「たぶん、恋愛小説家」＿メシなんかいらない

なに食べてるのさ

はあ？
お茶漬けよ
お・茶・漬けっ

こわ～っ

うるさいっ

〆切と雑事に追われ

巧人の相手までしていたら

身がもたない

前はごはん
作ってくれた～
耳ほじりもしてくれた～

はあ？
いまでも作ってるじゃない
あんたとは食べるものがちがうのよ
あんた
お茶漬けなんて
お口に合わないでしょ
耳ほじったら
痛いからやだぁ～
って、怒ったじゃない

ちぇー

まじ、うるさ
ぜんっぜん
あたま、冴えてこないわ
（なにも書けない言い訳）
あんたが、そこの柱で
パンツいっちょでおしり押さえて
トイレまで行けないでうめいでいた姿
晒すわよ！？

ひぇー
リベンジポルノー🙌！？

恋愛小説家とか言ったって

CAPAがいっぱいいっぱいになったらさ

家の掃除だって

洗濯だってしたくなくなる

男のためにラブリーな下着なんか

着ないよ

とりあえずかっこんで食べれて

おなかがいっぱいになればいいんだもん

でも

とりあえずおなかがいっぱい

それなのになんか

胸がざわざわする

巧人

わたしは顔をすり寄せる

んー

ちょうだい

巧人は無言でわたしの顔を見て

黒いスティックを口に入れてくれる

わたしのアパートは入居するとき

禁煙て言われていて

巧人が入り浸るようになって

どこででも煙草を吸い出すから

怒ったんだ

咽はいがらっぽくなるし

変な咳をするようになって

ますますイライラしてたから

巧人いつの間にか

電子たばこ

高くてすぐなくなるって

言ってたっけ

チョコレート味だ～

わたしでも吸える

焦げた感じだけどチョコレートの風味がする

巧人だって気を遣ってるのよね

だからって訳じゃないけど

ピザトースト作ってあげるよ

ピザトースト

わたしも好きだから