで構成されています。


美しい珊瑚(Coral)のある海を再び(Re)取り戻したい


そんな思いから、私たちはこの団体を立ち上げることにしました。

Re:Coralでは今後、noteやTwitterなどを通して
珊瑚に関する、

・ニュース
・研究
・他団体の取り組み内容

などなど、国内外問わず
珊瑚に関する情報を発信していけたらと思っています。

また、Re:Coralの活動に少しでも多くの方が関わっていただけたら、
こんなに嬉しいことはありません。
興味のある方は是非ご連絡ください!(連絡先は最後に掲載しています)

おわりに

海洋環境の保護については、国連のSDG項目(Sustanable Development Goals/持続可能な開発目標)の一つとしても取り上げられており、
世界中で取り組みがまさに進んでいるところです。
SDG項目は17つあり、海洋環境の保護はそのうちの14番目に当たります。

画像3

引用:国際連合広報センター(日本語)(参考:国際連合本部SDGウェブサイト(英語)

特に2020年は新型コロナウイルスの影響で、私たち人間の経済活動が停滞したことから、二酸化炭素など海に悪影響を及ぼす物質の排出が減り、海洋環境が改善される契機になっている可能性がある*9、という報告が上がっています。

ただ、これは一時的な状況でしかないため、
引き続き持続可能な方法を模索し続ける必要があります。


*****
このnoteでは、珊瑚に関する研究の紹介や他団体の取り組み内容など、
珊瑚に関連する情報を発信していきます。

また、Re:Coralの活動に少しでも多くの方が関わっていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。興味のある方は是非ご連絡ください!

連絡先:recoral2020@gmail.com


*****
参考文献
*1:Global Coral Reef Monitoring Network (GCRMN) 団体による2008年報告書 “Status of Coral Reefs of the World: 2008”
*2:沖縄タイムズ記事「国内最大のサンゴ礁7割死滅 沖縄「石西礁湖」91%が白化」(2017/1/10)
*3:Forbes記事 "Nearly All Coral Reefs Will Disappear Over The Next 20 Years, Scientists Say"(2020/2/24)
*4:National Oceanic and Atmospheric Administration (NOAA) 団体による記事 ”Coral reef ecosystems”
*5:Netflixオリジナルドキュメンタリー「チェイシング・コーラル -消えゆくサンゴ礁-」(2017年)公式サイト
*6:国立環境研究所による刊行誌「環境儀」No. 53(2014年6月号)
*7:Nature Communications誌掲載論文 ”The effectiveness of coral reefs for coastal hazard risk reduction and adaptation”(2014年)
*8:Coral Guardian 団体による記事 ”Why are coral reefs so important?”
*9:国連ニュース “COVID-19 could help turn the tide on ocean health in Asia-Pacific”(2020/5/13)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?