犬と暮らせば、4

私の人生において、初めての犬との暮らし。
我が家の歴史においても初めてのことだった。
というのも、我が家にはお稲荷さんがいらっしゃったからだ。
孫にひたすら甘い祖父が犬を飼うことだけは厳しく禁じてきたのはそのため。
しかし数年前、祖父も高齢になり、両親も共働き。山の上の竹藪にあるお稲荷さんを粗末にしてはいけないと稲荷社にお稲荷さんの御祓を依頼したのだ。
お稲荷さんは撤去されてしまったが、今でも初午の日には必ずお詣りをさせていただいている。

我が家が昭和42年羽越水害で何もかも、家や蚕の養殖業、写真や思い出の品を全て無くしても、水害時に誰1人の命も失くさずに現在まで我が家が平穏に暮らせているのはお稲荷さんのおかげだから。と、小さい頃から祖父にリアルに10万回くらい聞かされてる。
その頃は何とも思わなかったけれど、今のご時世、心からありがたいことだなと思っている。

と、まぁ、ここまで書いてきて、お稲荷さんが撤去されたから犬を飼い始めたなんてことは全くなくて、ただタイミングだっただけなんだけど。

ロイくんは人も猫も他の犬や動物も基本的にフレンドリーな性格である。

私の実家や母方の祖母宅、帰省するたびに連れて帰った。
祖父母や両親、母方の祖母や叔母家族、まとめてメロメロになっている。
そりゃあもう凄いメロメロっぷりである。
帰省するたび飼い主よりも良いご馳走を食べ、なんだか楽しそうなおもちゃで遊び、飼い主が買ってやったことも無いような布団で寝ている。しかもお洋服が増える増える…

オーバーなくらい喜んで、嬉しそうに食べたり遊んだり、お返しにデレデレとニコニコする。

そりゃあげる方も喜ぶよね。

そのモテ技術、学びてーわ。

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