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職人のまち燕三条 [玉川堂]

はじめに


玉川堂(ぎょくせんどう)とは…

一枚の銅板を焼きなましを繰り返しながら金槌で鍛え上げ成形する鎚起銅器(ついきどうき)という製法によって花器や酒器、茶器などを製作する会社。

新潟県燕市に本店があり、「打つ。時を打つ。」という言葉をテーマに約200年続く会社。

今回は玉川堂の「登録有形文化財」の建物、「無形文化財」の鎚起銅器の製作工程を見学してきました。
午前は10時と11時からの2回
午後は13時、14時、15時の3回
スタッフさんが説明をしてくださいます。

13時になるとわたし以外にも一人、「見学やってますか?」と入ってきた人がいたので予約なくてもいけるのかもしれないけど、一応電話はしてから行ったほうがいいかも💡

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建物はこんな感じ。中に入ると天井が高い造りになっていて、なんでも金属どうしがぶつかる時の「カンカンカン」っていう音を逃がすための構造なのだとか。

作業場の中に入ってみると、職人さんが10人ほどいて休むことなく手を動かし続けていました。金属どうしがぶつかる音はけっこう大きく、職人さんたちは耳栓がイヤホンをつけています。

鎚起銅器:製作過程

①成形

銅板を炉に入れてあたため、何度も金槌で叩いて成形します。その時に使用する「当金(あてがね)」という道具は大きさも形も様々で約200種類もあり、成形する物の大きさや部位によって使い分けるそうです。

金属は「叩いて伸ばす」という考えが一般的ですが、鎚起銅器(ついきどうき)では「叩いて縮める」ことで形を作っていくそうです。


②色づけ

鎚起銅器独特の色合いをどう出しているのかをけんがくしました。銅は時間がたつと錆びて色が変わってしまうので、緑青を溶かした水の中につけて色を安定させているそうです。

色の出し方は2通りあり、一つ目が「スズのメッキを塗り熱する」。これはメッキを塗る場所を限定することで模様がつけられ、熱する際の温度によって色合いが異なってきます。

二つ目は「硫化付けにして磨く」。どのように磨くかによって模様の出方が変わります。

この二つを組み合わせることによって、金や銀や黒、縞模様や岩肌のような模様、まだらなど、さまざまな色合いをだしているそうです。


感想

恥ずかしながら鎚起銅器というものすら知らない状態で伺ったのですが、解説のスタッフさんがとても親切で分かりやすく説明をしてくださいました。また、燕三条というまちには多くの職人が集まっているそうで、他に見学できる場所があるかも教えて頂くことができました。

新潟に来てからというものの職人が集まる燕三条に夢中になり、色々な場所を回っていますが、「本当に良いものは時を超えても良いもの」なのだということがひしひしと伝わってきます。

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『燕三条 工場の祭典』という本を以前購入。燕三条にある113のKOUBA(工場、耕場、購場)についてまとまったけっこう厚い本。毎年10月頃行われる「工場の祭典」の記念として作られたものらしいです。

これを読みながら、「今日はここに行ってみよう」とか考えてみたり、「こんなものも有名なんだ!」と新潟の良さを発見したりして楽しんでいます♪

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そして見つけるたびに買ってしまうトレーディングカード。燕三条の企業をキャラクター化してカードにした商品で、童心に帰って集めまくってます。

次回も楽しみ!