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「たぶん、恋愛小説家」_愛、だったのかもしんない

夢_だったのかもしんないね

あたしが生きている世界ってね
まあ日本よね
超物質的なものが全てっていうか
スーパーやコンビニ
その他の店
物が、とにかく棚に並んでいなければ
売れない店
人の来ない、人の呼べない店ってだけで
駄目な感じじゃない?
ものすごい人件費とか、水や電力や資源を消費して、賞味期限近くなる頃、在庫入れ換えの頃お安くする
毎日食べられるものなんか、人間たかが知れてる
毎日毎日どこかで大量に棄てられて、燃焼の煙は充満している

この世界は煤にまみれている

汚れたものを
汚れることを
嫌悪しながら

あたしはそんな世界に矛盾を感じながら
働くのが好きだった
そしてそんな世界で働いても報われない
自分への矛盾をも感じている

どうにかしてなるようなことも
じたばたしたって無理
そうなるようにはなっているの


毎日24時間のうち、夜はー
暗くなってから明るくなるまでよね
十数時間は家で過ごすものじゃない?
睡眠だとか、趣味だとか、愛を確かめあう、とかのさ
だもん、活動出来る時間なんて数時間よ
世の中の人々の為にお手伝いして得る御代金なんて
ぶっちゃけパート並の時間でフルタイム分
交通費込みくれるなら良いけどね
そんな世の中だったらなあ

働くほどに搾り取られ
働くためにつじつま合わせるために
余計なものにお金をかけてしまう

働くために出かけて行って、家と往復するだけ
その道に咲く自然を満喫したり、都会を観光したりもないよ

都会の人はいろいろな物を食べれて
結構栄養バランスも良かったりするかな

駅だって一駅くらい歩けば
1食分、間食した分
自然に消費されているかもしんない

孤食とか個食とか昔、取り上げられて食育、食育ってブームになったっけ

朝ご飯食べない子はキレやすいとか
集中力出ないから頭悪いとか
虚弱で覇気がないとか
でも頭いい子はいいし
食べ過ぎると眠いからとか
神経研ぎ澄まされるからとかで、小食でも分けて食べる人もいるじゃん
何食べたって、自分が幸せなら、粗末でも害がありそうなものでも、栄養にはなっている気がするもん

自分が食べつけたものに、食べやすいものに手が伸びるもん

そういや、カップラーメン食べたくなっても
ずっーと拉麺屋さんには行かない
背油とかたっぷりの、トッピング無料の
全然行かないや
餃子が美味しいとこじゃないと
餃子がないところじゃないと
行かなくなるのかな

ちゃんと寝て休ませないと
仕事に支障が出る
飲まなきゃやってらんないとか
外で息抜きとか
あたしにはあり得ない
起きて動いている分、スゲー肉体負担よ

だからなのか
あたしは眠っている間、夢を見ているのが好き
夢の中でもあちこち行ってるから、それも疲れるね

そういえばあたし
もうずっ~と知っている人の夢見ない
知らない人の夢ばかり見る
この世界に存在している人でもなさそう
実際会うことないから
拓人すら、夢に出てこない

あたしの夢見る?

って聞いたら、見る♪
いっつも、見る♪って・・
ふーん、で終わった


「どうするんだよぉ~これ。こんなんなっちゃった~」

拓人は起き上がって嬉しそうに言うんだった

寝ながらズリ下げて見せたそれは、ツルツル光って見えた

拓人、夜あんまり仕事しないで休めて
お○○○ん、元気になったみたいだ
それはふだん、くた~ってして見えて、拓人はいつも揉んで揉んでうるさい
すぐ勃っちゃうし、色情霊がついてんのちゃうか?と思う
ん?
色情霊って女の霊っぽくない?
とりついた男が他の女としたら許せないんじゃないの?
あたしの考えることっていらないよね
そういうことじゃなくて、楽しめばいいんでしょ
恋愛を
疑似かもしんないけど、恋愛をね

拓人、あたしが気持ちいいって言うと喜ぶもん
うれしくてはりきっちゃうんだもん

でも男ってなにが気に障るのかわかんないよね
またふてくしてる
構って君
ラヂコン飛ばしに行く時
誰かと飲みに行く時
電源切って放置のくせに
「こちらは・・・」
って聞こえてくると、あたしぞぉ~っとするんだよね

拓人はあたしが作るご飯が好き
時になんじゃこりゃ、というもんを作った時もある
味がわからない時
原因はいくつかあるけど

口内炎とか
喉の炎症とか
疲労溜まっているとか
生理前とか
食べまくって悪化して悪循環

そう、生理くる前
あたしは疼く人
そんな時、拓人はいない

「あーご飯、今日は美味しい。味がわかるー」

自分の作ったメシを自画自賛する
うれしそうに拓人があたしを見てる

いつも死んでるみたいに
あたしはつまらなさそうだから
生き生きしてると見えるのは
仕事が乗っている時
書いてるのが楽しい時
誰でもそうだっけね

書くの、書いてる時はふつうに楽しいよ

大根煮たの食べたい

拓人が言ったから、大根買ったのに
眠っちゃった
店から大量に拓人のやつ、またナスとキュウリを貰ってきた
あたしはナスの天ぷら好き
拓人、オレが揚げる♪
って言うから、ピーマンとマイタケも買ってきた
けど失敗だった
ナスとキュウリ
デカければいいってもんじゃない
育ち過ぎじゃ、夏は1日でナスのキュウリも化けでかくなる

