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町内会の帳簿の行方

割引あり

久しぶりに、きちんと現金を数える
よし、ぴったり

袋にジャラっといれ、黒い大きなサンダルを履き玄関を出た。

玄関の表札を一件ずつ確認しながら歩く

街灯は、白く靄がかかったように鈍い光で道を照らす
静かすぎて少し怖い。

表札に目をこらしながら歩く

ここか、
玄関チャイムを押す
かすかにチャイム音が聞こえた

私は外から一番近い窓をのぞく、電気が消えている、カーテンの隙間から
乱雑に斜めに置かれた、家具の一部が見える。

誰も出てこない、あれっ、この家で間違いないはず…

すこし、待つ。

すると、電気がつき人が出てきた

「こんばんわ、ここ、会長さんの家ですか?町内会費を持ってきました」

「ちょっと、呼んできますね」と風呂上がりなのか上半身、裸の人が一瞬
出てきて、すぐ奥に消えた。

この人は、会長じゃないのか…

その後、女性が出てきた。会長は女の人なのね、ふーん。

私は、さっき数えた茶色い封筒を渡す。
「これ、町内会費です」

分割、一括の説明が無かったので1年分をまとめて払う。

会長は、町内会費を受け取り、茶色の封筒にハンコを黙々と押している。

耳の寝ている大きな猫が玄関から出ようと、見計らっている。
私は、猫が外に出ないように気を配りながら、玄関のギリギリで待つ

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