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「生きのびるための岩波新書」を読む:序文にかえて

愉しむことについて研究を進めていきたい。そのために本を読む。まずは「生きのびるための岩波新書」を手に取る。

人は、何かについて考え悩むとき、本を手にします。そして、新書はもっとも手に取りやすい書籍です。だからこそ、「本を読むこと」を通して、読者の皆様とともにこのきびしい現実を生き抜いていきたい。そんな思いから、「人生の道しるべ」となる名著を厳選しました。

上記のフェアで手に取ったのが以下の四冊。

『哲学の使い方』(鷲田清一)
『「分かち合い」の経済学』(神野直彦)
『異端の時代』(森本あんり)
『ポスト資本主義』(広井良典)

以前から本棚に並んでいるのが以下の四冊。

『社会学入門』(見田宗介)
『希望のつくり方』(玄田有史)
『ことばと思考』(今井むつみ)
『日本の思想』(丸山真男)

それぞれを「世界を愉しむこと」についてのフレームで読み取っていきたい。お題を決めて読む(題読)。あるいは『本を読む本』におけるシントピカル読書が近いだろうか。

なんにせよ急いで読み進めることはしない。そういうことをしなくて良いのが本の本たるゆえんだからである。そして未曾有の事態こそ急ぐのではなく、ゆっくり根っこを張って考えていくことが必要であろう。だからこそ、私たちは「何かについて考え悩むとき」に本を手に取るのだ。性急な答えを手にする変わりに、自分の手足で考えていくために。

続けていくうちに、新しい新書を買い込むこともあるかもしれない。その場合は、このページも改定していこうと思う。

順番はわからない。他の本に手を出すこともある。それでもまったく文句を言わないのが本の良いところである。気まぐれな人間の、気持ちよきパートナー。そのような存在と道行きを共にできるのは素晴らしい経験である。間違いなく、世界を愉しむための一つの方法だろう。


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