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ネットワークビジネスを辞めさせる方法②

この記事は前回からの続きです。
まだご覧になっていない方は、ネットワークビジネスを辞めさせる方法①から先にご覧いただくことをオススメします。

重複しますが完全に私の経験談と主観であるため、ネットワークビジネス自体を否定するものではないことをご承知おきください。

では早速!
前回は、ネットワークビジネスから抜け出せなくなるステップについて説明しました。

そして今回の本題、
「辞めさせる」ために「辞めさせない」とは?

かつて私も、私を心配してくれた身内や知人から辞めた方がいい。辞めないと縁を切る。
など様々なことを言われていました。
お願いだからやめてほしい、と懇願されることもありました。

しかし当時は、ネットワークビジネスの活動をそれはもう”一生懸命に”頑張っている最中。
身近な人からの助言なんて聞く耳を持っていません。助言を聞くのは”成功者”からのみです。

ここがネットワークビジネスが宗教と言われる所以ですね。
もう本当に教祖様なのです。

「自分なりに行動して、今こうして成功していないのだから”自分なり”など金輪際捨てるべき。
成功したいならば”成功者なり”の行動をする。その凡人思考を捨て、成功者の思考へと変換する。」

「成功者は皆最初だけは嘘をつく。けれど後から実現するのだから、結果嘘つきにはならない。」

いや嘘は嘘だよ!よくないよ!と今なら全力で突っ込みを入れられるのですが、
”成功者”の言葉は疑いようのない絶対の真実。
教祖様の教えはそれはそれはありがたいお言葉なのです。

加えて世間で称賛されるビジネス書や啓発本、偉人伝にも同じ内容が書いてある場合があるので厄介です。
やっぱり〇〇さんと同じこと言ってる!
やっぱり成功者はこうなんだ!

と教祖様への信頼はより強いものになっていきます。

心配だから毎日辞めるべきと引き止める身近な人、
どうしてわかってくれないんだろう?と”成功者”を心酔して突き進む私。

もう心配もかけたくないし邪魔もされたくない。
わかってもらうことを諦め、だんだんと口をつぐむようになりました。
最終的にはもう辞めたよ。と嘘をついて活動していました。

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でも本当は、不安で仕方ないんです。
自分の選択は間違っているのではないかと毎日本当に怖いんです。

ほんとは弱音を吐いてしまいたいけれど、そんなの”成功者思考”じゃありえない。
途中で逃げ出すなんてのはもってのほか。
弱い自分はどこかにいけ。負け犬とは諦めた人のこと。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」なんて名言を頭に浮かべ、必死に自らを鼓舞するのです。

心配するがゆえやめてほしいと訴える相手と、心配かけたくないがゆえ虚勢を張る自分。

皮肉ですよね。本当は誰よりも弱音を吐いて甘えたい大切な相手なのに。
もう何が”自分の思い”なのか、何が”成功者思考”なのか、訳がわからなくなっているんです。

そこでです。「辞めさせたい」と思う相手を「辞めさせない」であげて欲しい。

まずは相手の、話を聞いてほしい。
批判せずに、ただ聞いてあげてほしい。
批判せずに、尋ねてあげてほしいんです。

なぜ、お金を稼ぎたいのか?
なぜ、数あるお金を稼ぐ方法の中でネットワークビジネスを選んだのか?
なぜ、ネットワークビジネスでなければならないのか?
ネットワークビジネスを頑張っている今、幸せか?

使い古されたテンプレートの言葉ではなく、本人の心の奥底ずっと深くの、本当の気持ちに興味を持って聞いてみてあげてほしいんです。

これは私の経験ですが、そうするうちに少しずつ、ほんの少しずつ自分で気づくことができました。
フラットな気持ちで自分を見つめてみたとき、「自分の本当の思い」を少しずつでも「声に出して」みたときに、やっと気がついたんです。

あれ、私今幸せじゃないなって。
あれ、別にネットワークビジネスじゃなくてもいいのかもって。
1番幸せにしたいと思った相手を、1番不安にさせてたのかって。

そこからやっと周りが見え始め、周りの声にも耳を傾けられるようになりました。
ネットワークビジネスのあらゆる矛盾にやっと向き合うことができました。
そしてその後、ネットワークビジネスから抜け出すことができたのです。

私がこれまで出会ってきたネットワークビジネスにどっぷり浸かり自らと戦っていた人、良くも悪くも素直で真面目な人が多い。
ネットワークビジネスに取り組む理由は
「親孝行したい」
「夫(妻)に負担をかけたくない」
「結婚したいが現状の稼ぎでは十分に幸せにできない」
など、他者を幸せにしたいと願う人ばかりでした。

しかし気付かぬうちに”成功者”が持つ”高級車”とか”タワマン”とか”ブランド品”とか、そんなものばかりに価値を置くようになっている。
価値あるもの=成功者が持つ物。言うこと。
とうの昔に”凡人が願う貧乏くさくてくだらない幸せ”なんて忘れています。

頑張ってパートナーをタワマン最上階に住ませてあげたい。
頑張って両親をファーストクラスの世界旅行に連れて行ってあげたい。

そんなこと本気で思っているんです。
パートナーも両親も、そんなこと望んでもいないのに。

素直に”成功者”の言葉を聞き、真面目に、必死に自分を押し殺していくのです。
もちろん、押し殺しているなんて自覚はありません。

自らそう思っているし、それだけが大切な人を喜ばせる方法だと心から信じています。
だから、ネットワークビジネスにはまっている人は狂ったように頑張れるのです。

そこで”成功者思考”の価値観でなく、”等身大のあなた”の価値観を尋ねてあげて欲しいのです。

「辞めさせる」方法が話を聞くだけかよ、と思われるかもしれませんし、
自ら気づかせることができれば苦労しない、と思われるかもしれません。

しかし、自分で気づくまではネットワークビジネスから抜け出すことは難しいと思います。
そしてそこに至るまでは、相当に長い時間がかかります。

だからこそ、どうか話を聞いてあげて欲しい。
どうか根気強く対話をしてあげてほしいのです。
やめさせたい相手があなたの大切な人であればあるほど。

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繰り返しになりますが、これは私個人の経験であり完全な主観です。
もちろん中にはネットワークビジネスで成功を納める人もいるでしょうし、
心からネットワークビジネスが天職だと思う人もいるでしょう。

私も経験したから学べたことは数え切れないほどあります。
やると決めたのも、辞めると決めたのも自分。感謝することも山ほどあります。

しかし、自分で決めたこととはいえ、ネットワークビジネスだから経験した苦しみ、背負った借金、浴びせられた言葉にずっと囚われ、心に痛みを抱えて生きている人もたくさん見てきたのです。

私自身、もう一度やりたいかと聞かれれば二度とやりたくないし、
これから始めようとしている人がいれば、なるべくなら止めたい。

少なくとも当時に比べて少しの人生経験を積み少しだけ大人になった今、
10以上歳の離れた子に、キャッシングやカードローンを勧めるなんて私には考えられないのです。

以上長くなりましたが、これが私が出した結論。
ネットワークビジネスを「辞めさせる」方法は「辞めさせない」ことです。

私の経験が少しでも誰かのお役に立てば幸いです。

ここまでお読みくださった方ありがとうございました!


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