「よなごまちジャズ・プロジェクト」協力企画。KI8Jazz～岡本喜八第100回生誕祭
鳥取県米子市出身の映画監督・故岡本喜八氏の生誕100年記念事業の一環で「KI8 Jazz」に特別協力という形で「よなごまちジャズ・プロジェクト」が参加させていただきました。こうしたイベントに「まちジャズ」として何ができるのか。「まちジャズ」の活動を模索する中で初めて主催という形ではなく、協力という形でイベントに関わらせていただきました。
２月１７日（土）米子市中心市街地商店街の一角、法勝寺町の多目的施設「DARAZ CREATE BOX」でジャズライブをさせてもらいました。ジャズライブにしては珍しい午前中始まりのイベントで、午前８時半から会場入りしてPAの状況などセッティングを進めた。この建物、かつて金融機関の店舗だったということで、重厚なコンクリート造りと高い天井が特徴。道路側は窓が大きく取ってあって、朝の斜光が館内に惜しみなく降り注ぐ。天然の暖房のように暖かい。ジャズライブは夜というイメージだが、朝陽の中でのリハを眺めていると、朝ジャズ、昼ジャズもまんざらではないと思ってしまう。いや、まんざらではないどころか、昼ジャズの方がいいのではないか。リハーサルをするテナーサックスとフルートの木管２管のアンサンブルが心地良く、朝の柔らかな陽射しに溶ける。ちなみに、この施設の向かいが地元スーパー「いしかわ」さんのモナミ店だったのを覚えている方はおられるだろうか。さらに言うと、「モナミ」というのは、以前そこにあったパチンコ屋の名称なのだ・・
第１部の鳥取大Jazz&Fusion研究会と鳥取大医学部ジャズ研究会の混成バンドの演奏が１０時半から始まる。往年のウエスト・コーストジャズを思わせる柔らかなアンサンブルが午前中の街の雰囲気と相まって、何ともいい感じ。聴きに来ていただいたお客さまも、ジャズファンの方が多くて嬉しかった。部員たちも今、自分たちができるベストのことを演奏にぶつけている。その姿は非常に清々しく、凜々しかった。午前の雰囲気にぴったりだ。
２月１０日に若桜町の「Gallery Café ふく」さんで午後イチでライブをさせていただいて思ったのだが、昼ジャズはいい（笑）ジャズと言えば一杯やりながら聴くとか夜のイメージが強かったのだが、昼も大いにアリだ。そういえば「Jazz for a Sunday afternoon」という名盤がある。これはNYのジャズの名門「ヴィレッジ・ヴァンガード」で行われた日曜午後のジャム・セッションの様子を収録したアルバムで、若き日のチック・コリアや巨匠・ディジー・ガレスピーら豪華メンバーが参加している。５０年代にはジャズの名門レーベルPrestigeから「All morning long」「All day long」「All night long」の「long」３部作がリリースされていて、このうちレッド・ガーランド名義の「All morning long」のジャケットや演奏が好きな僕は、朝ジャズといえば、ついついこのアルバムを思い出してしまう。
午前中は大学生の皆さんが素晴らしい演奏を。午後は社会人＆学生さんの「Dear one by sextet」が出演。大勢のお客さまに来場いただいて、終始和やかな雰囲気の中で演奏することができた。会場にはいい「気」が流れていたと思うし、それはひとえに出演者と来場者の双方の素敵な関係性が構築できていたからにほかならない。実はこれは、経験上、簡単にできそうで、意外と難しい。ただ、この日、僕たちの思い描く雰囲気、空気感のライブが実現できたということは、「まちジャズ」のコンセプトが出演者の皆さんにも、来場者の皆さまにも、徐々に浸透しているのではないかと思った次第。だとすれば、非常にありがたいことだ。
演奏終了後、この日、特別に振る舞われた喜八ケーキを頬張る部員の皆さんの笑顔が素敵で、それを見た瞬間、イベントは成功だと確信できた。だって楽しかったんだから。ならば、それでOKでしょう。関係者の皆さま、ありがとうございました。
■出演：鳥取大学＆鳥取大学医学部ジャズ研バンド、Dear one sextet、ゴロ画伯
主催：岡本喜八顕彰事業実行委員会、米子市、（一財）米子市文化財団【米子市公会堂】、米子シネマクラブ、国立映画アーカイブ
特別協力：NPO法人 喜八プロジェクト、米子ガイナックス株式会社、よなごまちジャズプロジェクト、文化庁、（一社）日本映画
製作者連盟、全国興行生活同業者組合、東映株式会社、東宝株式会社 ※令和5年度鳥取県文化芸術活動支援補助金助成事業
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