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【読書記録】おおきな木

何年も前から家にある本。

買ったのは、訳が村上春樹さんで、レビューが良かったから。

私の子育ての根底に流れるのは、この感覚かなって思う。


小さい頃に、一緒にたくさん遊んで、疲れたら休める木陰を作ってあげる。

成長したら、離れていく。

必要なものがあるときに戻って来て、あれが欲しいこれが欲しいと言う。
木は、少年のために、自分の葉や幹を差し出す。

そして、少年は去り、必要なものがあるとまたやって来て、また去っていく。

最後は…

木は、どんなふうに、少年を見ていたのだろう。
木は、幸せだったのかな。


私だったら…

必要な時に自分のことを思い出してくれて、頼ってきて、また、いなくなる。

ちょっと、都合良くない?

でも、困った時に自分を思い出してくれるのが、嬉しい。

でも、時に腹が立つ。

見えないところでどうしているのか心配になる。

小言も言いたくなる。

離れていても、子どもの頃一緒に遊んだ記憶を大事に抱えて、それを思い出すだけで幸せな気持ちになれる気もする。

離れて行ったことに、寂しさも感じるし、ホッとする気持ちも感じる。

たまに来てくれたら、嬉しい。
ホッとする顔をしてくれたら、もっと嬉しい。


それでいい。

それが、親子。

何も言わずに見守った木。

私もそんな木の心持ちでいたい。

何も言わないのは、無理だけど。
それでも、いいのだ。


一緒に生きて来た。
時に離れた。
わがままも聞いた。

最後に一緒にいるか、離れているかは、どっちでもいい。

心の中に、いる。

お互いの記憶の中に、いる。


それが、親子。

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