先上げはマジで重要です。

皆さん、こんちは。

今回は先上げの重要性をお伝えしつつ、量産でトラブらないために先上げでチェックすべき点をお伝えしようと思います。

先上げとは、量産用の反物を使って量産工場で縫う最初のサンプルです。

量産裁断前に行う「完全先上げ」通称「完先」と量産裁断後に行う「裁断後先上げ」があります。

いずれにせよ、量産進行OKかどうかを最終的に判断するサンプルを先上げと呼びます。


先上げのジャッジをミスると、納前のタイミングになってクライアントからOKがおりず、全量修正になったり、工場に迷惑をかけることになってしまいます。

「こっちは指示通りやったよね?修正は他でやってくれる?」なんて工場に簡単に言われてしまいます。

では、そうならないために先上げでは何をチェックすれば良いでしょうか?


①生地の風合い、着用感
量産反の落としは反物の出荷のタイミングで生産管理にも必ず送ってもらい、確認が必要です。ただ、生地単体では微妙な硬さなどに気づかないケースもあります。製品になって初めて気づくことも多いので必ず直近のサンプルを横に置いて、比較しながら確認してください。

②寸法
指示寸通りに上がらない場合は、パターン修正が必要になります。詳細は以前の記事をご覧ください。(『製品洗いの縮率問題』https://note.com/ratm080210/n/n95173271deb4)

③縫製仕様
1st、2ndをサンプル工場で上げて、先上げから量産工場を使うケースもあるかと思います。
1枚縫うだけなら、なんとかなった仕様も量産では再現性がない場合も多くあります。
工場の意見を吸い上げ、クライアントと交渉しお互い納得のいく着地点を見つけるのも生産管理の大事な仕事です。
また工場の設備によって、ちょっとした仕様変更で生産性がグッと上がる場合もあります。
例えば、ステッチ幅の変更や、折り伏せを巻き縫いに変更するなど。


上記の3点は最低でも確認すべき事項です。

先上げはクライアントに提出後、返却してもらい、量産の見本になるケースが多いと思います。万が一、先上げから仕様変更があった際は先上げサンプルの変更箇所に分かりやすくマメ札(荷札)を付けるなどにして誰が見ても分かるようにしましょう。

先上げのタイミングで起こりうる問題の芽を全て摘みきってから量産に進みましょう!


いかがでしたでしょうか?


ものづくりにトラブルはつきものです。

生地の上がりの遅れ、縫製工場のキャパ取り、工賃、コロナによる稼働率の低下…。

トラブルを未然に防ぐため、クライアント、原料の生産背景、縫製工場、二次加工先とコミュニケーションを密に取り、互いに気持ちよく仕事ができるよう潤滑油のような役割をするのが生産管理なんだと思います。


次回からは数回に渡って、実際に私が経験したトラブルと、その後とった対策を紹介していこうと思います。

お楽しみに!

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