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私と文庫本

いつからだろう
出かける時、
文庫本を持ち歩くようになったのは

最近はもっぱら携帯にあるkindleだけど

だけどやっぱり
紙の本の方が好きだし
読んでるって感じが好き

現実から離れて
別の世界の中へ没頭する感覚は
私にとっては快楽だなとも思う

それは本にもよるけれども…




青い空が広がる
暑くもなく寒くもなく
心地の良い風の中で
文字を頭というより
体で感じた

あの場所へは
もう二度と行くことはないのかもしれない 

それでも
あの本を開けば
あの物語を思い出せば

私はあの場所に瞬間移動したみたいに
次元移動したみたいに
あの場所へあの瞬間へ行ってしまう

それくらいに
時間と空間と文庫本は
同化している

こんな感覚を
あなたはわからないと言うし

悲しみや苦しみが
どんなふうに私を責め立てて
どうであったかなんてことも

あなたの世界にはなくて

もしもあなたがそんな事が
理解できる人だったら
私と同じような感性だったら
私たちは全くと違ったよね

それを望んでいるわけじゃないし
むしろ
そうでなくてよかったと思う

もしも同じなら
もうとっくに私たちは終わっていただろうね

理解してもらうことは
とても嬉しい事だけど
それと同時に責任が生まれるような
そんな気がする

理解されているんだから
頑張らなきゃとか
気持ちに応えなきゃとか
なんだかそんな強迫観念が生まれて
あなたの望むような
そんな私を演じざる得なくなりそうで

かつて私は
本を読む行為は
一種の現実逃避だった
それは確実にそうで
それと同時に
自分に重なる主人公に
理解を得た気持ちなった

誰にも理解されない私を
許されたような
そんな気になっていた

今はただの娯楽として
エンタメの強いものも
好んで読んだりもする

だけど純文学に出会うと
心の中がサワサワとして
フワフワとして
求めていたものを
手にしたような気持ちになる

あなたは本は読まない

だから本の感想を共有することは
ないけれど
私は自分にハマった本を読み終えた時
すごく満足で
満ち溢れた気持ちになる

いつも孤独だと思っていたし
そんな私は本に助けられたなとも思う

それでも今そこから抜け出したことを
嬉しく思うと同時に
あの孤独感はある意味の
快感でもあったのかもしれないと思う

悲劇のヒロインに酔いしれるみたいなね

私は今孤独であって孤独じゃないし
悲劇のヒロインに酔いしれるような
悲劇もないし
随分と進んできたから
私と本の関係性もきっと変わってる

それでも私には本が必要だなと思う

現実逃避要員じゃななくて
小さな世界の中で生きてる
私の世界を広げてくれる
そんな学びを得るために

次に買う本はもう決めている

どんな出会いになるのか
とても楽しみ

暖かくなって
春が近づいてきたから

文庫本片手に
どこかに本を読みに
出かけたいな


ちょっとだけ
淋しいのは
事実してあるかもね

受け入れて外す感情

年度末はいつも忙しいらしい。
いいことだ。

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