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カードで広げ、マップでまとめる
短めの原稿を書く機会がありました。
基本的に、原稿は短いほど難しいです。正確に言えば、自分の言いたいことを端的にまとめるのが難しいです。文章は連想的に広がっていくので、一文書けば書きたいことはあれやこれやと出てきます。その意味で、ボリュームを出す(かさを生む)のはたいした苦労ではありません。
逆に言えば、そうやって膨らんでしまうから、ごく短くまとめるのが難しくなるのです。
そういうときは、一度カードで広げきってしまうのが吉。
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できるだけ短く、わかりやすいフレーズでカードに書きつけて、書きたいことを展開させていきます。頭の中身をバラバラにして外に出す。
そうして書き出したら似ているものは近づけておき、話の流れ的にこれの次はこれでしょ、みたいなものも横においておきます。少しずつ流れを整える感じ。
こうやってカードでバラバラにしておくと、部分(部品)として考えることができ、小さな判断の積み重ねで大きなものを作っていけます。
ただし、こうやってカードに広げているだけでは「文章」という形に直接まとめるのは難しいので、並べたカードを見ながら一枚の紙にまとめ直します。
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この際のポイントは、
文章の流れや関係性を図示しておくこと
絶対に1枚にまとめること
の二つです。
前者は文章を書く際の「地図」として機能するように流れをわかりやすく明示する必要があり、後者はそもそも一枚にまとめられないなら、内容がまとまっているとは言えないからです。
このカード→マップという形でまとめると、頭の中で何を書くべきで何を書くべきでないかということの見きわめがつき、文章を書くときに不要な悩みに煩わされることがかなり減ります。
もちろん、このマップがあればスラスラ書けるということはなく、書きながら修正していくことになるので、アウトライナーのようなデジタルツールを使うことになるのですが、個人的にはそうしたデジタルツールを使う前に、一度こうして「手を動かしておく」ことは有用だと感じています。
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