6歳:ムックとの思い出
りゅうちゃんの家に飼い犬がきた。
ペットを飼ったのは、後にも先にもこの一度だけだ。
小学生にあがってばかりの頃のある日、学校から帰ってくると綿毛の塊のようなものが居間にいた。
それはぬいぐるみのように可愛いらしい、真っ白な子犬だった。
その脇でりゅうちゃんのお兄さんと本家のおばちゃんが結託して、お母さんを相手に「コイツをウチで飼おう」というプレゼンをしていた。
動物ぎらいなお母さんは首を縦に振らずに何度も拒否していたが、りゅうちゃんもそのプレゼンに加勢したものだから、根負