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yukihi6
【読書記録】おおきな木
何年も前から家にある本。
買ったのは、訳が村上春樹さんで、レビューが良かったから。
私の子育ての根底に流れるのは、この感覚かなって思う。
小さい頃に、一緒にたくさん遊んで、疲れたら休める木陰を作ってあげる。
成長したら、離れていく。
必要なものがあるときに戻って来て、あれが欲しいこれが欲しいと言う。
木は、少年のために、自分の葉や幹を差し出す。
そして、少年は去り、必要なものがあるとまたやって来て、また去っていく。
最後は…
木は、どんなふうに、少年を見ていたのだろう。
木は、幸せだったのかな。
私だったら…
必要な時に自分のことを思い出してくれて、頼ってきて、また、いなくなる。
ちょっと、都合良くない?
でも、困った時に自分を思い出してくれるのが、嬉しい。
でも、時に腹が立つ。
見えないところでどうしているのか心配になる。
小言も言いたくなる。
離れていても、子どもの頃一緒に遊んだ記憶を大事に抱えて、それを思い出すだけで幸せな気持ちになれる気もする。
離れて行ったことに、寂しさも感じるし、ホッとする気持ちも感じる。
たまに来てくれたら、嬉しい。
ホッとする顔をしてくれたら、もっと嬉しい。
それでいい。
それが、親子。
何も言わずに見守った木。
私もそんな木の心持ちでいたい。
何も言わないのは、無理だけど。
それでも、いいのだ。
一緒に生きて来た。
時に離れた。
わがままも聞いた。
最後に一緒にいるか、離れているかは、どっちでもいい。
心の中に、いる。
お互いの記憶の中に、いる。
それが、親子。
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