カボチャ煮たの食べたい

拓人が言うから
おかしいな、思った
拓人、カボチャ煮たの食べたことないもん
あたしが煮ても、カボチャ自体甘くて好きじゃないのか、食べない
白いご飯に、カボチャの煮たの
上のほうのおつゆがしみたところ
カボチャの果肉がとろけてて、それをご飯にのせて食べる

拓人、戦時中みたい

って、あたし見ていう

悪かったわね、ビンボ臭くて

瞬間、小学生の頃
おばあちゃんが作ってくれた
黄土色っつうかカラシ色の防空頭巾
学校持って行って笑われたの思い出した
確か地震の避難訓練かなんかある、言ったら縫ってくれたのよね
ちゃんと被って机の下にもぐったよ
あいつらは何か被っていたか、覚えてないや
また、引き出し開いてしまった

いまならさ、笑ったあいつら死ね!
とか思ってもいいのかな
だって今のYouTube時代
そんなの作って流せるの、貴重じゃない?
視聴の数とか登録数とかには、あたしはならないけど、飛びついて一瞬でも受けるような世の中
前に進めるのかな


カボチャと玉ねぎの味噌汁は作っても、あたしも好きじゃないから、今は作らない
だから迷って、カボチャはスライス済みの買った

あたし、眠ってばかりいた
きのうもきょうも
起きてびっくりした
なんじゃこの時間はあ・・
緊張し過ぎていて
緊張解けたのか
ゆるんでるゆるんでる~
結局また、何かの機会を失なって
自分を振り返る時間を手に入れた

拓人が天ぷら揚げて、動画見てた時も、眠くて嫌み言われてケンカした
きのう帰ってきて、あたし眠らないで天ぷら揚げれば良かったんだね?

あんたのキュウリ、全部めんつゆに浸けたじゃん
結局食べるのあたし
天ぷらもあたし
まだ口内炎治らないのに

すぐふてくする
拓人のバカ
女の腐ったみたい

生理でもHしなきゃあんたはおさまらないのか

だったら他にもっとまともな女のとこに行け、いう
女買おうが、遊ぼうが、本気になろうが、火遊びだろうが
あたしはどこ行くの?
誰と、なんで、とか聞かない
あんたの携帯にも興味はない
ふつう、見ないもんじゃん

別に焼きもち焼かない訳じゃないけど

あんたとあたしは市場価値が違う
あんたは呼べば誰かが迎えに来てくれるだろうし、居るところも当座はあるんだろうし
あたしとは違うんだよ
三つ子の魂、百までだっけ?
あたしは人に甘えるのも、甘やかされるのも知らない
愛情が、自分の人への思いやりでさえ、時々大間違いの気の遣い方だと思って、自己嫌悪するもん
可愛げないのは、バレバレなのよね

んん?
今、スマホの画面光った
雷反射?
いや、ふつうにスマホ寿命が近づいてんのよ
要らないアプリ、消せよあたし

拓人
あたしもまだまだ
女を捨てたもんじゃないのか
いろいろ援助してあげるから、ってそういうことかな
あんたの世話だってろくに出来んのに
でもそれってあたしが働き者で、事情を知っていて、なおかつ坊ん坊んだからよ
昔は親の借金で売られる、小金持ちに嫁がされる、とかほんとにあったんだなあ、って今もあるんだって思った
日本てさ、ずーっと昔から戦ばっかりしてて、殺しあいばっかしてたような国じゃん
電車の隣にたまたま座った人と、どっか遠い昔のご先祖様とか親戚が、何かあって血が繋がっているかもしんないしさ
戦で殺しあった因縁があるかもしんないよね
日本のお国柄とか、人間性なんて変わりゃしないよ
それでも人間、体は劣化していく
どんどんオバチャン化して、頭も頑固になって
体だって鞭打って無理に動かして、ままならんのに
男なんてこれ以上面倒よね
始末に困るわ
自分の始末にだって困るのに


拓人もあたしも、親子3人とか
愛情が薄いから憧れた

家族にはメシ作るの当然で義務
ちゃんとしたもの
食べてほしい
昔は冷凍もんばっかりの色と見た目の綺麗な弁当が
田舎の中の町場の学校では金持ちの象徴で
あたしの弁当はよく笑われたな
まあ、今でも誰かを笑っているような身分でいるのだろうけど
三つ子の魂百までだから

でも自分たちで食って片付けて欲しいもんだよね
あたし、やることたくさんあるし

ほんとはいろんな世間の事情や都合なんかに振り回されないで、自分の人生を送れていたら
拓人、あんたに尽くしていただろう
これからだって遅くない?
あんたの人生は、あんたの決めること

袖振り合うのも多少の縁
なんか漢字違う?
そんなのだって吐き気してくるじゃん

自分のやりたいこと
望んだこと
お金のこと
愛情のこと
楽しんでやれば
相手も喜ぶだろうとか
良いことが
結局自分に戻って来るんだろうとか
そうかもしんないけどさ
結局、その人じゃないんだし

別に大勢と繋がっていたいとかないよ

あたしは狭い世界が嫌いだったけど
自分の狭い世界の中で片をつけなきゃいけないこと
あるんだよねぇ

シェシェシェシェシェ

こんな風に鳴く蝉がいたこと

あんたを追いかけてこなかったら、ずっと知らなかった


知らなくてもいいことたくさんあった

わざと知らされないこと、たくさんあった


夢は夢だからいいんだよ

叶わないから夢


実際叶う人もいるけど、それ叶うなら夢じゃないから

冷やご飯をおかゆにした

ホッとする味って、あたしこれなんだ

誰かといてホッとすること

あたしには一生、ないんだ

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