「たぶん、恋愛小説家」_気持ち良すぎてやばいかもしれない
男の言うことなんて、全部鵜呑みにしたら馬鹿をみるに決まってる
「やばいかもしんない。気持ち良すぎて」
こういうセリフにも気をつけたほうがいい
たぶん、フリだから
早くイキたいんじゃなくて、イク気もやる気もない、誤魔化しの言葉だから
『恋は盲目、あなただけしか見えない』
これもちがうな、全然ちゃうちゃう
よっく見えちゃうわ、あんたの裏面なんか
透け透けやん
だからよけい腹立って泥沼、もつれてこじれて、修正不可能なくらい、復縁どころか嫌われることするんだ
でも考えてみたら
どうなるかわからなかったから自分から言わなかったとか
人の気持ちは変わるとか
聞いて違和感感じたことを思い出すと、ああ、やっぱそういうヤツだったんだなあ、と思い当たるわけ
「優しいと優柔不断は全っ然、ちがうんだから!優柔不断は残酷でズルくて、ことなかれ主義は実は野心家で計算も早いんだわ!」
時々あたしは巧人がそこにいてくれるのをいいことに、くだを巻く
残念なから¥85でかった『ワインリッヒのジントニックチョコレート』×2は、全然ジントニックの味しない
だいいちSINCE1895、ってなんかすごくない?
桁間違ってないだろうけど、あたしは前々世紀の味を堪能しているってことでしょ?
食べながら飲もうと思った『ほろ酔いのクリームソーダ』なんて、どんだけあたしティスト狂ってんだろう
酔えない
具合が悪くなることはあっても・・
気持ち良く酔って巧人、あんたに甘えて抱いてもらいたい
わかってる
そんな甘くて可愛い女にはなれないんだ
そろそろ身体も頭もデリケートな期間に突入しているんだろうな
女はこれがあるから、コントロール出来ないと人生も恋も仕事もなにもかも、棒に振るくらいのインパクト
ふぁーすと
せかんど
さーど
そんないんぱくりじゃ、足りるわけないじゃない
単体の女の執念は深いんだから
「巧人~あんただってそうよ~、気持ちいい気持ちいいって、あたしのことバカにしてんの?気持ちいいなら早くイキなさいよ!名器なら気持ちいいなら、3分でイケるだろっての!」
「だってあんた、感じてくんないんだもん・・」
後ろでしゅんとしてるんだろうな・・だってさ巧人
「あんたあの最中にずっと喋ってて、うっさいんだっつーの。気持ちいい?気持ちいい?ムードがないんだっつーの」
「気持ち良くしてあげたい・・」
そのワードよ、地雷踏んだな
お前たち男には百年あってもまだ早い、クズのセリフじゃー!
「どーしたの?なんかあったの~。昔のミステリアスなあんたじゃないじゃん。ベッドの中と外じゃ全然ちがう、ギャップが良かったのに・・今じゃ中も外もおんなじ・・」
巧人・・あたしにゃ背中に目ん玉がさ、ついてるんだよね
あんた、いま慌てて口両手で押さえたよね?
「おれのこと、どう思ってるの?そんなに元彼が良かったの?」
それを聞いたあたしは怒鳴るどころか、ふっと殺気を解いてしまった
どうしてあたしは本人に報復せずに、同じ男だからと付き合う男に復讐するのだろう
原罪を持って安全地帯に逃げ込んだ張本人を、どこまでも追いかけて血祭りにあげればいいだけじゃないの
巧人は全然悪くない
むしろあんたをこそ、大切に尽くして慈しんでやらねばならない
(でも尽くすと捨てられんのよ)
まあそれは置いといて、最近思うわけよ
昔はさ、貧乏でも三流の大学だろうが行けば、会社に入って上役の娘なんかと結婚出来て、出世街道ってやつよ
今だってバイトでもさ、大卒だからすぐリーダーになれちゃって、つまらないとか言われちゃうのよ
あたしの目の前でよ?
