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「在る夜の怪談」

山犬、まあ昔の日本じゃ狼のことだったらしい

俺の住む郷周辺にはとても多かったらしい

その昔、狼の集団を引き連れていた、もの凄い強い山姥も棲んでていたらしい

俺ことS

今日は怪談好きの才女Yちゃんと盛り上がりたくて電話した

「今晩は~。お疲れ様です~」

「あ、Yちゃん。俺です、Sです。その後寝たきり生活ですか?」

「はい~。出かけてはいます~」

「実は山犬のこと気になって、思い出したら懐かしくなって、オーメン検索したんだよ~」

「あら~。オーメンですか~、それはまた」

「山犬って、エジプトじゃあ、ジャッカルじゃないすか?」

「ええ、そうでしたか~」

(注)お気づきだろうが、軽く二人の話はいつも噛み合っていない

「アヌビス神とか、山犬の神っちゅうか、ジャッカルの頭した神様じゃん?悪魔の手先~みたいにオーメンではなってたけど、ファラオの棺の脇にいますじゃん。死者を守る存在みたいな。俺、なんかウルってくるんですー。来い!アヌビス!みたいに、ファラオが言ってるの。もちろん死んだ後」

「オーメンはずいぶん懐かしいですよね~」

「ダニエルってどっちのダニエルも可愛いですよね~。(ひねくれた歩き方の赤い目のダニエルも)(D・リンチのほうのなんもわかってない風のダニエルも)(ついでに最恐の悪魔の赤ちゃんダニエルも)(まあ、ダメよダニエル。こんなもの食べちゃ、と言っているママが一番ズレててなんか吹く)(悪魔の子供ダニエルは見れてないんだよな~)

「まあ、やっぱり666って響きとゾロ目はインパクトありますよね。獣の数字とか、暗示」

「ほんとは666じゃなくて616って羊皮紙の新発見は、掻き消されてしまったね~。一度検索したけど忘れたよ~」

「わたしも最近YouTubeで怪談検索するんですけど、検索するそばから忘れるんですー」

「だって怖くないもん~。人の書くことだから突っ込みどころ満載だしー。辻褄、合わなくなってるしー。たいていみんな知ってる話ばっかだしー。むしろ突っ込み入れるのが楽しみ~」

「ですよね~。そのままコピペして記事上がってたりしますよぉ~」

「ええ~。それ、人間はプライドの塊なのに、プライドはどうでもいいんだかね~」

「聖書、矛盾してますものね~」

「だね~」

「ミイラって、高貴な人じゃなくても一般人つうか、普通に作ったらしい。昔、決められた月の、土曜の午後に図書委員会のメンバーで、図書館に入れたい本を選びに本屋に行ったんですよ。で、ミイラの作り方って、絵本みたいな図解みたいなデカイ本あったんです。同じ並びにあった荒俣宏の人体図解買っちゃったけど」

「魂が乗っ取られないように、肉体に入り込まれないように、内臓取り出して、何か代わりのものと薬品入れるんですよね~」

「まず血抜きだよね~」

「大変な作業ですよね~」

「ですね~」


「あ、また話変わるけど、茨城ニンゲンって、いるんですよ。昔Googlemapで写ってた、エヴァのアダムみたいなヒトガタと、ニンゲンとかいう白い人いましたじゃん?あれみたいなの、茨城版。まあ、常陸風土記の時代なんすけどね。10メートルの人なんて巨人ですよね?」

「まあ、たまーに巨大な人骨が出た言ってますけど、全部インチキですね」

「土左衛門は膨らんでも3倍、それ、横に膨張するんで縦には伸びないですよね。10メートルなんてないでしょ」

「まあ、体積がですからね」

「しかも、男か女かわからないが、どうも女のようだと、人々が言っている。男か女かわからないのに、なぜ女。」

「それは女の部分が」

「しかも手首足首、頭部がワニに食われたらしいと。なぜ?女の柔らかい突起を食わない?ジョーズだって、胴体を食うだろう。矛盾だ!しかもその巨人女は阿修羅女と言って、海岸や水際に住んでいるという。修羅の国を人間が見て来たのだろうか」

「修羅道の修羅の国って、皆いつも争っている国なんですよね」

「えー、日本じゃないですかそこ(笑)。結局のところ、祟られたら嫌だと阿修羅女は放置」

「下手に手を出さないほうが安全だと」

「ものすごい臭いだったらしいよ。誰もいなくなった」

「ええ~(笑)検索して寝ますね~」

「うん、茨城ニンゲン。常陸風土記で検索してみてね。なんかごめんね、全然怪談じゃなかった」

「いいえ~。おやすみなさいませ~」

「おやすみぃ~」

怪談といえ、今日はひどく笑った夜だった

ごめんYちゃん

記憶がところどころ怪しくて、会話改ざんしてるわ


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