飽きっぽい人のための「トランジッション・ノート術」
筆者が最近実践しているノートの使い方を紹介します。
ノートの使い方がなかなか定まらず、いろいろ目移りしてしまう人にぴったりのノート術です。
トランジッション・ノート術の基本
基本となるルールは以下の三つだけです。
(綴じ)ノートを先頭から使っていく
見開きの左右ページを1つのセクションとして扱う
通常セクションと特別セクションを混ぜて使う
先頭からいきなり書く
まずノートは、先頭のページから書き込んでいきます。よくある使い方として先頭の数ページを「目次用」として空けておく使い方がありますが、それをしないわけです。
目次ページを作っておくと利便性が上がるのですが、その代わり「きちんと書いていかないと」という気持ちも同時に高まります。飽きっぽい人間には、そういう気持ちが逆にモチベーションを下げかねないので、ノート全体のページ構成がどうなっているのかは気にしないようにするためにあえて目次ページを作らないアプローチです。
(作るのが面倒だからやっていないだけ、という噂もあります)
見開きを1セクションにする
ページは左右で一つのセクションとして扱います。でもって、ナンバリングはページ単位ではなく、セクション単位で振っていきます。
以下のサンプルをご覧ください。
左右のページで同じテーマを扱っているので、ページ単位でナンバリングする必要がありません。見開き(セクション)ごとに番号を振れば十分です。
通常セクションと特別セクションを混ぜて使う
そのセクションは二つのタイプを設定します。
一つは、標準となる「通常セクション」です。これは日記的なものを書いていく場所です。たとえば、以下は私の読書日記における通常セクションです。
一日に一つの章を読む、ということを進めながら、その日の分の「読書日記」を書き留めていきます。
私の場合は「読書日記」ですが、別に何でも構いません。ようするに、ノートに書きたいと思っている対象で、日々のことを何か書き残すのが通常セクションです。
これは日記・日誌的なものなので、何かしら書くことがあるでしょう。忙しくて書けない日があるにせよ、出来事があるならば「書くこと自体」は存在しているはずです。それを書き留めていくのが通常セクションです。
通常セクションは、このノートの多くを占めることになるので、セクションのタイトルはわざわざ書きません。単にナンバーを振るだけでOKです。
特別セクション
特別セクションは、「通常セクション」以外のセクションすべてです。私の例で言えば、たとえば以下のようなセクションがあります。
アイデアメモ
気になっている本リスト
テーマの列挙
英文の勉強ノート
別にどんなセクションをつくっても構いません。「あっ、こういう使い方をしたら面白いかも」と思いついたものや、他の人の使い方で真似したいものがあれば、すぐにそのセクションを作りましょう。
どこに?
空いている最新ページにです。
それまでどんなページが書かれていたのかという「ノートの文脈」を一切無視して、新しく作りたくなったセクションを放り込むのです。で、そのセクションには内容を表すタイトルを書き込んでおきます。
そうすると、こんな感じにセクションが並びます。
ぜんぜん整頓されていません。「こんなんで大丈夫なのか」と心配に思われるでしょう。大丈夫です。ぜんぜん問題ありません。だって、飽き性ですから。
たとえば、「引用集」として作ったセクションも、二ヶ月くらいしたらすっかり飽きて記入しなくなります。そのときもし引用のための専用ノートを作っていたらどうなるでしょうか。きっと残念な気分がするはずですね。
でも、このノートの使い方ならばまったく問題ありません。他のセクションに紛れたただの一セクションだからです。飽きてしまっても「まあ、そういうものだよな」という感じで納得できます。で、そのときに興味のある別のセクションを作っていけばいいのです。
そんな感じでノートと自分の関心は移ろっていきます。トランジションです。
後から見つかる「続くもの」
そんな感じで特別セクションを、そのときどきの興味で作っていると、だいたいのセクションは「一回きりの登場」になるのですが、ごく稀に2個、3個と同じタイプのセクションが出てくることがあります。
もしそうした連続性が生まれるならば、セクションに振ったナンバリングを利用して、リンクをつないでおきましょう。たとえば「6.アイデアリスト」と「15.アイデアリスト」が生まれたならば、6のページに「→15」と書き入れ、15のページに「←6」と書けばOKです。これくらいの接続で問題なく使っていけます。
半年ほどそんな感じでノートを書き続けていて、特別セクションなのに何度も書き込むものが出てきたのならば、はじめてそのときに「専用ノート」を準備することを検討してみるとよいでしょう。
その段階では「実績」がきちんと生まれているので、そう気負うことなくノーティングを続けていけるはずです。
さいごに
一冊のノートを書き始めると、最初から最後まで同じテーマ、同じフォーマットで書き続けなければならない、という気持ちになるものですが、ページごとやセクションごとで切り替えたって何も問題はありません。
そういう自由さがノートというツールの一番の魅力だと個人的には思います。
▼ノートの使い方・考え方を紹介した拙著
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