仕事選びの判断軸を見つける。

就職活動で初めにすべきことは、いろいろな業界や企業のことを大雑把にでも知って、自分がどんな働き方をしたいのか、仕事選びの判断軸を作ってしまうことだ。

僕の場合、元々IT業界に興味を持っていたのだが、その中でも、お客様の業務をヒアリングして、業務をシステムの設計に落とし込み、実際にシステムの開発を進めていく、システムエンジニアの職種に強く惹かれた。


但し、ここで止まってはいけない。システムエンジニアになりたいというだけでは、その職種に惹かれている理由がはっきりしない。理由が具体的にならないと、企業に伝える志望動機として完成しないのだ。

僕の場合は、まず、自分の頭を使って良い方法を考える、という点に魅力を感じていた。これは、体を動かすより頭を使う方が好き、簡単な作業よりも難しい問題の方が好き、頭を使って達成感を得るのが好き、ということだと捉えた。

また、提案したことがお客様に喜んでもらえる、という点にも魅力を感じていた。これは、実直に仕事をすることを好みつつも、人に認めてもらいたい承認欲求の強さの現れで、仕事の成果を人に喜んでもらいたい、ということだと捉えた。

こうして掘り下げた自分の考えを、エントリーシートと格闘しながら言語化していくと、必ずしもシステムエンジニアに限られない気持ちが見えてくる。これが仕事選びの判断軸を見つける、ということだ。


ちなみに、判断軸を見つけるためには、必ずしも多くの業界を知る必要はない。僕自身は、IT業界にばかり興味が向いていたので、恥ずかしいくらい他業界を知らなかった。広告代理店や総合商社という言葉さえも知らなかったかもしれない。

もちろん、それが良いとは言えないが、業界研究や企業研究は本当に切りがない。知りすぎで迷って決められないよりは、早めに決めて次のステップに進むべき。逆に、動いてみることで新しい発見も出てくる。

例えば、僕の場合、コンサルティングファームの存在を知ったのは、就職活動が多少進んでからだ。同じ説明会で会った学生から、他にどんな業界を受けているのかを聞いて、初めてマッキンゼーという名前を知った。


また、初めは必ずしも綺麗に言語化されている必要はない。エントリーシートと格闘したり、面接官に説明したりするうちに、自分の考えがシャープに研ぎ澄まされていき、次第に言葉は洗練されていくものだと思う。

僕の場合、最終的には以下のような志望動機を語っていたが、この形になったのは、何十枚とエントリーシートを書き、10回以上の面接を重ねた後だったと思う。

僕は好きと得意の交わる分野で仕事をしたいと考えています。好きなことは努力が苦にならないから得意になり、得意なことは褒められるから好きになり、成長の好循環に入れると思うからです。これまでの経験から、好きなのは問題解決の提案を考えること、得意なのは英語とITだと捉えているので、〜〜である御社を志望しました。

ちなみに、好きと得意が交わる分野で仕事をしたいという考え方は、アサヤの経営理念の1つ、「社員が主役になれる仕事」にも反映されている。それだけ自分の根幹をなしている思想というわけだ。


あんまり熱量の高い文章を書くと気後れしてしまうかもしれないが、学生の皆さんには是非、仕事選びの判断軸をしっかり見つけて、良い企業と出会えるように頑張って欲しい。




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