ビジネス書・実用書の展望その2 / オーソドックスなアウトライン構造へ / メモ論、はじめます
はじめに
Twitterの対抗馬と目されているBlueskyが、ついに招待不要となりました。
◇招待不要に SNS「Bluesky」とは - Yahoo!ニュース
SMSでの認証が必要なため、電話番号を持っている必要がありますが、それ以外の縛りはありません。これまでよりもずっと気軽に参加できます。私をフォローしてくださる人も、この日以降けっこう増えました。
SNSというのは、独りぼっちでは楽しさがぜんぜんないわけで、参加する人が増えると嬉しい(ネットワーク効果と呼ばれます)わけですから、招待不要となるのは好ましいことですが、当然のように人が増えたら増えたで面倒が起こることは十分に考えられます。
特に、黎明期のTwitterと震災後のTwitterの比較から考えても、「どのような人たちだ、どんな動機で参加するのか」という点を抜きにして、参加者の増大を喜ぶことはできません。
とは言え、現状はBluesky一強ということはなく、MetaのThreadsやMastodonの各種サーバーなど候補がたくさんあって、参加者が「分散」しているということは言えるでしょう。その傾向が、SNSの雰囲気にどのような違いを与えるのか。今から楽しみです。
ちなみに、Blueskyの倉下のアカウントは以下です。
https://bsky.app/profile/rashita.bsky.social
よろしければフォローしてみてください。
〜〜〜
先週の週半ばから、微妙に体調不良です。心身ともに「低調」という感じ。
メチャクチャ悪くてどうしようもない、という感じではないのですが、十全とは言いがたい状況で、進捗も思うように生まれません。
こういうところで「頑張る」のは悪手だと経験から学んできたので、今週のメルマガは少し短めでお送りします。もしかしたら、来週も似た感じになるかもしれません。
皆さんも、ご自愛下さいませ。
では、メルマガの本編を始めましょう。今回は、ビジネス書・実用書の展望の続き、「メモ論」の告知、Workflowyの使い方の変化をお送りします。
○「ビジネス書・実用書の展望その2」
前回は、ビジネス・実用書に強力なライバルが登場している、という点を確認しました。合わせて、カリスマ的存在が大きな注目を集めることも起こりにくくなっている状況も確認しました。
ここで、「ビジネス・実用書はオワコン」と言ってしまえば楽なわけですが、少しだけ踏ん張って「そんな中でできることは何か」を考えてみるのも悪くないでしょう。
そこでどういう道行きがありうるのかを、正統的なものと、潮流に合わせるものとで検討してみます。
■正統的なもの
まっとうに考えるならば、強力なライバルたちが持っていないものを追求する、という道行きがあるでしょう。全体的な支配者になるのではなく、自分たちが生存できるニッチを獲得する。そういうアプローチです。
では、他のメディアが持っていなくて、ビジネス・実用書が持っているものは何かと言えば、「全体をパッケージして文章で伝える」という特性です。ばらばらの断片ではなく、ある程度の固まりの情報を「はい、どうぞ」とセットで手渡せるということです。
Web記事やYouTubeの動画を見れば明らかですが、それらは手軽に個別の情報にアクセスできる反面、より大きな全体像は軽いものになります。物事を順序立てて並べたり、それぞれの項目の関係を位置づけたりはできません。基本的にはバラバラでの提供で、受け手の中に全体像が立ち上がりにくい欠点があります。
書籍の場合は、話が違います。一つの情報群をパッケージできるのです。
ここには二つの特徴があります。一つは、「ここからここまでが全体です」という全体を構成する要素を列挙できること。もう一つは「これ以外は(当面は)気にしなくてもいいですよ」という有限化を行えることです。
前者の特徴はわかりやすいですが、後者も存外に重要です。特にWebを検索していると次から次に情報が見つかるので、「いったいどこまで追いかけていいのやら」という気持ちに陥りがちですが、書籍の場合は「とりあえず、この本を一冊読めばいい」という区切りがつけられます。これは存外に大きな心理的効果を持つでしょう。
言い換えれば、書籍という形で情報をパッケージするということは、必要なものをそこにまとめ、必要でないものはそこに含めない、という判断を働かせることだと言えます。そうした判断が欠如するならば、このメディアの良さをうまく活かし切れていないとすら言えるかもしれません。
もう一点、それに関係したことですが、情報がパッケージされるおかげで「知らない情報」にアクセスできるようになります。どういうことでしょうか。
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