神奈川男子校御三家と算数入試問題
はじめに
こんにちは、アルカリオスです。
この記事は、UECアドベントカレンダー2024の20日目の記事です。
皆さん結構技術系の記事を書かれていますが、そのようなスキルを持ち合わせていないので、今回は私が愛してやまない神奈川中高一貫男子校の話をしていこうと思います。
と、いうのも、中高一貫男子校として有名な東京の開成、筑駒、関西の灘などに比べて、神奈川の中高一貫男子校はかなり知名度が低いと感じています。
実際、東大合格者ランキングでは神奈川の聖光学院が二位にランクインしているのにも関わらず、灘や開成、麻布に知名度としては劣っていると感じています。(実は、東大理三&弁護士資格の人も聖光学院だったりするんですが、、、)。これが、今回紹介しようと思ったきっかけです。
また、今回は加えて特徴的な算数入試問題を挙げてみようと思います。これがかなり難しく、数式で頭が固まってしまった大学生の我々には太刀打ちできない問題も数多くあります。(もちろん、連立方程式などの中学生以降で使用する技術は禁止です)
普段、変な形のバッグを背負って駅で鬼ごっこをしている迷惑なガキがこれを解いているとはにわかには信じられません。
今回は、
聖光学院
栄光学園
浅野学園
を紹介します。偏差値は日能研のものを参照しています。(2024年12月参照)
聖光学院
学校紹介
神奈川御三家と呼ばれる学校で、神奈川で最も偏差値が高い学校です。以前は神奈川二番手に収まっていましたが、最近かなり進学実績を伸ばし、神奈川一番の進学実績を持つ学校に躍り出ました。
プロテスタントの学校で、教室に十字架があったり、聖堂があったりしますが、宗教色はそこまで強くないです。プール、体育館二つ、人工芝グラウンドなど、かなり部活にも力を入れているイメージです。軟式野球部は県大会で優勝することも珍しくない。それとキャンプ場も持っています。なんで男子校ってキャンプ好きなんだ
あとは校舎が新しい!2015年に新築しており、学内におしゃれスペースもあります。
全体的には、中高六年という時間を活かし、部活にしっかり取り組める上、学校の手厚いサポートにより、東京一工などの上位国公立に現役で合格できる人が多い、という印象です。
実際、あの東大を目指す中高一貫校の生徒を囲い込んでいる予備校鉄緑会へ通っている割合もかなり低く、この点から学校での教育が相当優れていることがわかります。
入試問題について
偏差値は69です。算数の問題もかなり難しく、中学受験における典型問題を大きく発展させたような問題が多いです。特に、立体図形の問題は毎年かなり手ごわい問題が出題されており、大学生でも解くのに苦労するでしょう。
以下に2020年に出題された立体図形の問題を掲載します。解いてみてください。
解答はこちらから
https://www.inter-edu.com/files/nyushi/2020/seiko/seiko-mat-a.pdf?1580629064
栄光学園
学校紹介
愛する我が母校
神奈川御三家の一つです。昔は神奈川一とまで呼ばれた男子校ですが、最近は前述の聖光学院に完全に追い越され、二番手に甘んじています。しかし、依然として進学実績は維持しており、どちらかといえば聖光学院がとんでもない躍進を遂げた、というのが実態です。
カトリック、イエズス会の学校ですが、そこまで宗教色は強いという訳ではなく、時々謎の祝日があったり、希望者は金曜日の放課後に行われる聖書研究会に参加する程度です。私立の学校はミッション系が多いですが、宗教色の濃い薄いは
めちゃくちゃ敷地が広く、広大な運動場に加え、二つの体育館があります。実績を残している部活も多く、軟式野球部は関東大会で準優勝していました。栄光と聖光は硬式野球部がない代わりに軟式野球部が強いことで有名ですね。あとは神奈川の山奥にキャンプ場を持っています。本当になんで男子校ってキャンプ好きなんだ
また、中間体操という毎日上半身裸でラジオ体操する謎の習慣や、江の島から小田原まで30㎞以上一日かけて歩く謎の全校行事があったりします。非常に男子校らしい。
入試問題
一般的な中学受験の問題は第一問第二問が小門集合で、第三問から難しい大問が続く、といった感じの構成になっていますが、栄光学園の問題はどちらかといえば大学受験数学の構成に近く、一問目から難問となっています。その問題も特徴的なものが多く、典型問題からは大きく離れており、対策に頭を悩ませます。特に、「実験」と「推論」が求められる問題が多く、とりあえず問題の条件に沿ってやってみる、という考え方が求められます。そんな傾向が良く表れた問題を2023年度入試問題から
浅野学園
浅野総一郎という明治時代の実業家が立てた学校で歴史は100年以上あります。長年にわたって神奈川男子校の三番手に位置していますが、最近は合格実績が伸びてきており、先述の栄光学園に迫る勢いです。(卒業生からの話を聞く感じ、学校全体として東大志向が強まっている??)
特筆すべきはとんでもなく大きい体育館と、部活の種類の多さでしょう。打越アリーナという最近できた体育館は、学校設備としての体育館だとトップレベルに大きいです。一回行ったことあるけどとんでもなかった。
また、アメフト、アーチェリー、ボクシング、登山など、豊富な設備が支えとなって多彩な部活が行われています。
中高一貫校にとって体育館の広さとか設備って結構重要で、というのも中高一貫でも中学と高校で活動曜日が異なることが多く、そのため体育館や設備がパンク状態になり、取り合いになることもしばしばです。浅野の環境はかなり充実していると感じます。
また、これは御三家すべてに言えることなのですが、文化祭がかなり盛り上がりますね、特に浅野の文化祭はHPやPVのクオリティが高いイメージがあります。
多分これは制作担当がめちゃくちゃすごい
入試問題
他の二校に比べれば、とんでもなく難しい問題が出るという訳ではありませんが、典型問題をレベルアップさせた問題が数多く並び、一筋縄ではいきません。かなりレベルの高い問題が多く、時間との勝負になってくる印象です。
この問題も、問題文だけ見ればオーソドックスな仕事算の問題ですが、数字が大きく設定されており、計算上の工夫が少ない時間で求められます。
最後に
以上です。神奈川御三家だけでなく、鎌倉学園やサレジオ、逗子開成も紹介したかったんですけど、時間がなかったですね、、機会があればまた紹介しようと思います。まわりに男子校出身の奴がいれば是非高校時代のことを聴いてみてください。おそらく急に饒舌になって男子校の良さを熱弁してくれると思います。また、これを読んでいる人の中には小学生向け受験塾で働いている人も少なくないでしょう、是非神奈川の男子校も視野に入れてみてください。きっといい高校生活が送れるはずです。男子校万歳!