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創業半世紀 薄野 鮨金 改め、すゝき野 鮨金 札幌老舗鮨店の新たなる出発

前々からもっと評価されても良いお店だと思っていましたが、更に素晴らしく生まれ変わりました。

札幌はすすきの中心部にある老舗高級鮨店の薄野 鮨金。創業50年を迎えました。札幌という地でありながら、蝦夷前ではなく江戸前を追求するそのスタイルは時には『札幌まで来てわざわざ江戸前鮨?』という声もありましたが、すし宮川鮨一幸など江戸前鮨の新しい強力な店が続々増え、更に鮨フィーバーの昨今、最早そういう事を言う人はグルマンの中では誰もいなくなりました。

しかし、新しい強力なお店が出てくるということは、老舗かつフロントランナーだったお店にはタフなシチュエーションであった事も確かです。薄野 鮨金は創業半世紀にあたり、店舗を改装する事になり、4ヶ月間の休業を経て2020年2月4日にすゝき野 鮨金として営業を再開しました。

地下鉄南北線すすきの駅から徒歩1分という最高の立地には変わりはありませんが、お店への入口は都通りからのみになりました。改装前はメインストリートの月寒通りに面する松岡ビル(お店が入居しているビル)の入口側からも入店することができたのですが、こちらの入口は改装後は勝手口のみとなりました。玄関は都通り側のひとつだけとなりましたので、ご注意ください

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玄関はすっかり造りが変わりました。以前あった頭上の看板と行灯風表札は無くなり、少し引っ込んだところにガラス張りのドアとその脇に表札がひっそりと。かなり隠れ家っぽい雰囲気になりました。

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ガラス張りのドアを開けると趣のある回廊が。その更に奥へ行くともう一つガラス張りの引き戸があり、そこを左折すると待合を経てカウンターとなります。

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カウンターは一文字のストレート8席。改装前のL字型から2席減りました。ほとんど待合と化していたテーブル席や、その存在をほとんど知られていなかった御座敷は撤廃。カウンターだけとなり、厨房とバックヤードが広くなりました。玄関周りにスペースを贅沢に割き、さらに厨房とバックヤードを拡大ですから、このお店がいかに広かったか本当に実感します。

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大将の松橋 保明さん。二代目の大将ですが先代は職人ではなく、あくまでオーナー。自らが職人として家業を継いだ形ですが、鮨職人としての技量は独学で習得されています。WEBには『喋らない大将』と書かれる事もありますが、シャイなだけで実際に会話すると、とても面白い返しをドンドンされる方です。お洒落なことでも知られ、MEN’S CLUB にも紹介された事がある位。同じ札幌は円山公園鮨菜 和㐂智の大将 田村 光明さん曰く札幌のジョニー・デップ』それを話のネタにすると『それ、田村さんしか言ってないですよ』と照れる所もまた楽しい。

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この写真もビシッとキメて頂くつもりがまさかのピースサイン(笑) いや、本当に照れ屋さんなんです。

改装によって店内の雰囲気が更に凛としたものに変わったため、『お客さんが喋らなくなった』とは松橋さん。その分、自分が喋らないと場が持たなくなって大変と店内の笑いを取る。この空気感、筆者は大好きです。喋りまくりではありませんが、喋らない大将なんてことは絶対にありません。大将と筆者とは音楽の趣味が一致するので、食後は結構話し込んだりする事も。

店の雰囲気はガラリと変わり、品位はグッと上がりました。ではお食事の方はどう変わったのでしょうか

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