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2020年の振り返り/2020年の大きな三つの変化/楽に書くための執筆法

Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 2020/12/28 第533号

○「はじめに」

さっそくですが、以下の番組に参加しております。

年末年始の耳が空いている時間にでもよければお聴きください。ただし、どれも長いので要注意です。

〜〜〜ニキタノ〜〜〜

ゆうびんやさんと大橋悦夫さんによる新刊が発売されております。

なんとなく見たことのある表紙のデザインですね。たぶん同じデザイナーの方に依頼されたのでしょう。内容も、ポッドキャストの対談を書き起こしたものということで共通点があります。

なんであれ、「二人で話をすること」「ポッドキャストの内容を本にすること」が少しずつ広まってきています。とても良いことだと思います。

〜〜〜クリスマスストーリー〜〜〜

毎年おなじみのクリスマス・ショートストーリーを書きました。

なんとなく今年っぽいお話になったかなと思います。

〜〜〜#mybooks2020〜〜〜

すっかり紹介を忘れておりましたが、今年も「びっくら本」を募集しています。

ツイッターのハッシュタグは以下から確認できます。

◇#mybooks2020 - Twitter検索 / Twitter
https://twitter.com/hashtag/mybooks2020

私も今年中には記事をあげる予定ですのでお楽しみに。それにしても、今年は例年に比べて本が読めない一年でした。それでもまあ、十冊に絞り込むのは相当難しそうですが。

〜〜〜Q〜〜〜

さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので頭のウォーミングアップ代わりにでも考えてみてください。

Q.今年はどんな一年でしたでしょうか?

では、メルマガ本編をはじめましょう。今回は、私の今年の振り返りについての特集号です。

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○「2020年の振り返り」

今年を振り返ってみます。

これまでとは違った一年でしたし、たぶんその変化は今後も続いていくでしょうから、振り返りのやり方そのものもゼロベースから検討し直してみます。

まず、一年全体を振り返って言えることは、「休息と再始動」の一年でした。そして「節目と変化」の一年でもあります。

去年の8月頃から少しずつ体調が悪くなり、10月から翌年(今年ですね)の1月くらいは心身ともに絶不調に陥ったことで、さまざまな活動が休止に追い込まれました。あれほど長く続けていたブログの毎日更新も止めにして、書籍の執筆もすべて中断し、なんとかこのメルマガだけを続けてきた次第です。

今だから言えますが、そのときは本気でつらさがひどいものでした。朝起きて、夜寝るまでがこんなに苦痛で満ちることがありうるなんて、想像もしなかったことです。

机に座って長時間文章を書くことなど望むべくもなかったので、半ば本気でこの仕事をやめようかとも考えていました。頭を使わない、つまり神経を張りつめることなく、ストレスにさらされない仕事だったらなんとかできるだろうと思ったのです(それはそれで体を使って仕事をしている人に失礼な話ですが、思考力が弱っていたので勘弁してください)。

ともかく、「何もしていない」ことが苦痛でした。体調の悪さもさることながら、自分が何も、つまり妻にも家計にも社会にも貢献できていない感じが強かったのです。そして、その状態がどのくらい続くかはまったくわかりませんでした。心の問題など誰にもわからない。そんな風に考え、「今の自分にできること」を必死に探そうとしていたのです。

今となっては笑い話です。複雑骨折している人間が、少しでも早く走れるトレーニングを模索しているようなものでしょう。根本的な認識が間違っています。まず、休むこと。それが必要でした。

結局そう思えたのも、今年の二月から心療内科に通うようになってからです。自分の状況を長々と話したあと、ドクターから「hogehogeの症状が出ていますね。とりあえず今飲んでいる抗不安薬はやめてもらって、これらの薬を試してみましょう」と言ってもらえたとき、ああこれはそういう「病気」なのだと思いました。私に特別な何かなのではなく、ごく一般的な症状なのだと。

それを悟った瞬間は、私が(自分自身に特別なものとして)抱えていたあらゆる厄災を手放せた瞬間でもあります。馬鹿馬鹿しい話に聞こえるかもしれませんが、当時の私はその「問題」をものすごく重要な、クリティカルな問題だと考えていました。しかし、お医者さんから見たら、特に慌てふためくようなことはない一症状だったのです。

むろん、慌てふためくような症状であってもお医者さんは慌てふためくようなことはしないでしょうが、つまりそれがお医者さんの「効能」の一つであるわけです。

その瞬間、私は自分自身についてあれこれ「対策」を考えるのはやめて、お医者さんに判断を一切合切任せることにしました。言い換えれば、自分の「問題」を自分で抱えることはやめて、お医者さんに丸投げしたのです。そして、結局のところ、その「自分の問題を自分で抱える」という構造が、自分に恒常的なストレスを与えていたのでしょう。むしろ、その再帰的な構造が、ナチュラルな人間の回復能力を阻害していたのではないかとすら思います。

結局、その2月以降、急速に体調は回復していきました。もちろん、毎日飲んでいるSNRIのおかげもあるでしょう(このせいで私は一年以上禁酒生活を続けています)。しかし、個人的な感触では、最初に心療内科の診察が終わり、その扉から出た瞬間から、私の心は軽くなっていました。本当にそれくらいのことで何かが変わるなんて信じられないのですが、実際にそうなのです。その事実も、大きな原因が先ほどの再帰構造によって生まれていたのならば納得できます。再帰の構造を解体したら、それは急速に弱まっていくのです。

あとは、そう。自然な人間の回復を待てばいいだけです。

そうやって、2020年の12月までやってきました。今ではこうしてウキウキとキーボードを叩けるようになっています。隣にホットコーヒーがあれば、これ以上ない至福の時間です。

若干、重めの話になってしまったかもしれませんが、今年の振り返りについてはまずこの点を抑えておかないとピントがばやけてしまうので、まずはこの話から始めました。

次は、大きな三つの変化の話に移りましょう。

(以下に続きます)

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