1. 何もない人生だった。 幻覚と幻聴に塗れた嘘だらけの日々だった。 しかし、あなたに出会ってから全てが変わった。変えてもらった。 だから、こんな終わり方でも私は満足している。 脆くて透明な魂を持つあなたへ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「出た、藤枝」「今日は来たんだ。来る理由なんてないのに」 「クラスの空気が悪くなるっつうの」 私に向かって囁かれる陰口を背に自分の席に着く。 ここは私立マタイオス女学院