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ノートで記号を踊らせる

手書きノートだと、文字以外にもいろいろな要素が記入できるわけですが、もっともポピュラーなのが記号でしょう。

こんな感じで要素同士の関係を言葉を使わずに表現できます。これは単に
「書く文字が少なくて済む」という省力的なメリットだけでなく、「読まなくてもわかる」というメリットがあるのが特徴です。見ただけでわかる。

そういう記号の特性を使っていくのがノーティングにおけるコツなわけですが、少しシステムめいた使い方もあります。今回は二つの素晴らしい記号の使い方を紹介してみます。

Plus Minus Next journaling

「プラス・マイナス・ネクストジャーナリング」は名前の通り三つの記号を使うノーティングのスタイルです。

ジャーナリング、あるいはブレインダンプと呼ばれる考えていることの吐き出しにおいて効果を発揮する記法なのですが、やり方はごく簡単です。

+:うまくいったこと
-:うまくいかなかったこと
→:次の行動

このような分類をするわけですね。記事では三つのマスを使ってそれを分類しています。

面白いのはこの手法のアレンジです。

上の記事で紹介されているのはマスで分類するのではなく、箇条書きで書き出していくスタイルで、そこでは最初はすべて「-」で書くとされています。すべて「-」として書き出した後に、それらを読み返して、「うん、これはよかったことだ」などと判断していく。プロセスの分離が図られています。

「じゃあ、記号はどうなるの?」と思われたかもしれません。こうなります。

つまり、最初にまず「-」を書いておき、読み返した後で「よかったこと」だと思ったら、縦線を加えて「+」に変化させ、「次の行動」だと思ったら上下の傘を加えて「→」に変化させる。「よくなかったこと」ならば放置しておけば、そのまま「-」になる。こういう寸法です。

どうですか。僕はこういうトリックめいたことが大好きです。

また、頭の中にあるものを書き出すときはいちいち判断を加えたくないので、すべて「-」で書き出していき、その後読み返しながら記号を変化させていくというプロセスも合理的だと思います。

なんにせよ、一つの横棒から、合計三つの記号に変化させられるというのは、手書きならではの面白さです。

Dash/Plus System

上記のコンセプトを、タスク管理方面に発展させたのが「Dash/Plus」と呼ばれるシステムです。

使われる記号を見てもらえば、すぐに理解されるでしょう。

これからやることは「-」を行頭につけて書きます。基本的に、こうしたリストに書かれることはすべてこの記号からスタートします。

で、やりおえたら、縦線を入れて「+」に書き換え、終了扱いにします。もち待ちが発生したなら上下の傘を右向きに加えて「→」に、誰かに任せたら左向きに加えて「←」にします。

項目が覚え置きたい数値やデータを含むものなら、線の左右から中央に線を引いて三角形にします。もし、状況が変わって別の場所に書き写されるといった処理が行われたら○で囲みます。

ようするに、タスクのステータスに合わせて記号を書き換えていくやり方で、こちらも起点はすべて「-」になっています。

記号は記号

二つのシステムを見ていて面白いのは、同じ記号であっても担っている役割が異なることです。Plus Minus Next journalingでは、「→」は次にやることですが、Dash/Plus Systemでは、「→」は待機中のやることです。

ようは、そのシステムの中で記号はさまざまな役割を設定できるわけです。

ということは。

これをお読みのあなたも、自分なりのシステムを立ち上げることができ、その際には既存の記号に任意の役割を割り当てることができることを意味します。

独自のシステムを作るときに、独自の記号を作る必要はありません。既存の記号を、自分なりに使えばいいのです。

まさにそのような使われ方が、「記号」ということの意味でもあります。

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