このあたしより仕事出来なくても、トロくても言い訳がましくても、大卒で箱入り娘にはなにも言わないのよ
あたしには出来ない、あんなふうに人の技だかフリを模写したみたいにコピーして、生き残ってく手練手管なんか全然無理よ
年頃の若者の楽しいこと全部やり尽くして、満足出来たんだか知らんけど、あとは社会や地元でひっそり(?)健気に懸命に働いて、結婚してまた働いて・・
なんかよくわかんないけど、やっぱ学歴ってことじゃん?そればっかじゃないけど、性格悪くても仕事出来なくても、いつか自動的に出世はさせてもらえるっていうの?
小説家だってさ、絵描きだってさ
一部にはメッセンジャーなんて呼ばれて、スピリチュアルな世界とこの世のかけ橋とかなんたら、言われちゃってる凄い人たちもいるんだけどさ
あたしは全っ然、そのどっちにも当てはまらないし、入れてもらえないし、やっぱりうらやましい
そんで自分が馬鹿だから悪いんだろうなとか、わかっている分、意固地っていうかますます空回りっていうか
まあ、人間いつ死ぬかわからないから、悩んだところで、人に良く思われよう良く見せようなんて見え見えだし、わざとらしく思われるだけだし
そんなら誤解も炎上も承知で、自分が気持ち良くなれること
ぞくぞくして、かいた汗にドキドキ震えて、血が巡って綺麗な血に入れ替わったみたいに、この世のすべてが楽しくなるの
なかったわけじゃないのに、そんな成功体験なんてあたしには思い出せない
人生やり直すには、若ければ若いほどいい
あたしは今、その言葉を嫌というほど思い知らされている
あたしのやりたいことって?
気持ちのいいことって?
やっぱりお金と時間と自由がなきゃ
なんにも出来ない、見つけられない気がする
生きてる
働いてる
認められてる
愛されてる
大事にされてる
全然ないや
倫理的には人間の命は平等で尊いとか言うけど、実際はそんなんじゃないなあ
市場価値
たぶん、これ
その人の背景には要素がたくさん表示されていて、人間のランクって決められちゃってるんだろうな
あたしは間違いなく底辺の部類だけどさ
自分の値段?と言うか1ヶ月このくらいの稼げるはずの価値って金額がある
だいたい77万から90万くらいだと思ってる
全然、現実はちがうけどね
訓練しだいか、意識の持ちようか、時間配分、得意を伸ばす仕事につけるか、周囲の理解と協力かは知らないけど、人間て安くていいわけないと思う
毎日の理想の生活ってなに?
睡眠6時間以下は糖尿とか病気のもと
でも8時間労働って基準だし常識
9時‐17時、20時‐29時だとしても、1時間休憩とか言いなから誰も1時間なんか休まない
5分前10分前行動なんて、暗黙ルールだしさ
「いいものたくさん持ってるよ」
そんなのわかってるよ
持っていたってちっとも役になんか立たない
市場価値市場じゃ、あたしの持ってるいいものなんて、需要ないのでね
ボロボロになってまで働いて来て
家に帰ったら帰ったでやること山積み
書こうと思ったって、気がつけば愚作ばっかり
人間は自分に都合よく、脳内で何でも解釈変えたり修正するって聞くけど
人を騙したり自分を騙したり、誤魔化したり、演技したり、誰もがやっていることなら、いっそもう開き直ればあたし?って思うの
これ以上人といても良くなることなんてないんだろうな、って思うもんな
義務である以上働くし、飽きてまた働くにことに変わりはないけれど
演歌は演じる、とか怨歌とか言うって聞いたな
中にはそうじゃない人もいるけど、演歌の中で歌って演じたまま不幸な人生を送っちゃうって
あたし、いい加減自分をつくるのも飽きてきたなー
かといって、誰も本当のあたしを知らないし、まだピエロでいるべきのような気もするし
ああ、それにしても巧人のやつ!
あんたはなんでそんなにしつっこいんだろう
あたしはあんたの女のつもりだけど、牛のおっぱいでもママでもないんだからね
時々なら頭なでてやりたくなるけど
巧人でいいんだけど、男なんてもう懲り懲りなんだよね
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