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20191207_映画「すみっコぐらし」

子どもの頃の私は、絵本を読むのがとても好きだった。

「ぐりとぐら」とか「ノンタン」とか「こぐまちゃん」とか。

未だに懐かしくて、数年に一度くらいでごくたまに開かれる企画展に脚を運ぶこともしばしば。

童心に帰るような、忘れていたものを思い出すような、そんな瞬間が大好きだ。

そんなわけで、今日は掲題の映画を見てきたので推薦がてら紹介しようと思う。

すみっコぐらし

みなさんは、すみっコぐらしをご存知だろうか?

「たれぱんだ」「リラックマ」などちょっとゆるくて個性的なキャラクターで知られるサンエックス株式会社が2012年より展開しているキャラクターコンテンツだ。

最近では、京急電鉄とコラボレーションをして、上大岡駅がこんなことになって話題になった。


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メインキャラクターはみな、どこか自分に自信がなくて、控えめで、真ん中よりもすみっこがすき。

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左から、

しろくま、ぺんぎん?、とんかつ、ねこ、とかげ

そして上にのっているのが、

ふろしき、たぴおか、えびふらいのしっぽ、ざっそう、にせつむり

それぞれの紹介は動画で↓

みんな、どこか周りの「ふつう」の子とは違っていて、それが理由で自分に自信がなくて、控えめで、真ん中よりもすみっこがすき。

だけど

その分、優しくて、他の子の痛みや悲しみがわかる…

そんなキャラクターたち。

映画のあらすじや見所

予告↓


あらすじ(一部引用)↓

ある日すみっコたちは、お気に入りのおみせ「喫茶すみっコ」の地下室で、古くなった一冊のとびだす絵本をみつける。

絵本を眺めていると、突然しかけが動き出し、絵本に吸い込まれてしまうすみっコたち。

絵本の世界で出会ったのは、どこからきたのか、自分がだれなのかもわからない、ひとりぼっちのひよこ...

「このコのおうちをさがそう!」

新しいなかまのために、一肌ぬぐことにしたすみっコたち

果たして、ひよこのおうちは見つかるのか…?すみっコたちは元の世界に戻れるのか?

絵本の中の世界を舞台にした冒険が始まる!

物語の6割は、可愛くてちょっぴりドジなすみっコたちを愛でることに終始する。

●恥ずかしがり屋で、気が弱いのに「桃太郎」になってしまうねこ

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●寒がりなのに、マッチ売りの少女になってしまうしろくま

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マッチを擦って、ひたすらあったかいことを考えるシーンは見もの

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●人魚姫になったとかげは、海の上に憧れて、にせつむりの王子様の船へ

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にせつむりの背中の貝殻は現地調達

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●赤ずきんちゃんになったとんかつ、筋書きどおり食べてもらえるのか…?

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●アラビアンナイトの世界で、空飛ぶ絨毯を乗りこなす(?)ぺんぎん?

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「ひらけ…●●!」

物語は、まるで幼いこどもがたくさん並べた絵本を次から次に捲っていくように変わる

そしてそれぞれの世界が繋がって、ひとり、またひとりとなかまが見つかっていく

元の世界に戻るには、とびだす絵本の中の切れ目に飛び込むということもわかってくる


●ひよこは、みにくいあひるの子なのか?

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物語のクライマックスに差し掛かるまで、何者なのかあかされないひよこ

同じく「じぶんさがし」をしているぺんぎん?や他のすみっコたちに励まされ、勇気づけられながら…

自分の存在を探していく。

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あらすじ ※ネタバレ注意!映画を観てから読んでください。

