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母の日にキレてしまった話

きょうは #母の日
みなさんにとってはどんな日ですか?

私は、母の娘であり、義母の義娘であり、むすこの母。
感謝するし、感謝される日。それが私のとっては母の日。


バリバリ当事者なんすわ。


そらもう、お花をもらったり、家事をサボらせてもらったり、
そんなことを期待して夫と共有しているリビングのカレンダーに
むすこも読める平仮名で「ははのひ」と書いた。

今週はむすこと買い物に出かけ、
母の日用のお花を見かけるたびに「ママはピンクのカーネーションがいいなぁ」って刷り込んだ。

前夜の夕食の時間にも夫がカレンダーを見て、「あ、明日は母の日か〜」なんてつぶやいた。

(ん?におわせ?かわいいやつめ)(カレンダー書いといて作戦成功だわ)
とほくそ笑んだ私。

午前中おでかけしてくるね〜なんて言って
むすこと2人でカーネーションと美味しいランチでも買って帰ってきてくれるのかな?って想像したり。


そんなこんなで迎えた母の日の朝ーー


SNSにはあふれる母の日投稿。花やケーキ、お母さんありがとうの文字。
私も実母と義母へそれぞれギフトを贈り、LINEに連絡がきていた。

いつもよりちょっと早く起きてくれた夫は、むすこを釣りに誘っている。
最近はすっかりパパっこなむすこだ。

もちろん保育園の先生の計らいで、数日前に「ママの似顔絵」を持って帰ってきている。ちょっと髪薄めなママだけど、これはこれで気に入っている。

釣りに行くのかな〜と思い、むすこのリュックにおやつと水筒をせっせと詰めて置き、カーテンなんか洗っちゃったりして、いつもよりちょっと多めの家事をやりながら2人が出かけるのを待った。良い流れが来ていると思った。


「感謝しろ」とキレてしまった


ところがなかなか出かけない夫&むすこ。
むすこはウルトラマンのyoutube、夫はスマホゲームに夢中だ。

私がカーテンを洗ったり、家事をしていることにも気づかずにソファでくつろいでいる。

私「釣り行かないの?」(ちょっとだけ不機嫌)
夫「ご飯食べてから行こうかな」
私「ご飯、誰が作るの?」(スイッチON)
夫「じゃあ、食べに行く?」
私「いや、今ちょうどつくりおき始めちゃったから、出かけられない」

その間も(カーネーション買いに行かないの?そこはなんか美味しいもの買ってくるね、じゃないの?)と心の声が激しくなってくる。

一方むすこは「おやつ食べたい!」「釣り行っておやつ食べる!」と譲らない。

お腹が空いて不機嫌気味になった夫が
「もうどうすればいいの?」と聞いてきた瞬間

プチッ

「きょうは母の日だよ!!なんで私が作るの!!感謝してほしいのに!!」
「私は母として頑張ってないってことだね!もう母親業しない!!」
と怒りをぶつけた。

文字にしてみると支離滅裂だし、受け取る側の気持ちも考えないメンヘラ発言で大人気なく恥ずかしい。だけどこの気持ちを残して置きたくて晒す。

夫は黙りこくって、むすこは空気を読んでおっとっとをこそこそ食べていた。


ずっと夫は変わってない


結婚する前から夫はこうだ。
とても優しいし、日頃から「ありがとう」を伝えてくれる。
むすこもそれに倣ったのか「ままだいすき」「おいしいごはんをありがとう」と恥ずかしげもなく伝えてくれる。

なぜ、私はそれで満足できなかったんだろう?

日々、感謝や愛を伝え合える私たちが
なぜこの母の日にあえて特別な儀式をする必要があるんだろう

夫とむすこが釣りに出発して1人になった部屋で
虚しく考えた。怒ってしまったことを、後悔した。

夫とむすこが私に感謝していないなんて、絶対にないし
ママは頑張っていないなんて、絶対に思っていない

そこに家族としての信頼があるのに、
私はなんで「母の日」を祝って欲しかったんだろう。


ねだって貰えたカーネーション


夫とむすこはうどん屋でご飯を済ませ、
忘れ物をとりに一度家に帰ってきた。

ピンクのカーネーションの鉢を手にして。

そして、すぐ2人は釣りへ向かった。

咄嗟に「ごめんね」と思った。言えなかったけど。
いつも「ありがとう」をくれているのに。
ねだってごめんね、って。

花はとても嬉しかった。
すぐにリビングの真ん中の棚に飾った。
愛が強めなむすこらしい、大きなハートの飾りも。

でも、見るたびにちょっとほろ苦い。

自分が家族の愛情を普段からちゃんと受け取れていたら、母の日にプレゼントなんて要らないんじゃないかーー私はきづいていなかった。

特別扱いされたかった。SNSが騒ぎたてるように。みんなが競い合う、私は「愛されている」と見せたがるこの世界で埋もれないように。

でも、

私は彼らにとって特別だから


それは、SNSの中の評価軸ではなくて、夫やむすこが心の中で感じること。

そしてふとした瞬間に
「だいすき」や「ありがとう」という言葉で現れること。

だから「母の日」じゃなくてもいいよね、って。

感じた瞬間に言えば良いじゃないか。
私も、夫も、むすこも。そしてみんなも。

これからむすこに反抗期が来て、「ありがとう」も言ってくれなくなったら
「母の日」は私にとって大切な日になるかもしれない。

だけど、今のところ、
私たち3人にとって「母の日」はいらないのかもなって。

資本主義はときに人の「認められたい」欲求に対して、過剰にアクセスしてくる。きょう起きたことも、その1つだと思う。こんなシステムに家族の仲を壊されてたまるかと思った。

この反省を胸に、明日からは目の前の夫、むすこの言葉をちゃんと受けとめて、尊ぶ。そう決めた「母の日」でした。

とりあえず、夫とむすこが帰ってきたら
「ごめんね」「ありがとう」そしてハグで仲直りしよう。

ーおわりー



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