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.一年の振り返りもノートからはじまる

一年を振り返りたいとき、特に漠然とした気持ちで振り返りたいときはやっぱりノートである。

B5くらいのノートを開き、お気に入りのボールペン(極細)を添える。準備は万端だ。

まずは、左上に日付を書き入れ、漠然としたタイトルを書き込む。

大ざっぱなことを書こうとしているのだから、タイトルも大ざっぱにつければいい。そして、その大ざっぱなタイトルから連想されることを書き出す。必要なのは、主要なテーマだろう。何について振り返りを行いたいのか。年末の時点で、自分の頭の中に思い浮かぶものの「代表」を書き込んでみる。

と、三つ書き出したときに思い出した。そういえば、年末に今年の「キャッチコピー」を考えていたのだった。

年始にこういうのが作ってあると、これを主題にして振り返りを行いたくなるが、そこはぎゅっとブレーキである。なぜなら、こうして決めたこと以外も一年を通しては行っているはずで、もしかしたらそちらの方が割合は大きいかもしれないからだ。それを無視して、あらかじめ決めたことに沿ってだけ振り返るのは、いかにも不十分であろう。

でも、決めたことは大切なので、とりあえずそれも書いておく。

よし、できた。ここから振り返りをはじめよう。活躍するのは「やじるし」である。

書いたことから思いついたことがあるなら、やじるしを伸ばしてそれを記入する。場所はどこでもいい。というか自分が「ここかな」と思う場所ならどこでもいい。お行儀よく上から下に順番に各必要はない。「やじるし」という記号は、そのような順列の要請をあっさりと吹き飛ばしてしまう力がある。その力にまかせて、どんどんとノートを「展開」させていく。

よし、できた。これで「何について振り返るのか」に関する洗い出しは終わりだ。

そう。これは終わりではない。むしろはじまりなのだ。これに続いて、書き出された項目の一つひとつについて実際どうだったのかを振り返っていく。そのときは、文章の形で書くとよいだろうし、ということは手書きよりもキーボード入力や音声入力がよいかもしれない。その辺はケースバイケースとなる。

しかし、その手間の段階は、案外叙述に縛られない方がよいことも多い。まずざっくりと振り返り項目になりえる要素を書き出していく。詳細に立ち入らず、ある「高さ」を維持して書き出しを進める。そのときに有効なのは「連想」だ。何かについて書き出したら、関連して別の何かを思い出す。そのようにして「掘り起こして」いくことで、振り返ろうと思った時点では気にも留めていなかった対象を発見することができる。そして案外に、そうした要素が重要な鍵(あるいは歯車)になっていることも多いのだ。

だからそう。一年の振り返りもノートからはじまるのである。

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