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ネットの片隅でひっそり生きる、アニオタへっぽこプログラマー。最近、小説を書き始めました。http://moonlightinn.eldersoftware.org/

夏雪草(メドウスイート)

屋敷の一室で、老婆が揺り椅子に揺られていた。明かりを消した暗い部屋の中で、窓から外の景色を見つめている。 「ステラ様?」  がちゃり、と音がしてドアが開く。ドア...

歳神さま、ランナウェイ(後)

「あー、遊んだ遊んだっ!」  それから俺は、音々の気晴らしに付き合うことにした。ゲーセン、バッティングセンター、ボーリング。さんざん遊び倒して、気がついた頃には...

歳神さま、ランナウェイ(前)

「そろそろ今年も終わりですね! あなたはこの一年間、どんな風に過ごしてきましたか? わたしはですね、――」  駅ビルの街頭ビジョンから流れるローカル放送のナレー...

深夜の赤提灯

お題: 闇/汚す/提灯 「あー……やっと、終わったぁ……」  深夜のオフィスに、男の呻き声がこだました。部屋の電灯はすでに消え、PCのモニターが放つ光だけが、青...

山姥の娘(後)

(承前)  りぃん、という鈴の音が野山に木霊した。  初めは空耳と思えるほど幽かだったその音は、次第に大きく、はっきりとしたものに変わっていく。  山菜集めの最中...

山姥の娘(前)

お題: 夕/呪い/あばらや  山の中を、見窄らしい姿の童女が彷徨っていた。  身に付けた小袖は襤褸のようで、草履は擦りきれて用を成していない。  鬱蒼とした林の中に...