公演を追えて。

長いようで短い、4日間が終わりました。
ご来場いただいた方には、何かしらの想いを胸に刻めたものと思います。

大きな舞台や、アニメといったコンテンツと比べたら、ちいさなちいさな物語。
ありきたりな物言いですが、たくさんの方の力が積み重なって一区切りまでたどりつきました。
企画製作。
お打ち合わせから、台本執筆。
演出プランに、美術や照明音響のお打ち合わせ。
会場さんとの調整や、事務所とのやり取りを請け負う制作。
パンフレットや物販アイテムをつくり。
ロビー制作や楽屋回り、メイクさんや衣装さん。
そして、みんなの前に立つキャスト達。

どれかが欠けても手を抜いても、これとは違った仕上がりになっていたと思います。

公演が終わるまでは、キャスト一人一人のお芝居の感想、物語自体への想いなどを長々と語ろうとしていたのですが。
皆様に「届いたもの」が、それぞれの真実なので野暮かな、と思い割愛。

Wキャストが、それぞれのチームの物語だったように、その日その日、公演ごとに違う彼ら彼女たちでした。
同じ筋を追っても、出てくるものが違うというのは芝居の妙。
今回の筋では、それぞれに相方がいて。背中を押したり、引っ張り上げたりしてくれました。
あり得ないけれど、30日同じキャストで同じお芝居を繰り返したら、そしてキャストがその綱を渡り切ってくれたら、きっと今作とは全然別のものになっていると思います。

それぞれ、違う現場で活躍をして、その経験を持ち寄って、またこういった場が設けられればいいな…と願っています。

役者の演技も相乗ですが、まず話がとても良かったの。
本音を言えば、もっともっといろんな方に届けたいですです。

本プロジェクトでなくても、もちろん構わないので。
今後、こういった企画がどこかで会った時は、「朗読劇って、意外と気軽なんだ」「楽しめるよ!」と、周りの人にも勧めてあげてください。
(まぁ、プロデュース公演の声優朗読劇でここまで出来の良い公演はそうそうないとおもいますが…!

世の中に、もっと舞台や朗読を楽しむ人が増えれば。
公演自体も増え、こういった機会が多くなっていくと思います。

お芝居は、役者だけ・舞台だけでは成立しません。
観てくれる方がいて、初めて完成します。
この作品を応援していただいて、一緒に物語を作っていただいてありがとうございました。

役者も制作も、「自分のことだけ」に構っていたら、居場所はどんどんなくなっていきます。
アニメは、お芝居は、LIVEは第三次産業なので、世の中に余裕がなくなったら成立しない。
だから、僕らはエンターテインメントで世の中を豊かにしなければいけない。

…普段から発している言葉なのですが、今の世相では 思ったよりも重く響いてしまう言葉になってしまいました。
作中のキャラたちと、一部気持ちがリンクします。
そう思うと、キャラたちは物語の中で確かに生きていました。
生きる世界を、芝居を作る舞台を、作ったのは周りのたくさんの大人たちでしたが、命を吹き込んだのは舞台の上に立った、6人の役者たちでした。

よかったなぁ、と思ったら、その感想を届けて上げてください。
それが、役者にとって一番の励みになります。
そして、またの機会があったら足を運んでください。
それが、この領域の糧になります。

「【朗読劇】この空を見上げて」は、これで一旦幕となりますが、ここで生まれたご縁や想いやその他曖昧模糊としたなにかが、今回関わってくれたすべて…もちろん、客席を作ってくれた観客の皆さんも含めて、すべての人のナニカになれていたらいいな、と願っています。

僕たちは、走り続けています。
また、どこかでお会い出来ればうれしいです。

製作・プロデューサー 片桐貴文

キャストと一緒に、制作陣一同も公演を安全に運営できるよう努めて参ります!