通変の比肩(劫財)を解説!大運や格局のみかたもおさらい
四柱推命の通変のひとつ、比肩(劫財)の解説をします。
比肩のみかた
通変とは、陰陽五行の生・剋・比を2字におきかえて通じさせた仮借形容詞のこと。
比肩とは、日干から見て同一五行(比和)で、陰陽が同じもの。
劫財とは、日干から見て同一五行(比和)で、陰陽が逆なもの。
有用なとき
命式から見て、比肩が良い通変になる基本的なみかたは以下の通り。
日干が衰弱しているとき
食神が衰弱しているとき
1.に加えて偏財が旺強・大過しているとき
害になるとき
命式から見て、比肩が悪い(忌む)通変になる基本的なみかたは以下の通り。
日干が旺強しているとき
食神が旺強・大過しているとき
偏財が衰弱しているとき
比肩が陽干 + 正財と干合するとき
比肩が陰干 + 正官と干合するとき
比肩は兄弟姉妹を表す
比肩(劫財)は兄弟姉妹を表す通変。
仕事の同僚、ライバルといった意味も持つ。
比肩が命式のどの位置にあるか、どのような作用を起こしているかによってみかたを変える。以下に一例を述べる。
■ 比肩のある柱に支合・方合・三合会局があるとき
→兄弟姉妹の関係は仲睦まじい、同僚と共同事業をはじめられる関係
■ 比肩のある柱に刑・冲・害があるとき
→兄弟姉妹の関係は相反する
■ 比肩が四柱にひとつもない
→兄弟姉妹がいない、いても関係が薄いか、あまり役に立たない
■ 日干支と比肩の支で兄弟の力関係を示す
→十二運の強いほうが兄弟姉妹の立場が強い
■ 比肩が正財もしくは正官と妬合している
→十二運で強弱を比べたとき、ライバルとの勝敗がわかる
大運のみかた
大運で比肩(劫財)がめぐったときの判断について、一例を以下で解説する。
比肩が喜ぶ通変のとき
比肩 → 剋す → 財 のため、他人の財を奪ってお金に恵まれる とみる。
比肩が忌む通変のとき
自分のお金が他人に奪われる とみる。
比肩(劫財)が大過(3つ以上)ある場合も同様にみる。
格のみかた
月支蔵干が比肩・劫財のとき
日干と同一の五行なので格にできない。
その場合の命式の格のとりかたは流派によって多少差はあるが、泰山流(泰玄流?)で紹介のあった方法は以下の通り。
時柱で比劫以外の命式にとって良い通変で、最も旺・強なものを探す
1が叶わなければ年柱から同様に探す
2も叶わなければ再び時・年柱の蔵干から比劫以外で旺強のものを探す
命式全体が比肩・劫財のとき
命式で比肩・劫財が過半数を占めているときは強旺格とみて、命式全体を格とする。
通常の五行の均衡を保とうとする扶抑法であれば、この例の場合木が旺強なので木を剋す金が喜ぶ五行になる。
しかし、強旺格は均衡の原則を破り、旺強した五行をさらに強めようとするのが原則になるため、金は忌む五行となる。
化気格のとき
化気格へ変化すると、変化したひとつの五行が旺強した状態になる。
丁 丁 壬 壬
未 丑 寅 子
乙 辛 丙 癸
日干(丁)と月干(壬)が 干合
変化五行が木で、月支が 寅
→化気木格と判断。
化気格の喜ぶ・忌む五行の判断は、強旺格の原則と同じである。
一行気得格のとき
日干と同じ五行の方合(もしくは三合会局)が地支に揃い、かつ月支が比肩(劫財)のとき、一行気得格とみなす。
この場合の命式は功名富貴、つまり名を馳せ成功するに違いない宿命とみる。三合会局よりも方合で揃うほうがよりその働きは強い。
例)炎上格
乙 丁 己 戊
巳 丑 未 午
戊 癸 丁 丙
月支蔵干が丁(比肩)
巳・未・午の方合(火)が揃っている
日干(丁)が月令も得ており、日干を剋す通変(官殺など)が無いので成格とみる。
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