心はいつだって

さよならと
そう言って
手を振って

前へ前へと進んできた

過去にある
悲しみや辛さや痛みを
抱えて歩いていく必要なんて
どこにもないのだから

見上げる空は
いつだって青くて
そして
いつだって優しかった

悲しいよと泣いたあの日
あなたはどこにいたの?

苦しいよと
生きることを諦めた時
あなたは誰といたの?

それでも
それでも

たったひとり
私の特別な人
大切な人

決して
悲しみや苦しみを
共有できなくとも
それは変わらない

たとえ
私たちの子供が
幼いままに
天国へ行ってしまった
あの時でさえ

私たちは
それぞれに
たどり着くべき場所へ
たどり着き

そして手を取り合って
笑ったよね

私は
背中に手を置いて
大丈夫だよ
そう言って
慰めて欲しかったんだと思う

それが心を暖かくする
手段なんだって思ってた

あなたは
あなたの世界に
私は
私の世界に
それぞれの世界の中に生きている

淋しいよと泣いたあの日

あなたは
何をみて何を感じていたの?

辛いよと空を見上げた時

あなたは
どこで誰と何を感じて
何を思って

そして私のことが
心にいたの?

淋しさと思えば
それは
淋しさになってしまう

幸せだと思えば
それは
幸せになってしまう

すべては意識だと
そう気がついてから

私たちの本当の意味での繋がりを
ちゃんと感じることが
できるようになったのかもしれない

いつだって孤独だと
そう思っていたのは
知らないだけと
贅沢病なだけってことなだけ

ほんとうはね
すべては
私の心の中にある

あなたの心を知りたいと思う
だけど
何一つ知ることはできないまま

私はあなたを幸せしてあげたい
そう思う前に

私を幸せにして欲しいと
あなたに手を伸ばし
あなたを求めてばかりいた

私は私の世界に生きているのに
あなたに救いを求めても
救われるはずもなく

ねぇ、
あなたの世界に
行ってみたいよ

少しだけ、
ほんの少しだけでいい。

そうしたら
私はあなたのことを
少しでも幸せにできるかな

そうしたら
私はとてもうれしくて
またひとつ幸せになる

優しさが痛みになる
あの場所へは帰らない

握りしめた手を開いて

私は笑う
心から笑って

あなたの手を取って
たどり着くべき場所へ行くよ。

心はいつだって
自由なのだから。

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