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親子関係の改善で学校へ行けるのか

ニュースの記事に心がざわつく

とあるニュースでは、
学校へ行かなくなる原因は、家族関係にあるといい、
家庭で親子関係を改善すると学校へ行けるらしい。

きっと、不登校で悩んでいる家庭では、
少なからず、この言い回しに傷ついた人がいると思う。
そうでない家庭の存在がないがしろにされているか、
そうでない家庭の事情が表に出るような調査結果がないから。
ニュースの記事を信じてしまう。

猛スピードで成長する心と体

小学校では、心と体がすごいスピードで成長していく。
小学校1年生から学校という社会に入り、
2年生では他者との関係をぶつかりながら構築し、
3年生でやっと小学生として、学校のことがわかり、
一通り学校生活が身につく。先生のことも理解する。
4年生からは、心と事実とのギャップを感じて葛藤し、
5年、6年で自分という役割を明確に感じ取る。
そして、中学校では自分に合ったできることを伸ばしていく。

親から見えない世界

この成長の中で、心が傷つくと、人によっては大きなダメージになる。
傷ついた時にどう対処するのか、現場での初動が運命を決めると思う。

1日24時間で、活動時間が13時間だとすると、
そのうちの7時間は、親が完全に見ることができない学校にいる。

そこには、あらゆるタイプの子やご家庭で育っている子がいて、
一斉に指導され、人間関係に揉まれていく。
この中で問題が毎日のように起きていく。これは自然なこと。
心と体が成長しているのだから。

しかし、そこでどんな指導が行われているかは、親は知らない。
すぐに、どんな声かけをしたのか、
何回聞いても明確な回答は得られないことが多い。

起きていることが見えない先生

ただ、見えていない先生や知らない先生が存在する。
問題が起きたことを知らない先生は、よくこう言う。

「普段、そのようなことはないですが」
「私が見る限り、元気よく友達とやっています」
「どうしてトイレに帽子が入っていたのかわかりません」
「誰がやったのかはわかりません」
「消しゴムがなくなったといいますが、見つかっています」
「元気でやっていますよ」
「友達とうまくいっています」
「上履きみつかりましたよ。ポリバケツの裏に」

と。まるで、何事もなかったように。

同級生に影響され人生が変わる

3学期の保護者会で、「お母さんたちからひと事どうぞ」と言われ、
保護者全員が涙ぐんで、うちの子は悪い子ではないと訴えた。
その異様な状況に驚き、実際に保護者に聞き取りをした結果、
数多くの事件が起きていた。正直、先生から知らされず、ぞっとした。

帽子をトイレに2回も入れられた児童は、
原因をうやむやにされ、「仲が良い」と言われ続け、引っ越しした。
そのほかにも、突然父親の仕事を退職してでも地域から出た家族、
母親が学校と同級生のことで言われ精神的に病気になって地域を出た家族、
仲介役を担っていた子の家族は夫の転勤を理由に地域を出たなど、
同級生がこんなにもクラスからいなくなるのも珍しい。

同級生が地域から出た翌日に、ある子が言った一言にぞっとした。
「こんど、誰を追い出す?」と何人かで集まった場で言っていた。
その子がいじりに参加したのかはわからない。
この言葉を聞いて、疑問が確信に変わった。

今は「いじめ」はやらない。
見えないように「いじり」をやる世界

今の世の中では、これだけいじめ問題と騒がれているから、
子ども社会の中では、見えるような「いじめ」をしない。
いじめをする児童は頭が良い子が多い。
見えないように「いじり」をする学校社会であることを、
前提で考えないといけない。

自分の欲求を満たして満足する子

事件を起こした子は、咎められることなく、現在も学校生活をしている。
やっても見つからない。それが本人にとてつもなく嬉しい。
まるで自分がこの世界を動かしているような気さえするかもしれない。
友や先生にうそをつきながら。
人を傷つけても、ゆるされる。そんな世界に映る。
また事件が起きる可能性がある。
先生が気が付かないと、そうゆう心を育んでしまう。

いち早く気がつくすごい先生たち

今まで、学校に携わった経験の中で
このような問題を未然に防ぐスキルを持った
先生に会ったことがある。

先生A
クラスを1つにまとめる力を持った先生。
どんなに小さな問題も、全員で解決へ導く、勢いのある先生。
先生のあと、他の学校で副校長、校長になった。

先生B
いつもクラスは、ワイワイしていたけれど、
いろいろな場所で起きる小さな事件を、瞬殺する勢いで
解決していく、すごい目を持っている先生。
問題が多くある地域の小学校を歴任した実力者だった。

先生C
サッカーで、子どもの心を磨いた理系の先生。
どんなにサッカーができない子がいても、
決して見捨てない先生。データを取り、みんなの持っている力を
余すことなく連携プレーに取り入れる神業を持った先生。
子どもたちは、お互いに認め合っていた。

先生D
クラスは、騒がしいけれど、
丸付けをしていても、子どもの動きを把握している先生。
ちょっとした良いことを見つける目を持っていた。
すごく怒る場面も多いけれど、
何か良いことをしたら、瞬時に褒める先生。
子どもたちは、先生を尊敬し、
学級崩壊した学年だったけれど、お互いを褒め合う関係になった。

