『無能なナナ』考察|キョウヤの妹・ナナの兄が誰かわかったかもしれない…【ネタバレ】

※注意※
※単行本派が第7巻発売直前に書いています。
※もちろん多分にネタバレあり!
※個人の考察なので信憑性は保証しません。
以上、ご了承の上で読んでくださいね。

アニメ化で注目が集まる『無能なナナ』(原作:るーすぼーい、作画:古屋庵、『月間少年ガンガン』連載)。

アニメ第1話のラストで引き込まれた方、今後の展開や謎が気になって仕方がない方、たくさんおられると思います。原作未読の方、あなたの期待は裏切られませんから大丈夫ですよ!

さて、原作で初期から(多分アニメでは第2話から?)仄めかされている小野寺キョウヤの妹の存在と、やや遅れて(第4巻16ページ)明かされた柊ナナの兄の存在。しかしその後、ほとんどこの2つについては触れられていません。

しかし主人公とメインキャラクター(しかもまだ謎が多い)の家族関係、それぞれの行動の動機や原点にもなっており、物語の根幹に関わっていることは間違いないでしょう。しかもキョウヤの妹とナナの兄の秘密は、実は切り離しては語れないのでは???という考察が先日にわかに捗ったので、ここに記します!

この考察の基となったのが、Twitterでのフォロワーさんとの会話です。もし考察の断片だけ見て自分で考察したい!って人は、こちらの会話を見てみるのもいいかもしれません。

会話① 会話② 会話③ 
※とっちらかってるのとネタバレに配慮してるのでちょっとわかりづらいです。

では、考察始めます!


仮説1|ナナの兄は〇〇だよ

キョウヤは妹を探していて、ナナには年の離れた兄がいる。じゃあこの2人、兄妹なのでは?

これは誰もが1度は考えたことでしょう。

《仮説の根拠》
・お互いの兄妹関係が合致している
・ナナとキョウヤの妹は同じ髪型(第1巻127ページ)
・不老不死のキョウヤはクラスメイトよりかなり年上と考えられ、ナナの「年の離れた兄」との言と合致する
・おそらくキョウヤの能力の代償は記憶を失うことなので、そのせいでナナを見ても妹と断定できないのでは?

こんなところでしょうか。

しかしこの仮説、あまりに安易。あれだけ伏線張ってる作者が、果たしてこんな安直なネタをこんなにひっぱるものでしょうか? おそらく読者の誰もが一度は考えるような設定を。

そもそもなぜ苗字が違うのか? 妹を探してるなら変えたら逆効果では?

また仮にキョウヤが記憶を失っているとしても、妹の髪形を覚えているのに、ナナを見て妹だと少しも疑わないというのもどうなのか?

確かに
・ナナは兄と年が離れていると言っている
・キョウヤが妹が島に送られたと思っている時期はナナが鶴岡(委員会?)に引き取られた時期かもしれない
しかしそれでは、妹だけ他の能力者に比べてあまりに低年齢で島に送られた(とキョウヤが思っている)ことになり、不自然。自分の妹だけそんな幼いうちに召集されたら、もっと早くに探すなり何なり手を打つのでは…。

などなど、疑問点が多く残ります。というか何より、ここまで引っ張っといて安易すぎる。もしこの2人が兄妹としても、現在の材料に加えて決定的な必然性が欲しいところですね。

というわけで、この仮説は一旦没!

(※追記:第10巻にて、この仮説はほぼ否定されました。詳しくはこちら

仮説2|そんな甘くないよナナの兄は××だよ

ここでナナの兄に関する情報を整理してみましょう。彼女の家族関係も含めて。

《ナナの兄と家族についてわかっていること》
・ナナには父と母と年の離れた兄がいる(第4巻16ページ)
・父は能力者関連の庶務を扱う省庁勤め、母は幼稚園教諭(同上)
・兄はナナが物心つく前に家を出たので、ナナも兄のことはよく覚えていない(同上)
・ナナの両親はナナが小学生の時に強盗らしきものの手によって殺された(第4巻55ページ)

こうして並べてみると何となくですが、兄と両親の折り合いが悪かった、あるいは何か特別な事情があって兄が家を出たことが推測されます。しかもナナの両親は委員会に殺された可能性が濃厚。

両親と折り合いが悪そうで、ナナよりずっと年上の男性といえば、いるじゃないですか。1人。委員会に

そう、ナナが忠実に従う絶対的な存在・鶴岡タツミです。

メタ的な話をすると、この線は原作者の作風的にすごくありそう。(気になった方は是非同じ作者の『白蝶記 ―どうやって獄を破り、どうすれば君が笑うのか―』を読んでね! 『無能なナナ』が好きなら絶対好きだから! 小説だけど)

しかしこの仮説には1点疑問が。(探せばもっとあるかも)

「ナナは俺の家族も同然なのだから」
出典:『無能なナナ』(作:るーすぼーい / 古屋 庵 スクウェア・エニックス発行 ガンガンコミックス)第4巻176ページ

鶴岡の台詞ですが、実の妹のことを、「家族も同然」て言うかな??? 家族ではないが家族のように強固な関係を築いた間柄だからこその台詞のような気がするんですよね~。かつナナの家族関係を自分が絶ったからこその。

というわけでこの仮説もいまのところ若干弱いです。保留。

仮説3|××と思わせて□□でハッピーエンドだよ

この仮説が生まれたのは、まさにTwitterでのやり取りからでした。

皆さんご存知でした? 柊と橘って、どちらも常緑樹で永遠の命や不老不死と結びついて、魔よけの力があるんですってよ!

