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善に含まれる3つの意味 人間は「善」のためにしか動かない【ニコマコス倫理学④】

こんにちは、らるです。

今日も、ニコマコス倫理学を
見ていきましょう。

今日は「善」についてのお話です。

これが理解できると
人は「善」のためにしか動かない
ということがわかります。

きっと、こう思う人もいるでしょう。

「え?人間って、悪いこともするよね?
 盗みとか、殺しとか…」

そう思うのはもっともですが
アリストテレスの言う「善」の意味を
見ていくと、犯罪ですら「善」のためだ
ということが見えてきます。


「善」に含まれる3つの意味

アリストテレスは
善は3種類あるのだと言います。

日本放送協会,NHK出版. NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2023年 10月 [雑誌] (NHKテキスト) (p.47). NHK出版. Kindle 版.

道徳的善
そのまま、「道徳的によい」
という話で

困っている人を助けるとか
ルールを守るとか…

まさに「善」という言葉の
イメージ通り
かと思います。


次の「有用的善」は「役に立つ」
ということです。

「この包丁はよい包丁だ」と言えば
それは「よく切れるから役に立つ」
という意味ですよね。


最後の「快楽的善」は
「気持ちいい」「楽しい」
ということです。

よいお酒…と言ったら
それは、おいしくて気分がよくなるから
よい…わけです。
道徳的によいわけでも、
役に立つわけでもありません。


ここまで見ていくと
道徳的によくないこと…
例えば、「盗み」なんかも
「善」に従っていることが
分かってくる
と思います。

お金を盗れば
何かを買うことができる

つまり「有用的善」を目指している
ということになりますし

あるいは、万引き犯の動機でよくあるような
「盗みのスリル」を味わうというなら
それは「快楽的善」を求めた
ということになります。


「善」の意味をここまで広くとらえれば
「人間は「善」のためにしか動かない」
というのはわかってくる
と思います。


まとめ

善には3種類ある

道徳的善=道徳的によいこと
有用的善=役に立つこと
快楽的善=気持ちいい、楽しいこと

人間は、「善」を求めてしか動かない

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