第八回:デイリータスクリストで一日を始める
理想と現実の関係性を確認したところで、実際のデイリータスクリストの運用についてみていきましょう。大きく三つの段階があります。
・リストを始める
・リストを使う
・リストを終える
リストを始める
前日の夜、ないしは当日の朝に、リストを作り始めます。
この際、新しいページ(項目)からスタートするのがポイントです。ゆめゆめ前日のリストを使い回すのはやめておきましょう。この点は「リストを終える」で詳しく紹介しますので、心に留めておいてください。
とりあえず、その新しいページに、自分がその日やろうと思うことを書き込んでいきます。その日の(デイリーな)、やること(タスク)を、一列に並べていく(リスト)のです。
実際は、カレンダーの参照から始めることになるでしょう。カレンダーには、「前日以前の自分が約束した、その日にやること」が書かれているからです。「昨日の自分と今日の自分はまったく別の存在であり、昨日の自分が約束したことなど、今日の自分にとってはまったく関係ありません」と強く主張するのでない限り、他者との約束は優先しなければいけません(社会的信用がまったく必要ないなら話は別ですが)。
また、不思議なことに、カレンダーに書かれた「やること」は、自然とその日の自分にとっても「やること」だと思えることが多いものです。人間が社会的な存在であり、他者との関係性維持を重要視している証左なのかもしれません。
ともかく、カレンダーにあるスケジュールを、その日のリストに書き込みます。
あとの進め方は、いくつかあります。そのうちの一つが、「その日は、どんな日にしたいのか」を一行で書き出すことです。アナログならその日の日付の横にでも、アウトライナーなら項目のNote要素にでも書いておけばよいでしょう。
そうして一日のイメージを書き出せば、他にもやるべきこと、やりたいことがいろいろ発掘されるかもしれません。継続的に進めているプロジェクトがあるならば、その情報を参照して、リストを完成させてもよいでしょう。
あるいは、一通りやることを列挙した後で、「その日は、どんな日にしたいのか」をイメージする手もあります。どちらを先にした方がフィットするのかは個人差があるでしょうし、同じ人によっても日によって異なるかもしれません。
ともかく、このリストに並べるのは、「その日」やることだけです。気持ち的にはいろいろな「やること」を並べたくなりますが、リストに並べたからといって、それが実行可能になるわけではありません。神様が出てきて、「ふむ、おぬしはなかなかやる気があるな。一日を27時間にしてやろう」とは言ってくれないわけです。
なので、極力その日に実行しなくてもいいことは、リストには書かないようにします。そうしたらリストの項目が一個だけになりました、というならば増やすのは構いませんが、実際はそうやって制限したところで、かなりの数の「やること」が並ぶことでしょう。
そのリストを相棒にして、一日の作業を始めることになります。
(つづく)
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