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リーンラーニング

リーンラーニングという考え方が今後大事になってくると考えています。

内容については、少しずつまとめていって推敲していく予定です。

とりあえずは殴り書きまで


リーンラーニングの考え方としては

必要なタイミングで必要な学習を必要な分だけ学ぶ

というものです。

例えば、ゆめみでは、新率メンバー向けの研修としてビジネスマナー研修などは行わないです。

何故ならば、ゆめみで採用する新率メンバーは、エンジニアやデザイナーが多く、対外的に顧客とのコミュニケーションが発生して、ビジネスマナーが重要なるタイミングは入社後にすぐに発生するわけではないためです。

ビジネスマナーを軽視しているわけではなく、優先度の問題です。

ビジネスマナーの中でも、How Toについては、例え4月に覚えたとしても、それをビジネスの実践で反復してトレーニングする機会がなければ忘却曲線に沿って忘れてしまいます。

忘れてしまったことは無駄な学習となります。そして、それは貴重な命という資源を無駄に使っていることになります。

もし、ビジネスマナーを学習するのであれば、顧客とのコミュニケーションが発生するタイミングの「1週間前」といった、直前で覚えれば良いと考えています。

ゆめみの新率では、4月の入社時点までに、配属先のチームを入社前配属面談で決定をしてもらいます。

その上で、どのようなプロジェクトに関わるかを想定してもらった上で、そのプロジェクトにおいて最低限必要な学習を事前に「勉強」をしてもらいます。

例えば、あるプロジェクトの画面仕様に基づいて画面を作成してもらうとすれば、そのプロジェクトで使われる言語・フレームワーク・画面仕様に基づいて画面を作成するための最低限の学習を「事前に勉強」してもらいます。

これが、必要な分だけの「学習」となり、これを(A-1)と定義します。

また、その学習については、「勉強」として自らが独力で学ぶものとしています。

ゆめみは、創業から「自学」の文化を大事にしてきており、教わるのではなく、「自ら学ぶ」姿勢を大事にしています。

現在は、各種オンライントレーニング、マイクロラーニングなどが発達してきて、時間と費用をかければ、最低限の基礎的な知識を習得する事は意欲があれば可能な世の中になりました。

そして、ゆめみでは、費用負担は会社が全額負担しており、本人の「勉強」を支援しています。

次に、本人は4月の入社時点までに(A-1)を、独力で勉強して、60点の合格レベルに近づけます。

その結果、4月では、実践で(A-1)を行うことができます。

チームのリードエンジニア などから見れば、(A-1)を60点レベルの合格レベルで実現してもらう事で、プロジェクトにとっては、一定の戦力になるため、本人が60点から80点レベルでの実務ができるような本人の学びになるような「手本」を示すための時間を投資するインセンティブが働きます。

レフ・ヴィゴツキーの「最近接発達領域」という概念があるのですが、他者の助けがあって初めてできる領域を実践することが、学びにつながるという考えです。

リードエンジニア などが設定したテスコードに通るようにコードを書くことが求められるのが、4月の最初のステップとなります。

しかしながら、単にテストコードに通れば良いというものではなく、チーム開発の観点で重要な保守性やコードのリーダビリティ、設計思想を理解した上でのコードの書き方などを学びます。

また、4月は、そもそも仕事をする中で必要な様々な会社のルールや基本的な振る舞いも学ばなければなりません。先輩の助けや手本があってはじめてできる事を、自分一人でもできるレベルまで反復しながらトレーニングを積んで、意識しなくてもできるレベルまで習得します。

これが3月に60点レベルまで(A−1)を勉強したものを、80点レベルまでに(A-1)を4月で独力でできるようになるステップです。

一方で、(A-1)を4月の段階で、業務時間の100%を使う事は好ましくないです。目安としては、(A-1)を80点レベルまで習熟させるために使う時間は、業務時間の80〜85%に抑えます。

残りの15〜20%は、5月に必要な学習である(A-2)を60点レベルに引き上げる「学習」に投資します。

例えば、5月の学習目標としては、仕様を理解した上で、テストコードを自分自身で書くという事を一人で80点レベルまでできるようにする、というようにするのです。

しかしながら、テストコードを書くという経験をしたことがないので、一から学習をすることになります。

テストコードについての基礎的な学習方法は、オンラインなどで学習可能なので、リードエンジニア から、どういった書籍やオンラインのリファレンスを見れば良いかの「ガイド」を教えてもらった上で、可能な限り自己学習を行って習得します。

「自学」という文化のもの、最低限の基礎知識は、3月と同様に、4月も(A-2)の「勉強」を独力で行います。

そして、5月の段階では、(A-2)が60点レベルでできるようになった上で、経験者の支援を得た上で、80点レベルの実践を反復しながら行い、80点レベルを、最後には、支援なしで独力でできるようになるまで高めます。

一方で、(A-2)の実践を業務時間の80〜85%に抑えながら、6月に向けて、(A-3)の学習を行います。

これを繰り返すことで、必要なタイミングで、必要な学びを、必要な分だけ行うことができます。

これは、「リーンラーニング」と呼ばれる概念として一部では言われています。

学習を支援する人にとっては、どの順番でステップを踏んで学習するかの設計を行って、順を追って、最近接発達領域の支援を行いながら、独力で実践できる反復訓練を見守ることになります。

初学者の学習にとって、一番大事な事は、無駄な失敗をさせないための「型」を徹底して反復させて身につけさせることだと思っています。

一方で、過去、ゆめみでは、新率の研修としては、新率同士がチームを組んで、自分たちで考えた企画をもとにチームで開発するというものを行っていました。

中間報告や最終報告などで発表をしてもらって、先輩がフィードバックをする。新率は、チームでの開発の難しさを体現するといったものでした。

今から考えると、「茶番劇」とも言えるもので非常に反省しております。

初学者同士の組み合わせにおいては、最近接発達領域の支援はないので、学習支援効果が働きません。

また、チームビルディングやプロジェクトマネジメントといった高度で複雑な要素があるチーム開発をいきなりやらせることで、確実に失敗をすることがわかっているものを、わざと失敗させることになります。

そこからの学びは、チームビルディング、プロジェクトマネジメントが難しいよねという、困難なものは困難であるという当たり前の理解しか得られません。どうすれば、その困難さを回避し、複雑性を取り除けるかの方法論、型を実践で身につけることにはならないのです。

結局のところ、こう言った茶番劇が行われるのは、それぞれのチームの経験者も自分の仕事で忙しいために、支援するための時間を取ることができないので、初学者同士でチームを組ませて学習させているという発想・要因があります。

難しいものに挑ませて、「ほら、難しかっただろう」と、まるで上から目線で初学者に対して、眺める視点が1%であるとすれば、それはとても醜い思考です(ugly thinking)

このような思考があったのではないか、という反省点から、現在では、命の無駄遣いをしないという、think beautifulの考えに沿って、リーンラーニングというアプローチを大事にしています。



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