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2020年 Vtuber Live2D個人的総評

フリーランスのLive2Dデザイナーのrariemonnです

今年ももう年の瀬という事で、2020年のVtuberのLive2Dに関して感じたことなどの個人的まとめ・総評を書いていきたいと思います
僕はただの個人の依頼を受けてモデルを制作するマシーンで、実際のV等の運営には関わっていないので、ただの一モデラーのぼやきとして捉えてもらえればと思います

盛り上がる2D Vtuber

今年はコロナ等ありましたが、Live2D制作の案件は減るどころかリモートの特徴が生きて、自分の場合はむしろ案件は増えました
今年は実績公開可能なものでも、新規モデルを26体、新衣装モデルを8体制作させていただきました
去年は、「Live2Dモデルを持つ人達が増えてきて、来年は新衣装のモデル制作くらいで新規参入する人は減って案件の量も落ち着くんじゃないかなあ」と予測していたんですが、予想外に2DVtuberは今年も盛り上がり、新規参入も多く案件が減っている感触は個人的にはありませんでした

クリエイター系のVtuberの増加

イラストレーターや漫画家などのクリエイターからの依頼が増えたというのも2020年の特徴だと思います
僕が制作したものでも、「しぐれうい」さん、「なつめえり」さん、「あらと安里」さん、「伊東ライフ」さん、「黒瀬浩介」さんとたくさんのクリエイター様のモデルを制作させていただきました。私が制作していないものでも、今年はクリエイターのデビューは多かったように感じます
Live2Dはまさに絵そのものを動かす技術なので、イラストレーターや漫画家とはかなり相性が良いと思います
作業配信時のお供のアバターとしてのモデルの活用も増えてきたと感じ、クリエイター様からの依頼は来年もありそうだなと感じています

アップデートモデル制作の増加

2DVtuberの歴史はだいたい2018年頃から始まり、自分も2018年の5月頃にホロライブ1期生の「夜空メル」ちゃんで初めてVtuber用のモデルを制作しました
当時は口パクやまばたきなどがリンクし、多少動けばOKといったモデルが主流だったのですが、より動きの分かる可動域の高いモデルの需要が増えていきました。
2年でクオリティの基準は結構変わってしまったので、今年はモデルのアップデートの案件が多く目立っていたと思います。Live2Dのソフト自体は2年で大きく進化してはいないので、トラッキングアプリの調整や、Live2Dモデラーの腕の技術の向上が大きいと思います

自分はLive2Dは可愛さのための技術であり可愛さ至上主義の信条を持っているので、アップデート制作については、より可愛さをアップする目的のために可動域の増加を手段として使うという認識で行っています
可動域を増やすと顔のバランスが崩れやすくなる性質があるので、可動域と造形の均衡を考える必要があります
界隈としてアップデートの制作はまずはじめに可動域を増やすことが目的になっているのではないかと懸念しているので、より可愛くを前提に動いてほしいなと個人的に思っています

トラッキングソフトのリリース

Live2Dモデルが動きの出力値とすれば、トラッキングは動きの入力値であり、動きのクオリティに直結してきます
にじさんじやホロライブは高性能な複数のカメラを持つiPhoneXの顔認識を使用した独自のアプリを制作しているようですが、個人勢は長らくWebカメラによる顔認識のFacerigを使用してきました
そんな中、同じくiPhoneXの顔認識を使用したVtube studioやmocape(開発中)や、Facerigの進化版のAnimazeが今年リリースされ始めました
Animazeはまだ調整が必要な感触があり、今でもFacerigが一番扱いやすく優秀だと感じていますが、来年以降のトラッキングソフトの進化を期待しています

海外でのVtuberのバズり

ホロライブを筆頭に今年は海外でVtuberが人気になった影響で、海外の方からのLive2D制作のご相談がかなり増えてきています
自分は言語の壁による連絡やお金のやり取りが不安でまだ海外からの案件は受けていないのですが、非常に需要を感じています
やらしい話ですが、僕にくる話では若干日本よりも金額の相場感が高く、それだけ海外企業も本気だと熱量を感じます。(ピンキリだとは思いますが)
あまりに爆発的な人気すぎて、一過性のブームの可能性もあると思いますが、海外向けに仕事を取っていくのもありだと思います

2021年のLive2D案件の展望

前述のように、今年は僕の見える範囲ではLive2D界隈としては明るいニュースも多く、特にトラッキングの進化や海外での需要の高まりは来年も大きく期待できると思います
僕自身もすでに来年のスケジュールは早めに抑えられており、来年はまだ食っていけそうだなと安心しています
Vtuberに関わる部分での公式のLive2D社の動きは正直ほとんどなかったのですが、最近やっと公式Vtuberを作っていたので、Live2D社としての動きも来年気になります


ソシャゲ等のゲーム系の案件は全然受けていなかったので、Vtuberに偏った話をしていてゲーム系のLive2Dモデラーさんにとってはあんまり参考にならなかったと思いますが、Vtuberに関わる人たちの何かしらの参考になればいいなと思います
無事一年過ごせたらまた来年も個人的ぼやきを書きたいです

それでは、よいお年を

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