【『無能なナナ』ネタバレ考察】黒幕××は能力者なのか?どんな能力?代償・弱点は?

※注意※
※単行本派による考察です。
※原作を確認してはいますが個人の妄想に近いものなので、信憑性は保証できません。
※本文にはネタバレありますが、未読派の方に配慮した表記を心掛けています。

ちなみに前の記事です↓

以上、ご了承の上どうぞ~。

今回はどう考えても黒幕に違いないあの人(隠語:鳥の人)についての考察です。あの人が能力者かどうか、何が目的かは、今後の物語の行方を大きく左右すると思うので!


仮説1|××は「 」能力者では?

鳥の人こと鶴岡タツミは、第7巻でナナの両親を自分が殺したこととナナを利用したことを語りました。しかしこれは特別意外な真実というわけではありませんし(ナナにとっては衝撃だったでしょうが…)、多くの読者が予想していたことです。寧ろ今回の吐露によって、真実は別にあるのではないかと思った人も多いことでしょう。

(※追記:真意、別にありました! 詳しくはこちら

委員会きっての切れ者・鶴岡が、まさかすべて正直に話したなんてことはありませんよね! 現時点の情報からは彼の一連の行動の目的が不明ですし、まだまだ隠し玉を持っているに違いありません。

隠し玉ってもしかして…鶴岡も異能力を持っているってことじゃないの? しかもそれって、死者を生き返らせる能力なんじゃないの?

まあいつも通り考察というか妄想なんですが、そう考えるといくつかの不明点がクリアになります。且つ、今後の展開に希望が見えてくるんですよ!

→検証1-1|××が「 」能力者だと♡♡と被るのでは?

鶴岡が蘇生能力者だとすると、犬飼ミチルちゃんと能力が被るのでは? …という声が聞こえてきそうです。しかし『無能なナナ』においては、類似の能力者がいることはあり得ます。第3巻に登場した高梨カオリは瞬間移動能力者でしたが、第7巻では前園サチコという別の瞬間移動能力者がいることが明らかになりました。

寧ろ第7巻で前園サチコの能力が明かされたのは、類似の能力者がいてもいい世界であるという、鶴岡の蘇生能力への伏線かもしれませんよね。よってこの点については特に問題ないかと。もちろんネクロマンサーのユウカちゃんと被るという心配もなし!

→検証1-2|××が「 」能力者だとする根拠

第5巻で、鶴岡は既にこと切れていたミチルを銃撃しました(第5巻102ページ)。これは読者の一縷の望みすら断つようなショッキングなシーンだったので、多くの方が覚えていらっしゃるかと思います。つまり、「鶴岡がミチルにきっちりとどめを刺した」ことを読者に印象付けたシーンでした。

しかし死体をあえて撃つ必要はあったでしょうか? ナナにショックを与えられるわけでもないのに、あまりに無駄な行動です。まあもしかしたら、モエに見せる理由があったのかもしれませんが。

もう1点。第7巻では帰還兵(隠語)こと中島ナナオが生きていて、物語に再登場しましたね。アニメ勢でも指摘する人が大勢いるとおり、彼の死亡を確認するシーンはありませんでした。あの高さから落ちたのだから当然死んでいると考えてもいいのですが、それでも潮の関係で死体が島のどこかに打ち上げられる可能性もあるのに、死体の確認すら描写されていません。

この2つの例から、鶴岡が死者蘇生能力を発動するには、自ら死体に新たな傷を与えなくてはならない…というような条件があるとは考えられないでしょうか。

つまりナナオは死体が回収され、鶴岡の能力で蘇生されたジン(変身能力者)がナナオに変身できるようになったのも、ナナオが蘇生したから

一方、鶴岡はナナに、ミチルの蘇生に手を尽くすと約束しました(第5巻97ページ)。且つナナ曰く、

「鶴岡さんは約束を守るお方です
できないことを口にする方でもない
せめてミチルちゃんを救うべく手は尽くしてくれていると思います」
出典:『無能なナナ』( 作:るーすぼーい / 古屋 庵 スクウェア・エニックス発行 ガンガンコミックス)第6巻18ページ

とのこと。勿論ナナがそう信じているだけ、騙されているだけという可能性もありますが、あえて鶴岡の行動とナナによる人物評を食い違わせたのは、何か狙いがあるように思えてなりません。

つまり本当に、鶴岡はミチルを(ナナの今後の行動によっては?)本当に生き返らせてあげるつもりなのではないでしょうか。 あるいは既に生き返っている可能性もありますね!

更に言うなら、ナナオと同じく特に悪事を働いていないのにナナに殺された渋沢ヨウヘイ君。彼も死体は確認されていませんし、どこかで生き返っているかも…。そしてヤクザ映画の冒頭で破門にされた下っ端みたいに、最後にナナを殺しにかかってくるかも…? ナナオの変貌ぶりを見ると、こちらもありそうに思えてなりません。

仮説2|「 」能力の代償は〈 〉では?

