アルバムちっくな本作り
新刊『Category Allegory』が発売になったわけですが、私が告知するよりも前に発見して、すでに読了してくださった方から感想を頂いております。
その中で、ふむ、と思ったのが以下。
Category Allegory。通し読みが終わった後で、書き下ろし作だけを読むと、他の作品よりも、明らかにSF度・ブラックジョーク度が高い。書き下ろし『だからこそ』日の目を見た作品、なのかな?
— いっき (@ikkiTime) 2014, 6月 26
お読みでない方は、なんのこっちゃ?という感じでしょうが、書いた私からしてみても、たしかに書き下ろしの二作は、他の収録作とは色合いが違います。ざっくり言えば、星新一さん的な感じ(力量は別として)の作品です。
『Category Allegory』はR-styleに掲載した作品集なのですが、じゃあ、書き下ろしの二作をR-styleにアップするかというと、やっぱりしないわけです。R-styleの記事としては、何かしら物足りない。
でも、それがショートショート作品集というフレームの中にならば、収めることができる。そういう感覚はあります。
ようするに、ミュージシャンのアルバムみたいなものですね。シングルカットにはそぐわないが、ちょっとチャレンジしたみたい作品。そういうのを収めるのに、作品集というのは向いている気がします。
ブログという媒体で書いている場合、どうしても「一記事」に意識が向きます。そこでは複数の記事にわたる「強弱」の感覚はあまり生まれないのです。でも、作品集であれば、強弱や長短で、アクセントを生み出すことができるように感じます。
もちろん、アルバム作りだってベストアルバムみたいに、全てイチオシ!な感じで作ることもできるわけですが、そうではない作り方もあるかと思います。
ちなみに、解説するのも野暮ですが書き下ろしの「イイトコロメガネ」は、「イイトコメガネ」からインスピレーションを受けました。あれを、ブラックな方向にねじってあります。
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