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夏のバス停

(下書きの上から2番目)

駅前のロータリーには退屈そうにたばこを吸うタクシードライバーがいて、遠くの駅に来たことを実感した。
—空気
普段と全然違う匂いがした、好きな匂いだった。

「おとぎ話の続きは消波ブロックの向こうで、」

彼女はそう言い残しどこかへ消えてしまった。
コンクリートの香りが立った。

古本屋でヘルマンヘッセの本を買った。

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