要望は先手を打って断る。出てから断るのは悪手。
プロジェクト管理で大事なことの一つに、作業範囲(システム開発ではよくスコープと呼ばれる)の管理がある。
プロジェクトを進めていくと、当初想定していなかった作業が必要になり、追加でやってくれないか、と頼まれることがある。必要なことなのだが、スケジュールの遅延、追加コストの発生、収益の圧迫に繋がる。
ただ、「契約の範囲外なので出来ません」と素直に断るのは難しい。まず相手は不満に思うし、そもそも契約が曖昧なことも多い。追加契約でコストを増やすのもハードルが高く、「そこを何とか!」と押し込まれがち。
では、どうすればいいか。これまでの経験を振り返ると、その場での対応テクニックはいろいろある。
・まずは聞く。要望の内容については理解しました、と傾聴する姿勢が大前提。
・持ち帰ったものは駆け引きの対象になる。一部は受け取り、一部は押し返すことになる。
・到底無理なものは持ち帰らずに断る。持ち帰って時間が空くほど相手の期待が生まれてしまう。
・相手もダメ元で言ってくることがある。全て額面通りに受け取る必要はない。
ただ、一番大事なのは、要望が出てくる前に対処すること。これは何も強面でプレッシャーをかけろという話ではなく、新しい要望が出てこないような型を作っておく、ということだ。
例えば、ホームページやチラシの制作をするとき、原稿をフリーに書いてもらうと、凝りに凝ったとんでもなく複雑な原稿が出てくることがある。そうならないように、予め用意したフォーマットに記入してもらう。
要望が後から出てきてしまうのは、自分と相手の期待が合っていないことが原因。フォーマットを作ることで、最終形のイメージのすり合わせも進み、期待のギャップが埋まる。結果、後出しの要望も減ってくる。
さて、2018年も残り1ヶ月。あっという間に1年が終わりだ。積み残しのないように今年の振り返りをして、来年のスタートダッシュに備えなくては。
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