すみっコたちの冒険の舞台となったとびだす絵本

この絵本の何もない白紙のページに、だれかが描いた落書き。丸くて、小さなひよこの落書き。

いつしか落書きは忘れ去られ、ひよこはずっとひとりぼっち

悲しくてこぼした涙で不思議と動けるようになったひよこは、まだ見ぬなかまを探して旅に出たのだった。

…そう、ひよこのための物語なんて、はじめからなかった。

それを知ったすみっコたちは、ひよこを元の世界に誘い、なかまのしるしとして、みんなで同じ花びらをあたまにつける。

そして現れる切れ目

すみっコたちは、絵本にでてきたパーツを組み立てて、切れ目をめざす

ようやく切れ目に届くところまできたパーツの塔

てっぺんに登ったひよこは、切れ目に触れても自分が吸い込まれず弾かれてしまうことを悟る

それに気づかず、ひよこをさそいつづけるみんな

その時、にせつむりが元の世界に吸い込まれていった 

絵本の中の世界で見つけた背中の貝がらとなかまのしるしの花びらは、吸い込まれずに落ちていってしまう

すべてを悟ったぺんぎん?

目に涙を浮かべながら、元の世界に戻るか、それともここにとどまるかを逡巡しているかのよう

そうこうしているうちに、切れ目はどんどん小さくなり、塔はがたついていく

すんでのところで、崩れそうな塔を絵本の世界で出会った仲間が支える

ひよこは目に涙を浮かべながら、

でも、ほんの少しの間でも、なかまと呼べる存在を見つけられた喜びも見せながら、ぺんぎん?を見送る

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…ぺんぎん?は切れ目のむこうに吸い込まれていき、すみっコたちは元いた喫茶店に戻った

すみっコたちを吸い込んだとびだす絵本の白紙のページには、ぽつんとひよこの絵があった

ポロポロと涙をこぼすぺんぎん?につられ、泣き出すすみっコたち

ひよこはこのまま、ひとりぼっちのままなのだろうか…?

エピローグ ※ネタバレ注意!映画を観てから読んでください。

数日後、喫茶店にあつまったすみっコたち

それぞれペンやはさみ、折り紙をもっている

白紙だったひよこのいるページに、

みんなで住める大きな家や、じぶんたちをひよこ化したキャラクター

そして、なかまのしるしの花びらを付け足していく

これで、ひとりぼっちじゃないよ

絵本のなかでなかまに囲まれて幸せそうなひよこ

絵本を囲むすみっコたちにも笑顔がいっぱい

離れていても、ずっとなかまだよ

                                                     (終)

感想

不覚にも、泣いてしまった。

ただ悲しかったから、ではない。

優しさについて、本質的なことを考えさせられたからだ。

『ひとの痛みがわかること』

すみっコたちはみな、自分に自信がなかったり、本当のことを言えなかったり、何かしらの弱さを抱えている存在だ。

でも、弱さがあるということは、裏返せば優しさがあるということになる。

それは、言うならば、ひとの痛みがわかるということ。

物語が移りゆくなかで、すみっコたちそれぞれがひよこに対して言葉をかけたり、あるいは言葉で語らずとも傍にいたり…そうやって、寄り添っている。

これで、どれだけ救われることだろう。


『現実は思い通りにはいかないけど…』

この物語は単純なハッピーエンドでは終わらない。

すみっコたちとひよこは、別々の世界で生きていく。

別れるとき、すみっコたちはなかまであるひよこを想って涙する。

それでも、絵本から戻ったら、涙にくれるわけじゃなくて、ひよこが寂しくないように白紙のページを埋めていく。

それも、ひよこ化した自分たちを描くことで。

こんな優しさが、こんな愛情があるだろうか

現実が思い通りにいかない分、

ひよこをなかまとして連れ出してあげられない分、

違うやり方でひよこをうんと幸せにしてあげることしたのだ。

白紙のページを埋めることは想像できたが、こんな優しさがあるんだと心を打たれた。

結びにならない結び

世知辛い世の中だ。とかく、優しい人には。

いじめだとか、ハラスメントだとか、虐待だとか…そんなニュースばっかりでうんざりする。

そこまでいかなくても、やれ誰がムカつく、気に入らないだのと集団で吊し上げてみたり、陰口を叩いてみたり。

優しさについて、もっと考えてみませんか?

………

とにかく、「すみっコぐらし とびだす絵本と秘密のコ」を観に行ってみてください。

何かしら、考えさせられることがあると思います。


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