バイオウォッシュのトラブル
皆さん、こんにちは。
今回は製品のバイオウォッシュ加工で実際あった失敗談とその解決策を書いていこうと思います。
バイオウォッシュというのは酵素を使った二次加工で、生地をくったりと柔らかく仕上げ、ユーズド感を出したり風合いを良くする加工法です。
二次加工の知識が乏しかった私は、コットンリネンをワンピースをお客様の指示に従い染工場に依頼してバイオウォッシュ加工をしてもらいました。
上がってきた製品を見てビックリ!
ほぼ全てのボタンが取れてしまい、スラッシュポケットの上下が破れて穴が空いてしまっていました。
実は麻は綿よりもバイオに弱かったのです。
バイオは微生物に繊維の表面を食べさせて、繊維を痩せさせる加工のため、強度がグンの下がります。
そこに洗い用の大きな釜で製品同士がこすれ合うため、力のかかる部分や、閂(カンヌキ)なのどにより生地が傷んでいる箇所は簡単にやぶれてしまうんです。
また、これはバイオに限ったことではありませんが洗い全般で裁ち切り始末の部分はフリンジ状に解けてしまいます。
下記が私の改善策です。
①麻混の場合は弱バイオで依頼する
この時は綿麻6対4ぐらいの混率でしたが、「糊抜き+弱バイオ+タンブラー乾燥」で依頼しました。
②ボタン付けバイオ加工後に
ボタン付け(特に機械付け)は生地の同じ箇所に何度も針が落ちるため、繊維の表面が毛羽立ち荒れている可能性が高いです。
そこへバイオウォッシュで繊維の表面が微生物に食べられてしまうため、生地がスカスカになり、ちょっとの負荷で簡単に付け糸ごとボタンが取れてしまいます。
可能であれば閂も加工後に入れた方が安心かと思います。
③裁ち切り箇所は極力なくす
ポケットの袋布など、表に見えない部分は工程数を減らし生産性を上げるためにも裁ち切りのままにすることも多いかと思います。
これが製品洗いの落とし穴になることが少なくありません。
切りっぱなしにしていた袋布の縫い代部分がフリンジ状にほつれてボサボサになり、納品前にカットする羽目になってしまいます。
そうならないためにも可能な限り空ロックを入れたり、中縫い始末にするなどして、裁ち切り箇所がない状態で洗い加工に出すようにしましょう。
また、これはバイオウォッシュが直接的な原因でないかもしれませんが、袖口の剣ボロやイッテコイ始末も縫い外れてしまうことが多いです。
袖口の切り込み部分に補強芯を貼ったり、捨てミシンや細ロックを入れることで縫いはずれ未然に防げると思います。
今回の記事いかがでしたでしょうか?
記載の内容はあくまで私の個人的見解であり、唯一解ではありませんので参考までにご覧いただけますと幸いです。
次回は縫製工場への生産指図書の記入ミスでやらかしてしまった失敗談を書いてみようと思います。
お楽しみに。
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