柊といえば柊ナナ、そして橘といえば橘ジン! つまり、ジンとナナは兄妹なのでは!?

これだけでは何の理由にもなりませんが、実はこう考えると色々と辻褄が合うんですよね。

第6巻を読んだ人はもう知っているはず。今まで橘ジンと思っていたのは橘ジンの親友(?)で、変身能力によって他人の姿を借りていたのです。本当の橘ジン(以下、こちらを「ジン本体」とします)は、本土のどこかで意識不明のまま安置されていました。

この橘ジン(本体)がナナの兄ではないでしょうか。

《この仮説の根拠》
・ジン本体は見た目からも、変身能力を持ったジンの親友(以下「ジン(変身)」とします)と同じ世代であることからも年が離れていると考えられる
・ナナの両親は委員会に対し反乱の意思があったため、兄が能力者として召集されたことをナナに伏せていたのでは?
・能力者の兄が招集されないように祖母の家に預けた?
・ジン(変身)がナナに家族構成を訊いた(第4巻16ページ)のは、親友であるジン本体からナナの話を聞いていたから?

ここからは完全な妄想ですが、よかったら読んでください。

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鶴岡や委員会にとって、ナナの父と三島コハルの父は邪魔な存在だった。両親を失って絶望し、頼るものもいない無能力のナナは逸材だったため、委員会で駒として育てた。能力者の兄と引き離すのも理由の1つ。
(※追記:この説↑は第7巻でほぼ確定しました。詳しくはこちら

コハルを確実に殺したのも、親から何か聞いていたことを思い出したり知っている人から教えられたりするとまずいから。ナナの父とコハルの父は組織に反乱を起こすことを考えていたのかも? だとしたらコハルとナナが結託せんとしている今、殺すしかない。

ナナの兄であるジン本体も、委員会に真っ先に消されかけたので、ジン(変身)の力も借りて重傷を負いながら島外に逃げた。あるいは委員会に回収された。

ジン(変身)は、ジン本体の生存を確かめるためか、前世代の能力者たちと島にいるうちから、ジンの姿でジンとして行動するようになる。よって前世代の能力者の内紛から逃れた時も、ジンの姿でジンの実家に帰還した(第3巻274ページ)。ケツアゴの男が隣室だった(第3巻270ページ)のもジン本体として男子寮に寝泊まりしていたから。

…というところでどうですかね。

ただそれだと鶴岡が、ジン本体についても姿を借りた親友についても、正確に把握していないらしきことが謎ではあります(第5巻120ページ、第177~178ページ)。

これから確認しての新展開があるのかもしれないけど、あの鶴岡が能力者と能力を覚えてないってのはどうなんだろう。「能力自体が変化する例」(第1巻199ページ)としてとらえたのか?

少なくとも、ジン本体を回収したのは委員会(というか鶴岡)ではなさそう。回収してたらジンのことをあんなうろ覚えってことはないだろう。

仮説4|じゃあ■■は誰なんだよ

…ではジン(変身)は誰か、という疑問が浮かぶわけですが、彼に見えるが実は彼女こそが、キョウヤの妹ではないか?というのが私の考えです。

《この仮説の根拠》
・1世代前の能力者なのでキョウヤの妹として年齢的に自然
・変身しているので女であることも充分ありうる
・しゃべり方も女性男性どちらとでもとれそうな不自然さ
・キョウヤが妹を探している素振りがないのは、そもそも同じクラスにいる年代ではないからでは?
・キョウヤとジン(変身)はまだ会っていない
・ジン本体とナナが兄妹、キョウヤとジン(変身)が兄妹だとハッピーエンドありそう

鶴岡がナナに殺されかけたとき、実は自分はお前の兄だと言い出すんですね。本当の肉親だ、愛してるんだと。衝撃の告白に揺れるナナ。しかしそこで判明する事実! 本当の兄は橘ジンだと! そして絶望からのハッピーエンド! キャッハー!みたいな!

どうかな! これ、来週の7巻で覆されたら笑うしかありません。

(※追記:キョウヤの妹は第10巻で登場しました。詳しくはこちら
(※追記:キョウヤの妹は第11巻で確定しました。詳しくはこちら

次の考察記事です!

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