ワークライフバランスではなくワークフルライフ
ゆめみの当たり前より
ワークライフバランスについて
ワークライフバランスについては、ワークとライフのどちらかを選択すれば、どちらかを失うという二律背反の印象があるかもしれません。
一方で、下記の憲章においては、ワークとライフを調和させて両立させることを主旨としており、実は誤解も多いように思います。
また、育児だけにフォーカスしているわけでもなく、多様な働き方を受け入れていくことも目標としています。
下記の経済同友会のワークライフインテグレーションは、そういったワークライフバランスにまつわる誤解がなく、より発展的な形としての提言となっています。
参考:ワークライフインテーグレーションについて(経済同友会)
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2008/080509a.html
特に、職務の明確化や人財投資など、企業としての働く環境面について言及しています。
ライフワーク・バランス
また別の考え方として、ライフワーク・バランスとして、ライフワーク(天職のような仕事)を決めて、ライフワークが仕事の時間の多くを占めるようにバランスを取っていこうという考えもあります。
ワークフルライフ
その上で、私は、ワークフルライフ(Workful Life:造語)という考え方をベースにワークデザインを考えています。
考え方の背景にあるのは、実際のところは、天職のような仕事ばかりに恵まれている人は限られていますし、得意なこと、好きなことを仕事にしながら、生活と仕事を一体化できる人も限られていると思っています。
理想としてのあるべき姿に向かって、現実からどうアプローチすればいいかという考えに着目しています。
ワークの再定義
まず、ワーク(働く)を広義な意味で捉えています。
「働」とは、「人」が「動く」という漢字の語源がありますが、私は、
ワーク=誰かの為に自分ができる貢献をする事
としています。
したがって、仕事や趣味の時間、家族や友人との生活なども全て誰かの為に自分ができる貢献をする事と捉えることができます。
個人的な趣味なども、自分の(生活の充実の)為に自分ができる貢献をする事として捉えます。
つまり、あらゆる活動は、ワークという事で捉えたときに、自分の生活は以下のようにワークで溢れている、ワークフル(Workful)と捉えることができます。
ワークの分類
重要なのは、そう捉えたときに、生活の中での活動が、どれか一つの細分化されたワークではなく、複数のワークにつながる事があると言うことです。
例えば、ゆめみのカンパニーワーク(仕事)は、日常生活に身近なインターネットサービスの運営を行なっています。それも多業種に渡るサービスを運営していて、毎月数千万人の人が利用するサービスになっています。
したがって、例えば、趣味がいつ仕事になるかも分からないので、趣味がパーソナルワークとカンパニーワークに繋がることがあります。
あるいは、カンパニーワークにおいて、学びをかなり大事にしていて、多くのメンバーが勉強をしたりしています。
家で仕事につながる勉強をすることは、ファミリーワークではないように思うかもしれません。しかしながら、例えば、親が本を熱心に読んで勉強している姿を子供が見ることで、子供が本を読むことに関心を持つと言う効果があり、家で勉強するという活動は、カンパニーワークやファミリーワークにつながることがあります。
ワークデザインの重要性
つまり、人生のあらゆる活動(ライフアクティビティ)は、様々なワークにつながるという考えです。
ライフアクティビティ:ワーク=1:Nの関係性があります
どうせ、限られた人生(ライフ)を過ごすなら、一石二鳥、一石三鳥、一石四鳥として、うまくシナジーを作っていくという考えです。
これを「ワークデザイン」と呼びます。
ワークを仕事と捉えるのではなく、広義な誰かの為に貢献すること、ライフを生活として捉えるのでなく、誰かの為に貢献することを最大化させることで、自身の人生を充実させるという考えになります。
これは、経営学者のチャールズ・ハンディは、人生には4つのワークがあると言う下記の記事での主張と似ていますが、どちらかと言うと広い意味でのパラレルキャリアの文脈であり、一石二鳥、一石三鳥、一石四鳥というワークデザインの発想はないように思います。
新しい組織設計・人事制度の考え方
単に言葉の定義で終わるのであれば、言葉遊びになってしまいます。
そうではなく、新しいものの見方から、新しい思考・行動・制度を次のように考えています。
したがって、1日8時間、週5日間の平日といった勤務時間、勤務場所にとらわれない成果を評価する仕組みをとるという視点です。
時間にとらわれない勤務形態
ゆめみでは、創業から裁量労働制だったのですが、労務リスクの観点から、2018年度に、フレックスタイム制度に切り替えました。
そして、現在は、コアタイムはなくフルフレックスになっております。
その中で、ワークフルライフの考え方をベースにして、1ヶ月160時間といった働く時間ではなく、カンパニーワークにつながる活動を評価する形で、制度運用を行っています。
具体的には、1ヶ月160時間を下回る勤務時間であっても、欠勤控除を行わない形になります。
究極的に言えば、たとえ、1ヶ月1時間しか勤務時間がなかったとしても、期待されるオフィスワークとしての成果が出せていれば、欠勤控除はされません。
実際に、ゆめみでは、フルフレックス制度における欠勤控除は自己申告制になっており、自己申告がなければ欠勤控除はされないです。
平日での勤務という考えにとらわれない為、土曜日の深夜寝る前に思いついた画期的なアイデアをカンパニーワークとして捉えて、そのアイデアを持って、1ヶ月分の成果とすることも可能です。
2週間働き続けて、残り2週間休むという働き方もあると思います。
出産後、復職して、育児期間、短時間勤務として働くメンバーも多いのですが、必ずしも短時間勤務として、働く時間が、4分の3になったからといって、給与が4分の3になる必要はないです。
実際、復職後、短時間勤務になっても、給与を控除しない人がほとんどです。
大事なのは仕事における成果(アウトカム)です。1ヶ月のアウトカムの総量が給与から期待されるアウトカムと釣り合うかどうかというのが重要です。
逆に言えば、1ヶ月160時間働いていても、インプットをアウトカムに変換する事ができない人などは、いくらインプットを頑張っても、期待されたアウトカムを出していない事となります。
多様な働き方を受け入れることはもちろんの事、より豊かな人生を送れるようにすることが、夢を実現することをミッションとして掲げるゆめみの大事にしている点です。
ワークフルライフという考え方に沿って、より大胆でメンバーニーズに沿った、アプローチを続けていきます。
また、ゆめみでは休暇の概念を再発明して「休稼制度」というものも創り出しましたので、参考までに紹介しておきます。
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