自分から矢面に立つこと、あるいは美的な感覚とメディア​

※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。

文句があるんだったら、ミック・ジャガーに直接言え (MNML LIFE)
http://yskb2.com/2014/04/27/1473

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 だけど、本人に絶対に知られることのない安全な場所でその人の批判をするというのは、何というか、女々しいし、卑怯だ。
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上を記事を読んで、ふと思い出したことがあります。とある記事を読んだときのことです(ややこしいな)。

ブログ10周年、今から10年先に向けてブログを書くとはどういうことか? (みたいもん)
http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/blog10years.html

まがりなりにも10年間、私もブログ界の隅っこの方で更新を続けてきました。その実感として、上の記事には大変共感を覚えました。目の前にガッテンボタンがあれば、ひたすら連打していたでしょう。

でも、それだけじゃ足りないな、と同時に思いました。

いしたにさんは、上の記事でかなり突っ込んだことを書かれています。

「ただブログを書いていても、ブロガーにもなれないということなんです」「ただブログを書くだけということを3年続けるというのは不可能に近いです」「こんな数字を10年後の目安とかにするのはまちがってます」「作家になりたいからブログを書くというようなやり方は、もう間違ってます」

おそらくこうした「物言い」は反感を発生させてしまうでしょう。それぐらい、強さを持った言葉です。でも、私はがっちり共感しました。ほんとうに、この通りだと思います。

でも、共有しているだけでは、私に反感の火の粉はかかってきません。

私が、上の記事をいいね!したり、ツイートでURLを拡散させたとしても、あくまでそれは記事への言及であり、矢面に立つのはみたいもんであり、いしたにさんです。

もし、その言説がどうでもいいようなものなら、それでも構いません。

でも、自分にとってそれが大切なものなら、盾に隠れて野次を飛ばすのはあまりカッコイイことではないでしょう。

ここで重要視しているのは、美的な感覚であり、モラルやマナーではありません。こうせよ、ということではないのです。自分は何がカッコイイと思うのか、ダサイと感じるのか、という話です。

何かをパブリックに伝えるべきだと自分が強く感じるなら、やはり自分の言葉で__自分の文責で__語りたいところです。そうしないと、何かつじつまが合わないような、どこか気持ち悪いような感覚が湧いてきます。

もう一度しつこく書いておきますが、「こうせよ」という話ではなくて、あくまで自分の美的感覚によって生まれる行動規範の話をしています。私は、こう、というだけの話です。読んでいる人に、強要しているわけではありません。

とりあえず、私は私のスタイルで、私の感じていることを書こうと思いました。

スタートはこの記事です。

「ネットで成功したのは〈やめられなかった人たち〉である」 http://rashita.net/blog/?p=12416

この記事を出発点として、さまざまなパラフレーズを行いました。

「無名の有名人」、サードウェイ、脱主流ブログ
新しく、そして古い形式のBlogツール
R-style10周年
面倒さは、株価みたいもの
丁寧に書きさえすれば
ニッチなものが息できる場所
日本の居酒屋文化とブログ

どれも違ったことを書いているようですが、ぐるっと散策しながら、ある物事についてさまざまな視点で書いているだけです。何かしら共通するものがあるのです。

その「何か」を、2行ぐらいで要約できたらいいのですが、それができないからこそ、わざわざいくつものエントリーを書いています。簡単に書いちゃうと、歪んでしまうことがらなのです。急がば回れなのです。

ただ何か簡単に言えることがあるとすれば、PVやら年収の話だけでは、ブログについて何も語れていない、ということはありそうです。そういうのはおまけというか、副産物的なものでしかありません。社会と個人の関係、といった部分から語られてしかるべき事柄なのです。

ともあれ、こうしてパブリック空間に一個人の意見を提出できることって、想像を絶するぐらい大きな意味を持っています。ブログを書き続けていると、当たり前に感じますが、一昔前ではまったく無理だったでしょう。愚痴を言い続けるしかなかったわけです。

「矢面に立つ」って、あんまり良い語感を持っていませんが、そうせざるを得ないときってあります。もちろん、美的感覚によって生まれる行動規範での話です。

メディアの形が変化する中で、当然のように私たちとメディアの関係性も変わってくるでしょう。そういう節目にいるのだなあ、という気がしています。

※以降に文章はありません。「投げ銭」での応援を歓迎します。

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