こうゆう先生ばかりだったら、不登校は増加しなかったと思う。

共通すること

この方々たちの素晴らしい指導に共通することがある。
それは、保護者から信頼されていたということ。

なぜかというと、
先生が子どもを指導する場面に、たとえ親がいて聞いているとしても
納得できるくらいの指導内容ややり方だから。
誰に見せてもいいくらいの指導内容を展開できる力を持っていた。

逆に、学校生活の問題をうやむやにする先生は、
親や一般には公開できない指導をしている。
どんな場面で、どんな言い方で、その後どうしたのかを、
子どもの目を通した情報だから、バイアスはかかるけれど、
複数人の保護者へ聞き取りを行うと、
どう指導したのかが見えてくるからわかる。

なかなか出会えない、選べない状況

この神がかった先生と出会える確率は極めて低い。

ほとんどの先生がこのスキルを持っていない。
どうしたら、このように
児童の心理に精通し、問題認識・解決能力が高められるのか。
現在の教職員を育てる過程で何が必要なのか、私にはわからない。

ただ、親は、毎年どんな先生になるのか心配し、
どんな先生でも受け入れ、子を託すしかない。
見えない目をもつ先生に出会ったら、できるだけ子を励まし、
良いことと悪いことを見極める力を家庭で持たせないといけない。

問題のある子と一緒ならば、
そうゆう子とどう接して、どうかわすのかを一緒に考えていく。
人をいじめている人を見たらどうするのかも考えていくしかない。

良い先生のことを悪く言う先生

先生が変わると、クラスの中のルールが突然に変わる。
前年度の先生の悪口を言う先生もいた。
前年度に頑張ってやった自由学習のノートを
「こんなことをやっても宿題はやったことにならない」
と激怒する先生もいた。

学級崩壊しかけたクラスは、1年で良くなり、
その後の1年で、またいろいろな事件が起きていった。
たった1年間だけの平和で終わった。

子どもにとって、先生という存在に疑問を持ち始め、
学校生活で将来への希望を見失った。

メディアが持つ力と真実

子どもはいち早く、このギャップに気がついた。

誰かが大きく声をあげると、あたかもそれだけが語られること。
そうでない場合も存在すること。

1つを信じるのではなく、多角的にとらえて情報を集め、
自分の頭で理解し、感じたことを信じる大切さを学んだ。

だから、今回のニュースで
無気力が不登校の原因で、家庭の親子関係を改善するといいという
内容を私から聞いて、一言、

「そうゆう家庭もあるかもしれないけど、それが全てではない」
「親子関係の改善だけで学校に行けるなら、行ったほうがいい」

と冷静に受け止めていた。

その様子を見て、学校へ行っていなくても、こんなに成長していると
子どもの生きていく力に関心した。

ケース1の真実

ニュースによると、不登校になると、月に約30万円かかるらしい。
我が家の場合は、月に4万円。

・家庭で行ったこと

ー家庭:子どもの意見を丁寧に聞く姿勢、全力でバックアップする体制
ー関係:上から物を言うこをしない、一緒に考える関係性を保つ
ー保健:体の成長を知る・自己肯定感を育む
ー英語:ローマ字・フォニックスで英単語を知る
ー図書:情報は日本だけではないことを知る
ー調べ学習:PCで検索する情報倫理を育む
ー自主学習:わからないことは自分で調べる力を育む
ー教科:教材を購入し、ノートの取り方を含め親が教えた
ー校外学習:旅行で実際の現場を学んだ
ー体育:山登りで木陰を使い日差し対策をし、体全体を動かした
ー給食:普段の家族の食卓だから、そんなにかからない

・本人が行ったこと

ー引きこもりから外の世界へ挑戦しようと思った
ーフリースクールで友達をつくる
ースクラッチで作品をつくる
ーフリースクールでマイクラで一緒に建築をつくる
ーフリースクールで意見をぶつけながら友情を育む
ー「学ぶ」ということは何に役立つかを知った
ー全国の人と一緒にプロジェクトを進め、仕上げた
ー大人もいる会議で意見を言う
ータスク管理アプリを使いこなす
ーAIの特徴を知り、全てが正解でないことを知る
ー趣味が同じ人と友達になる
ーPC関係のシステムを理解する
ー自分の体と栄養、運動に気をつける
ー山登りを楽しむ
ーゲームはPCで楽しむ(ゲーム機は持たない)
ー夜寝て、朝早く起きる
ー頭の使う作業は午前中に行う
ーフリースクールの担任と毎週話す
ーフリースクールの発表会で作品を出しプレゼンをする

学校は合わなかったかもしれない。
今でも学校に行くことができたら良かったとも思う。
でも、学校に行かなくても、「生きていく」力は育めた。
子どもは立派に成長し、高校進学を目指している。

あと1つ追記しておくと、
学校で行う1コマ50分程度の授業を、家で行うと、
1/3の時間で終わる。だから、5時間授業を2時間で完遂し、
あとの3時間は、鍛錬の時間に当てられるという真実がある。

結論

なので、親子関係が良好でも学校が合わない子はいることは事実。
そして、学校や先生が原因という場合もある。
しかし、親子関係を改善して学校へ行くことができる子もいる。
経済的には、不登校で月に約30万かからない家庭もある。

これが真実。

だから、親子関係で不登校になるとは言えない。