今のところ、『無能なナナ』の世界では異能力には代償があるというのが原則です。ということは鶴岡が死者蘇生能力者なら、その能力にも代償はあるはずです。失われた命を取り戻すのですから、その代償は決して小さくはないでしょう。

しかし代償までミチルちゃんと同じというのはさすがに芸がありません。(いくつものミスリードで別方向に誘導した結果、とかならあるかも)

ここからナナオ君が蘇生したという前提で話を進めますが、ナナオ君、1度殺されたからとはいえ、あまりに性格が変わりすぎじゃないですか? この人格変異が蘇生能力の代償だとしたらどうでしょう。

蘇生と言いつつ、性格まで生前そのままに生き返らせることはできない(これ冷徹な鶴岡ならいかにもありそう)。性格が(あるいは性格に限らず何かしらかが)大きく変わってしまい、蘇生させても生前の知り合いが望むような結果にはならない。

もしそうだとすると、鶴岡はミチルを生き返らせられるがすぐにそうしなかったのは、ナナをこれ以上傷つけないためとも考えられますよね。これで鶴岡は実はナナのことを想っている説も補強されます。第7巻での衝撃告白が彼のすべてのわけがないので。

→検証2-1|「 」能力の代償が〈 〉がと考える根拠

根拠は上で粗方説明しましたが、実はもう1つあります。

Twitterで他の方の推測を見て気づいたのですが、『無能なナナ』のコミックスの表紙って、今後の展開を暗示してませんか?

まず、第1・2巻が同一人物でその後は他のキャラが順に表紙を飾るというのは、漫画の単行本ではあまりないことです。しかもその巻で特に目立ったキャラが担当するわけでもない。そして何より、第7巻のあの展開でナナオのライト面が描かれたという違和感!

第8巻はダーク面のナナオではないか、という予測ツイートをしている方を何人か見かけましたが、確かにそうかもしれません! するとですね、他のキャラもダーク面とライト面の両方で表紙に登場する可能性が浮上してくるのですよ!

するとミチルとコハルは、今後ダーク面が描かれることになります。つまり、ミチルは今後蘇生して再登場し、性格が悪い方に一変していると考えられないでしょうか。コハルは蘇生するのか、または実在した妹がナナか鶴岡に恨みを持って現れるのか、いくつかパターンが考えられますね。

根拠としてはやや弱いですが、アニメでもナナのダーク面は単行本の表紙の色が使われていますし、注目するに越したことはない気がします!

※ちょっとややこしいので省きましたが、表紙は3色あります。白、黒、赤で、どうやら赤はナナに敵対するキャラを表しているような…? 全員3色という線もなくはないですが、そんなに巻数出るかな~?というのが私見です。よく見ると文字の色も少しずつ異なるので、その辺も考察できるかもしれません。

仮説3|仮説1・2から導かれるさらなる仮説

さあ仮説1・2が正しかったとして、今後どういった展開が予想されるでしょうか。とりあえず箇条書きでいってみましょう。

《今後予想される展開・明かされる設定》
①ミチルが生き返って再登場
②渋沢が生き返って再登場
③ジン(変身)による鶴岡の能力コピー(どうなる???)
④表紙でライト・ダークの両面が描かれたナナは、実は鶴岡に蘇生された命
⑤鶴岡は自己蘇生も可能

①・②は上で述べたので省略。③は私の想像では追いつきません。というわけで、

④表紙でライト・ダークの両面が描かれたナナは、実は鶴岡に蘇生された命?

にいきましょうか。

第7巻以降、私の中で鶴岡はナナを本当に大事に思っている(※彼なりに)説が有力になってきています。それは同時に、ナナの両親の死について彼が正確には語っていないということであって、そこにはまだ秘密が隠されているのだと思うのです。

これまでの鶴岡の言動を見るに、無能力者たる腐った政治家たちを是としていないのは間違いありません。しかしナナを島に暗殺者として送り込んだことなどから、能力者のことを良く思っているとも考えられません。どうやら彼は能力者・無能力者のどちらにも、情というものを抱いていないようなのですね。

現時点で私に推測できる範囲でいえば、鶴岡は能力者に親兄弟かそれに準ずる近しい人間を殺されたのではないかと。その実行犯は能力者だが、そうなった大元には政治家の失策や怠慢があり、双方に殺されたと鶴岡は考えている。そしてナナも、同じく能力者と無能力者両方の“無能さ”のせいで、両親とともに命を落とした。

鶴岡はナナを蘇生させ、彼女を試した。その結果、彼女は利用価値のある(もしくは大事に思えるほどの?)逸材だったため、手ずから育てた。

あー…こう考えると、死者蘇生の代償は蘇生した命は有限とかもありそうですね。期限があるからこそナナに殺人を犯させてでも急いで為さねばならない何かがあったのかも? その何かは鶴岡のというより、ナナのためになるものなのかも?

でも鶴岡は、多分ハッピーエンドにはたどり着けないんですよ。そこで

⑤鶴岡は自己蘇生も可能

に繋がるわけなんですけど。

鶴岡自身が自己蘇生した命(親か大事な人と一緒に一度殺された)だとして、蘇生の代償が人格変異だとしたら彼はもともと優しい人だったのかもしれませんよね。真面目ではあったでしょうし、それが死のショックや蘇生の代償であのようになったとしたら悲しいことです。

自己蘇生の代償として、蘇生した彼の命が有限だったとしたら…。漠然とですが、ナナを想って行動しながら結局は悲しいラスボスとして散りそう…

いつも通り最後はほぼ妄想になりましたが、読んで楽しんでいただけたなら幸いです! それではまた!

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