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相模原市協働事業「森と学びとFeel度Walk」 

「小さな発見から面白がる相模原の森の探究」
Feel度Walkという手法をつかって、普段とは違うモノノミカタを面白がる
「ジェネレーター」の市川力(おっちゃん)&伊藤恵子(KT)と、自然の中を歩きます。

そんな、ふんわりとした呼びかけに、相模原市「つちざわの森」に55名の大人と子どもが集まり、2023年5月20日(土)に相模原市協同事業として「森と学びとFeel度Walk」が開催されました。
講師は、「ジェネレーター」の市川力さん(おっちゃん)&伊藤恵子さん(KT)のお二人です。

「Feel度Walkって何?」という方も多数。今から何が起こるのかが分からない状況の中で、会はスタートしました。

はじまりの会

講師の伊藤恵子さん(KT)から開始の挨拶があった後、講師の市川力さんこと「おっちゃん」から子ども達に向けてのお話が始まります。

「探」の字からイメージを膨らませる

今日やりたいこと、その1。「探」。
「探」がボードに書かれて、子ども達と一緒にその字が何を表しているのかを考えていきます。

「探」は、「深いと似ている!」「木という漢字がある!」。そんな風に連想を広げながら、「探」についてのイメージを膨らませます。木の中を泳ぐように、触りながら探す。

そして、今日やりたいこと、その2とその3。
「歩」、「なんとなく」。

止まってばかりで少ししか進まず、

なんとなく気になるものを集める。

今日はそんなことをやってみようという話に、すっかり子ども達は、うずうずと動き出したくて仕方がない様子になりました。

Feel度Walkスタート

そして、いよいよFeel度Walkスタート!
おっちゃんから、「さぁ、いきましょう」の声がかかると、子ども達は一斉に駆け出します。

その日は小雨が降ったり止んだりの天気。子ども達は水滴のついたクローバーを発見。四つ葉のクローバーを発見したの子も。なんとなく気になったものを次々に集めていきます。

赤い実を発見した子ども。その実を持っておずおずとおっちゃんに見せにきます。
「なんかあった。」
「これは、食えるのかな、食えないのかな」というおっちゃんの呟きを聞き、しばらく見つめて、ぱくっと食べる。

「うまい!」

その声がかけ声となって、子ども達が赤い実を次々に食べ始め、「うまい!」の連呼が。

赤い実を探す子ども達

子ども達が楽しそうにしているのを微笑ましく後ろから眺めていた大人たちも、一人また一人と一緒に赤い実を探し始めます。

ミミズを触ったり、細い竹を切ったり抜いたり。まさに、なんとなく気になった物を触って、時には食べながら発見をしながら、山に入ります。

民家があるエリアから一気に森へワープ

雨上がりの潤った空気を感じながら山道に入ると一気に森に包まれていきます。登っていくと、急に開けた場所が現れました。真新しいテラスと森が一体になった気持ちよい空間に心癒されます。

この広場を中心に周遊

ここが目的地。自由にしていい場所につくと、子ども達はさらに自分のペースでなんとなく気になる方向へと、散り散りになります。

竹を揺らして雨を降らせたり、倒木を蹴って朽ちた様子を確かめたり。見つけたものを次々におっちゃんに見せにきます。

大人もなんとなくモードが高まり、自分自身が気になるものを写真に収め始めます。

大人一人で、子ども一人で、大人同士、子ども同士、誰が誰の家族か分からなくなって入り混じりながら、それぞれが発見に夢中になります。

加速する野イチゴ集め
七色に光る巨大ミミズ
軒下探検


約45分間のFeel度Walkはあっという間に終了しました。

知図タイム

歩いた後は、発見を模造紙に描いていきます。特に細かい指示もないけれど、それぞれが見つけたものを描き始めます。
大人も子どもも、それぞれに夢中になって描いていきます。

家族が入り混じって見つけたものを書く

写真を見ながら描くのがおススメとのことで、写真を見て細かく描写し続けます。「お絵かきなんて普段しない、絵が苦手」という大人も撮影した写真を描き写しているうちに熱中していきます。

撮影した写真をみながらスケッチ

時には現物を貼ったり、現物を見たりしながら、その構造を改めて捉えなおすように描いていきます。

約30分ほど、黙々と描き続け、描き終えた人が増えてきたところで、ゆるゆると発表タイムへ。

発表タイム

発表の舞台も森の中。野外アートフェスティバルのような素晴らしい森の舞台で発表が始まります。

森の舞台で発表

一人一言でOK。何を描いたのかを発表していきます。大人も子どもも、それぞれに描いたものを説明します。
「カタバミで10円玉を綺麗にした絵をかきました。」
「黄色い気持ち悪いぷにぷにみたいなのがありました。」
など、少し照れながら発表する子ども達。時には言葉にならないことさえも、食い入るように大人たちが見つめ続けます。

迷路のような森の中の道を描く

周りで遊んでいたように思える子どもも、自分の番になるとどこからともなくやってきて、プレゼンを始めます。

「野イチゴめっちゃ集めたもん。90%以上が捨てられた。蟻が入ってた。」「これはね、本物の野イチゴで、野イチゴをかいた」。野イチゴを集め続けた少年たちが、野イチゴについて語ります。

本物の野イチゴで野イチゴを表現

大人も自分の描いたものを楽しそうに発表します。
「ハエです(笑)。非常におしゃれなメタリックなハエでした。この部分が深い緑青で光沢があるんですけど、目の深い紫が差し色でおしゃれです。羽が葉っぱの葉脈みたいに色んなパーツにわかれてそうな、何か飛ぶのに理由があるのか分からないですが、結構複雑な骨組みになっています。」

メタリックなハエ

「竹の切り株の根っこの多さにびっくりしました。すごい根っこの量でした。」

竹の切り株を詳細にスケッチ

子どもも大人も生き生きと自分の描いたものを発表していきました。

描いた葉っぱがあった場所を説明
親子での微笑ましい発表

これらの集まった知図は、この森の、この時期の生態系そのものを表していました。また、今まで気にも留めなかったものに注目し、丁寧に描くことで、生き物の美しさに気付く時間にもなりました。

「なんとなく気になるものを集める」

大発見をしなくても、知識がなくても、なんとなく気になるものを集めればいい。そして、集めたものは、全てが素晴らしい。

そのメッセージは、この場に安心で安全で、互いに寛容でいられる空気を作っていました。そして、いつしか閉じていた好奇心の蓋が開いて、湧き上がってくるものがありました。誰かに教えられたものではなく、自分で見つけて、気付けた事。またそれを他の人に愛でられた事で、じんわりとした心地よさが続いていました。

総勢55名でのFeel度Walk

そして、この会が終わった後、今まで見ていた景色が違ってみえる感覚がありました。

相模原市での「森と学びとFeel度Walk」は、これから3年間、合計10回に渡るプロジェクトとして、この素晴らしい森「つちざわの森」で開催されていきます。これからどんな物語が生まれていくでしょうか。

次回は12月3(日)です。
なんとなく気になった方、ぜひふらりと遊びに来てください。

▼12/3の詳細はこちらでご案内していきますので良ければフォローください(Heritage keeperのインスタ)
https://instagram.com/heritage_keeper

▼問い合わせ先
heritagekeeper2021@gmail.com

つちざわの森を運営し、本事業も運営する合同会社Heritage keeper
相模原市協働事業「森と学びとFeel度Walk」講師とサポートスタッフ

photo by yasushi takehana

(文責:松木ゆう子)

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