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IDEA式Workflowyの運用スタイル

Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 2024/07/01 第716号


はじめに

AmazonのPrimeセールで拙著『ライフハックの道具箱2023』がセール対象になっております。

◇Amazon.co.jp: ライフハックの道具箱2023 eBook : 倉下忠憲, PADAone, ゆうびんや, こなゆき, Tak., Go Fujita, タカヒロト, 大橋悦夫: Kindleストア

ご興味あれば、チェックしてみてください。

ちなみに、今回のPrimeセールは早川書房のラインナップがすごいので、SF好きの方はいろいろ確認されるとよいかと思います。以下の記事などもどうぞ。

◇"【Prime Day】 最大80%OFF Kindle本(電子書籍) セール"を漁る|倉下忠憲

〜〜〜一人+α語り〜〜〜

倉下はポッドキャストを配信しています。ただし、常に二人以上の会話の体裁をとっています。言い換えれば、一人語りではありません。

世の中には一人で配信されている方がたくさんいて、そういうのをみる(聴く)と本当にすごいなぁと思います。自分なら3分くらいで話すことがなくなりそう。

というところで、ふと思いついきました。

昨今は生成AIがものすごく高度になっているので、人間が音声で入力した質問に生成AIが音声で返してくれる、みたいな仕組みを作ることもできるでしょう。であれば、人間と生成AIがやりとりする形で、ひとりなのに一人語りじゃない、という新しいタイプのポッドキャストがつくれるかもしれません。

ただし問題は、はたしてそれが聴いていて面白いのかどうかですね。特に10回とか20回とか続けていったときに、マンネリになりそうな予感がプンプンしております。

〜〜〜100の料理、100のレシピ〜〜〜

以下の動画を観ました。

◇「新じゃがのそぼろ煮」|菊乃井 村田 吉弘|【15年連続ミシュラン三ツ星】【野菜料理】【日本料理】【家庭料理】 | YouTube

レシピの応用についての考え方が参考になります。端的に言えば以下。

「100作るのに100のレシピ、1000作るのに1000のレシピがあるのは困る」

たとえば、あるレシピを一つ覚える。そのとき、使っている野菜を替えてみると別の料理(レシピ)になる。今度は肉を替えると、やっぱり別の料理になる。さらに味噌を加えると、さらに別の料理になる……。

そんな風に一つのレシピを軸にすることで、料理のバリエーションは大きく広がっていきます。細かい違いのレシピを「暗記」する必要はぜんぜんありません。

いわゆる「暗記型学習」は、そうしたバリエーションを創意工夫することなく、力技ですべてのレシピを覚えようとする態度に問題がありそうです。

実際日本料理は、調味料の割合さえ把握してしまえば、だいたいどんなものでも「日本料理風」にすることができます。そういうアレンジが可能な点が、人間の知性の偉大さでもあるでしょう。

同じことは、仕事の技術・知的生産の技術においても言えます。1000のノウハウを覚えるのではなく、1000のバリエーションをつくれるようになること。これもまた一つのメタ・ノウハウかもしれません。

皆さんはいかがでしょうか。自分が覚えたことを実践において工夫し、アレンジを加えられているでしょうか。よろしければそのアレンジについて倉下までお聞かせください。

では、メルマガ本編をスタートしましょう。今回は「最近の倉下のWorkflowyの使い方」についてまるまる一号使ってお送りします。

IDEA式Workflowyの運用スタイル

新しいWorkflowyの運用スタイルが固まってきたので、今回はその運用方法を紹介してみます。

ただし、ごく普通にやるとスクリーンショットだらけになってしまうので、動画とセットでお送りします。細かい画面などは、以下の動画からご確認ください。

WorkflowyにおけるIDEAシステムの紹介
https://youtu.be/s7c1I7Q-JvA

■基本の四要素

IDEA式では、以下の四項目を基本要素とします。

・In(spiration)Box
・Do Working
・Enformation
・Archive

「In(spiration)Box」は、いわゆる受信箱であり、着想を収める箱でもあります。役割は「考える」こと。

「Do Working」は、タスクやプロジェクトの情報を集める箱です。役割は「仕事を進める」こと。

「Enformation」は、情報一般を集める箱であり、さらに言えば「自分に関する情報」を扱っています。その語感を表すために、情報を意味する「information」を改変して、接頭辞にenを持ってきました。役割は「情報を集める」こと。

最後の「Archive」は、保管庫です。捨てるには忍びないが、普段目にしたいわけではないものを入れておきます。役割は「保存しておく」こと。

この四つを大項目にして、日常の取り回しを行います。

■工夫1:説明を書いておく

四つの基本要素の項目は、実際は以下のようになっています。

・In(spiration)Box(考える)
・Do Working(仕事を進める)
・Enformation(情報を集める)
・Archive(保存しておく)

これまでは、(格好よく)英単語だけの項目を最上位に置くことが多かったのですが、最近はその項目の説明を付与するようにしています。その項目の役割がなんであるかを見失わないためにです。

「いやいや、そんなこと忘れないでしょ」と思われるかもしれませんが、時間が経つうちに曖昧になっていくは珍しいことではありません。そういうとき、ちょっとでもメモが添えてあるとずいぶん違います。

実際、自分が書いたプログラミングコードでも、その先頭に「このコードはこういう目的のために書かれている。具体的な使い方は以下のようにする」というコメントが2〜3行でも書いてあるだけで、いちいち全体を読み通してコーダーの意図(ようするに過去の自分の意図)を推測する必要が激減します。

細かく変動する項目すべてに上記のような説明を入れる必要はないでしょうが、ある程度の期間使い続けるならば、何かしらの形でコメントを添えておくのは有用でしょう。

私は項目名に直接書きましたが、note要素などに書いてみるのもよいかと思います。

■In(spiration)Box

では、それぞれの大項目について見ていきましょう。

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