輪ゴム触った後って手がざらざらするよね

今使っている頓服には

・リボトリール
不安を抑える働きをしてくれる薬。
各種感覚を鈍らせてくれる。普段は主に声と目線に怖さを感じているが、そこにふんわりと厚めのベールを掛けてくれるようなかんじ。
・セロクエル
制御不能な思考の増殖にブレーキをかけてくれるかんじの薬。

の二種類があり、ここ1ヶ月は主にセロクエルを愛用している。頓服なので特に飲む時間やタイミングは決まっていない。多くの場合、朝布団から出て脳が覚醒する頃に病気由来のごちゃごちゃ余計な思考が発生するので「うるさい!」と思い(または声に出し)、それを合図に飲んでいる。

病気由来の原因のない思考は単調だが無限に繰り返されるのでうるさいと感じる。これまでは

・怖い!
・なんで?
・いやだ
・死のう

の4種類がレギュラーメンバーであり、すぐにセロクエルをもって封じていたが、今日新たに

・助けてよ

が加わったので、「ぐお〜めんどくせえ〜!」と思っている。いつの私がどのように助けてほしかったのかを把握しているがために、私はこの「助けてよ!」という思考の基になっている私を救うことができない。レギュラーメンバーは「今」目の前にある怖いと感じる状況から離脱したりまあだいたいカーテンを閉め切った自分の部屋で布団に潜り込めば叶えてあげることができる。でも助けてよ、は無理だ。なぜならそれを思っていたであろう私は「今の私」ではなく大学4年生の、2017年の私であって、今の私がどう走り回ったって過去に戻ることができないならば手を差し伸べても届かない。私以外の誰の手も届かない。

今の私が楽しい思いをすればするほど2014年から2017年にかけての私に対する後ろめたさと彼女が縋り付く今の私の足取りが重さを増す。当時の彼女はまさにひとりぼっちで誰も助けてくれなかったし、同時にたぶん、誰かが助けてくれようとしてもその手を掴む能力を持っていなかった。だから当時の私が「助けてよ!」と叫ぶのは八つ当たりでしかない。助けられたいという決意もないくせして助けてくれなかった人間全部をまとめて恨んでいる。それが私であったし、今の私を形作る経験の大きな部分を占めている。だから今の私は「お前が助かりたいと思わなかったからそうなったんだろう」と彼女を突き放すし、そうするたびにあいつはもっと大きい声で泣き、「お前だけが幸せになるのか」と私を憎む。私は、私は、私の中で人を憎む気持ちと憎しみの対象とが循環し続けている。どうしたらこの輪から出られるのか分からないまま、とにかく薬で過去の私を黙らせ時間と共にそいつの声が小さくなるのを待っている。

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