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[ライブレポ]ヒグチアイ―パマフェス2023 下北沢シャングリラ

パーマ大佐の前説→オープニングアクトで場をあたためてからの、トップバッターPONEY。ナイスパニックな熱いヒップホップを披露。

舞台転換を挟み、いよいよヒグチアイ登場かと思いきや、芸人5組連発のお笑いパートで爆笑。新作のハーモニカのネタがツボって、笑い過ぎて涙出た。
お笑いって画面越しに見るより、格段に面白い…新たな発見。

そして、再度舞台転換。
まさかのトリは、ヒグチアイ。

愛用のブン太の前に座ると、開口一番「こんっなに出てきたくないと思ったことない」「だってあんなに盛り上がってた、その後だよ…」と力強く愚痴をこぼす彼女。

通常の音楽フェスと呼ばれるフェスとは少し異なる、この独特なラインナップでトリを勤めるのは、演者としては確かに精神的にキツいのかもしれない。
観客のノリとか、作り上がっていく会場の雰囲気とか、演者の順番によって変わったりするだろうし。

「立ったり、手拍子したりとか一切ないですからね」と盛り上がりはないよと観客を牽制しつつ、しかしそこは様々な場面を切り抜けてきている彼女。

「氷山に例えると…上はキラキラしてるけど、海の下の見えない部分にも氷山はあって。さっき出てた皆も、氷山の上のところみたくキラキラと楽しくしてるけど、その見えないところではいろいろ考えたりしてる。私は、その氷山の下の見えない部分を歌にしています。」とても彼女らしい自己紹介の後、演奏が始まると一気に会場はヒグチアイの世界。

いつも以上に迫力のある演奏、圧巻の歌声。

3、4年前にワンマンをやって以来だというこの箱は、もはや今の彼女には、そのパワーが箱から溢れ出てしまうように小さく感じた。


MCのパーマ大佐、「ヒグチアイさん、ありがとうございました~」と歌い終えた彼女のもとへ。

人生を劇場に喩えたという楽曲「劇場」は、彼が自身の節目節目だったり、ウォーキングをしたりしながら聴く大好きな曲とのこと。

その曲を聴き、舞台袖で泣きそうになりながら感激していたと語るパーマ大佐。
「そうだよ。そのことを思い出して今回セトリにいれたのに。全然泣いてないじゃん!」即ヒグチにつっこまれ、畳み掛けるように「もうフェスに呼ばないでよ。だってイヤだよ、こんなの…あんな皆でわちゃわちゃして楽しそうにしてたその後だよ。この順番だったら、もうやだよ。」とヒグチに詰め寄られる。

「これは、後で本気のお説教のパターンです💦」とタジタジになりながらも仲良さげな2人。ヒグチとパーマ大佐のやり取りが微笑ましい。

フェスの締めくくりは、数年前に世間に怒られたというパーマ大佐の「森のくまさん」。

舞台に出演者(エハラさん以外)勢揃いし、大盛り上がりのなか終演を迎えたのだった。

音楽×お笑いLIVE という、このフェス。
ライブハウスでのフェスってどんな感じになるのか想像もつかず、ヒグチアイがパーマ大佐の音楽ネタの伴奏したりするのかな、など思っていた。
そんな予想を裏切り、2組のアーティストをそれぞれトップバッターとトリに、その間をお笑いパートにすることで、音楽もお笑いもしっかり楽しめるフェスになっていた。

追記:森のくまさんのリズムにあわせてぴょんぴょん跳ねるヒグチの姿は、とても楽しそうで、とても可愛かった。


パマフェス2023〜パーマ大佐と愉快なろくでもない仲間達〜
2023/1/20(金) 下北沢シャングリラ


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