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トランジッション・ノート術で「ノートの書き方」を実験する

下の記事で「トランジッション・ノート術」というノートの使い方を紹介しました。

このノート術のポイントは、ノートの書き方を特定のフォーマットに固定しない点です。あるページでAのことを書いたとしても、次のページでBのことを構わない。そういう開き直りがこのノート術の中心に居座っています。

そうすると、AにはAにあった書き方があり、BにはBにあった書き方があるわけですから、それぞれのページ(セクション)は全体として統一された書き方を持たず、むしろ多様性溢れるページ構成になります。

たとえば以下は「日記」のセクションですが、ある程度まとまった文章が主体であり、ページを分割して記入しています。

対して以下は「アイデアメモ」のページで、箇条書きを主体にして、行と行の間を空けるように書いています。空間が空いていた方が、後から何かを追記したい気分になりやすいからです。

一方、以下は、本を読んでいるときに遭遇した「気になるキーワード」を集めるページで、同じように箇条書きですが間を空けることをしていません。これらは後で調べてScrapboxなどに転記するのが役割だからです。

よさそうなフレーズを書き留める「引用集」のページでは、箇条書きにせず、いかにも引用っぽく記述しています。

日々の読書日記ではなく、読んだ小説作品などの記録のページでは、ページを上下に分割するのではなく、固まりごとに続けて記述するようにしています。
(アナログのノートだと、映画の半券などもそのまま貼れるが魅力的なのは言うまでもありません)

こんな感じで、トランジッション・ノート術はさまざまな対象について好き勝手にノートしていけますし、それと共にその対象に合わせた書き方も選択できます。

あるいは、「選択」というより「制作」とか「生成」と呼ぶほうがいいのかもしれません。どういう形がよいのかなと考えて、自分なりにつくっていけるのです。

この点において、トランジッション・ノート術は他のノート術と少し異なった性質を持ちます。他のノート術は「このように書きなさい」という制約を課してくるものですが、トランジッション・ノート術は「あなたはどのように書きたいですか」という思索を促すものなのです。

「ノートの書き方」に絶対的な正解はありません。しかし、記述する対象やその目的において適切な書き方というのはやっぱりあります。そういう書き方をしたいものですが、とは言えどういう書き方が(自分にとって)適切なのかは実際に書いてみないとわからないところがあります。

だから、とりあえず書いてみる。試しにセクションを作ってみる。そういう「実験」がやりやすいところが、トランジッション・ノート術の魅力かもしれません。

▼ノートの使い方・考え方を紹介した拙著


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